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日本の四季_盛夏の候           ぐるり北海道の旅


1.利尻島と礼文島 

① 稚内から礼文島へ

 礼文島は、北海道の北部、稚内の西方60㎞の日本海上に礼文水道を挟んで利尻島の北西に位置し、人が居住する離島としては、最北端となる。 
 レブンという名前はアイヌ語で「沖の島」を意味する「レブンシリ」に由来する。
 冷涼な気候により海抜ゼロメートル地帯から二百種類以上の高山植物が咲き乱れているため別名花の浮島と呼ばれている。 
 稚内港からフェリーで礼文島へ向かう。
 この日は海がひどく荒れていて、デッキに立っても両手でカメラを構えると体が持っていかれそうになる。
 片手で手すりにつかまり、カメラを片手持ちでシャッターを切る。
 そんなことを繰り返しながらなんとか利尻富士を撮ることができた。
 およそ二時間程で礼文島香深港に着いた。思いのほか厳しい航海だった。

② 礼文島のお花畑「桃岩展望台」

   礼文島の玄関口、香深港南西の高台、高山植物群落にある展望台から元地灯台にかけての丘陵地帯は、「花の浮島」と呼ばれる礼文島でも屈指のお花畑だ。

③ 利尻・神秘的な小沼「姫沼」

 中心に「利尻富士」の別名を持つ秀峰「利尻山」が聳え立つ、北海道の北部・日本海側に浮かぶ円形の島「利尻島」。
 その北側山麓にたたずむ原生林に囲まれた神秘的な小沼「姫沼」は、標高130mに位置し、周囲約800m、深さ約2mの小さな湖だ。
 淡水魚の漁業奨励のため、大正六年に堤防を建設。利尻山の湧き水をせき止めたことで、当時三つあった小さな沼がひとつになり、ヒメマスを放流したことから「姫沼」と名付けられた。
 水がきれいなので鏡面のように穏やか。天気がいい日には、逆さ利尻富士が見える。
 遊歩道があり、野鳥の鳴き声を聞きながら散策することができる。

④ 日本最北端の利尻山

   深田久弥の『日本百名山』に最初に登場するのが、日本最北端の利尻山だ。氏はこの山を「島全体が一つの頂点に引きしぼられて天に向かっている。こんなみごとな海上の山は利尻岳だけである」と称賛している。別名利尻富士とも呼ばれ、昭和49年に利尻礼文サロベツ国立公園に指定された。
 高くそびえるその美しい姿は、古くから航海や漁場の目印とされた。
 人々はその山に航海の安全を祈り、豊漁を祈願したという。

2.知床 

① 大迫力、オシンコシンの滝

 落差約30m。途中から流れが二つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれており「日本の滝百選」にも選ばれている。
 滝の中ほどの高さまで階段で上がり滝を横から撮ることができる。
 しぶきが掛かるほど目の前で見られる滝は大迫力だ。

② 知床五湖

   知床五湖は、北海道斜里町にある湖である。
 一湖から五湖までの名前がついている。 
 知床五湖には、二つの魅力がある。
 その一つは展望地から眺める雄大な知床連山の景色。鏡のように輝く湖面に映し出される連山と原生林の森は、まさに息をのむほどの美しさだ。
 二つ目は、他に類を見ない野生動物の高密度生息地で、原生林の散策が楽しめる事。
 野生動物の命を支える五湖の森では、エゾシカの姿を撮ることができた。

③ 斜里川上さくらの滝

 斜里川上流にある高さ約3.7mのさくらの滝では、毎年約三千匹のサクラマスの遡上を見ることができる。
 海を渡ったヤマメが大きく成長してサクラマスとなり、産卵のために川に戻り、滝を登るのだ。
 滝つぼからジャンプするサクラマスの姿は、まるで生命の力強さが宿っているかのようだ。幅広い川の中、泡立つ水の流れに逆らって飛び出すその勇姿には、心を打たれるものがある。手に汗握るその瞬間を撮ろうと、カメラを構えていたのが、その瞬間を切り取ることは容易ではない。13時23分から13時51分の29分間、私は341回もシャッターを切った。けれども、本当に素晴らしい作品と言える写真は、わずか一桁にすぎなかった。

④ フレペの滝と遊歩道

■さまざまな環境がつまったフレペの滝遊歩道
知床自然センターから歩くこと約20分、「フレペの滝」を見渡せる展望台に着く。
 この滝には川がなく知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、垂直に切り立った約百mの断崖の割れ目から流れ落ちている。ホロホロと流れ落ちるさまが涙に似ていることから、地元では「乙女の涙」という愛称で親しまれているが、その名のとおり、滝というにはあまりにも水量が少なく写真の被写体としては物足りない。
 草原をぐるっと囲む遊歩道を歩く。
 短い距離の中に知床の特徴的な海岸地形や草原、森林など、さまざまな環境がつまった遊歩道だ。
 エゾシカが遊ぶ姿をカメラに収めることができた。

⑤新知床旅情

知床の岬にはまなすの咲くころ
思い出しておくれ俺たちのことを
飲んで騒いで丘にのぼれば
はるか国後に白夜は明ける

別れの日は来たラウスの村にも
君は出て行く峠を越えて
忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん
私を泣かすな白いかもめを

⑥じゃがいも街道と小清水原生花園

■まさに北海道感動する景色
 じゃがいもの産地として知られている小清水町の「シンボル・ロード」。
 国道244号から分岐して、浜小清水地区から真っ直ぐ小清水町の市街に通じる約5kmの直線町道で、周囲に広大なジャガイモ畑が広がることから、「じゃがいも街道」の愛称が名付けられ、北海道ツーリングのバイクライダー達にも、その名が知れ渡っている。

■園内にJR釧網本線が走る小清水原生花園
   小清水原生花園は、オホーツク海と濤沸湖に挟まれた約8Kmの細長い砂丘の上に形成された天然の花畑で、四月末から九月いっぱいにかけて、二百種類にも及ぶ植物を見ることができる。また、遠くに藻琴山や知床連山を望み、オホーツク海や濤沸湖に挟まれた中をJR釧網本線が走るという、ユニークな風景が特徴だ。

⑦ 硫黄山とつつじヶ原自然探勝路

■パワースポット硫黄山
 じゃがいも街道から釧路方面へ約40㎞ほど走ると硫黄山に着く。
 知床硫黄山は、北海道羅臼町と斜里町にまたがる知床国立公園の知床半島に位置する活火山だ。ゴウゴウと音を立て噴煙を上げる硫黄山。
 独特な硫黄のにおいや煙の熱気など、大地の力を間近で感じながらカメラポイントを探す。
 山麓の平地には、真っ黒に燻された木々の根っこがオブジェのように点在していた。

■特異な生態系を展開しているつつじヶ原自然探勝路  
つつじヶ原自然探勝路は、川湯温泉街と硫黄山をつなぐ散策路。
 硫黄山から出る火山ガスや、酸性土壌などに耐えられる高山性の植物たちが特異な生態系を展開している貴重な場所となっている。
 植生は川湯温泉街に近い方から「針葉樹林帯」「広葉樹林帯」「イソツツジ帯」「ハイマツ帯」とハッキリ分かれており、約二.五㎞という短い距離ながら変化に富んだ探勝路だ。

3.釧路

①釧路市丹頂鶴自然公園

■世界的にも希少な丹頂鶴の自然公園
硫黄山から釧路市丹頂鶴自然公園へは86㎞.およそ1時間20分ほどの道のりだ。   
 十九世紀の中頃まで、北海道にはいたるところに湿地があり、タンチョウはそれほどめずらしい鳥ではなかったようだが、明治時代に本州から開拓民が入ってくると、湿地は農地に変わり、ほんの2~30年の間に、タンチョウはその姿をけした。
 1924年、釧路湿原にわずかに残っていた十数羽タンチョウが見つかり、国の保護政策が始まった。
 「たんちょう釧路空港」から車で約10分の好立地にある丹頂鶴自然公園は、1970年に世界で初めてタンチョウの人工ふ化に成功した、世界的にも希少な丹頂鶴の自然公園だ。
 特別天然記念物のタンチョウが自然に近い環境で常時十羽ほど飼育され、年中いつでも観察できることが魅力。
 訪れた時には運よくヒナに出会え、なかなか見ることのできないタンチョウの家族の様子が撮影できた。

4.美瑛 

① 四季彩の丘

■広い。広い。大地に広がる観光の丘美瑛といえば丘。
 その美しい景色は自然そのものではない。
 さまざまな野菜や穀物、お花など、人の営みがあるからこそ、このパッチワーク柄の景色になるのだ。  
 広さ十五㏊の敷地に、目にも鮮やかな数十種類の花が咲く展望花畑。
 季節に応じて咲き誇る色鮮やかでカラフルな花々が、展望花畑にくっきりとストライプを浮かび上がらせる光景は圧巻だ。緩くうねりのある丘が独特の風景を形作っていて、その眺望も素晴らしい。

② 青い池

■十勝岳噴火が生んだ青い池
美瑛町の中心部から東へ車で約三十分、森林地帯を流れる美瑛川の脇に「青い池」はある。青い水と立ち枯れたカラマツが織りなす風景には幻想的という言葉が似合う。
 大正十五年五月、噴火による十勝岳の岩屑なだれが発生し、残雪を溶かしながら富良野原野まで到達した。
 この噴火による泥流から山麓にある白金温泉街と美瑛町の市街地を守るため、美瑛川には砂防設備が多く設置された。
 さらに、昭和六三年にも十勝岳は噴火。この泥流対策として、美瑛川の脇にブロック堰堤が作られる。火山から人命を守るために作られた堰堤の背後に河川水が溜まり“溜め池”状になった水、それが「青い池」なのだ。

5.北竜町 

①ひまわりの里

■国内最大級のひまわりの里
北海道の中央部、空知管内の北部に位置する北竜町は、札幌まで車で二時間、旭川まで一時間の距離にある。
 暑寒別岳を主峰とする増毛山脈とその支脈が町内を走り、全面積の70%を山林が占める。
23.1haの広大な敷地に、百五十万本のひまわりが咲くひまわりの里は、国内最大級。
 1989年の造成開始以来、台風や竜巻による大被害を受けながら、二千人の北竜町民が協力しあって、大切に育てたひまわりが、八月上旬に旬を迎える。
 21種類の世界のひまわりが植えられた「世界のひまわりコーナー」、ひまわりで作られた巨大迷路、ひまわりの里を一周する遊覧車「ひまわり号」、レンタサイクルもあり、一日中楽しめるひまわりの里だ。

6.小樽 

①小樽運河

■小樽のシンボル小樽運河
 小樽港は北海道開拓の玄関口として発展してきた。当時は、大きな船を沖に泊め、はしけを使って荷揚げしていたが、取り扱う荷量が多くなり、運搬作業を効率的に行う必要が出て、はしけが接岸できる距離を長くするために、海面を埋め立てることによってできたのが「小樽運河」だ。
 小樽運河は、大正十二年に完成し、内陸を掘り込んだ運河ではなく、海岸の沖合いを埋立てて造られたため、直線ではなく緩やかに湾曲しているのが特徴だ。
 しかし、時代が変わり戦後になると、港の埠頭岸壁の整備により、その使命は終わりを告げることとなった。
 昭和六十一年、運河は、十数年に及んだ埋立てを巡る論争の末に一部を埋立て、幅の半分が道路となり、散策路や街園が整備された現在の姿に生まれ変わる。
 運河の全長は1,140m、幅は道道臨港線に沿った部分は20m、北部は当初のまま40mとなった。
散策路には63基のガス灯が設置され、運河沿いの石造倉庫群は当時の姿のまま残されておりレストランなどに再利用されている。

■魅惑のスポット運河クルーズ
別名「屋根のない博物館」と呼ばれる小樽。
 その名の通り、今でも小樽には、多くの歴史的建造物が並ぶ。
 なかでも、小樽運河周辺、小樽運河そのもの、運河沿いの歴史的建造物。どこを切り取っても絵になるフォトスポットだ。
 小樽運河クルーズに乗船した。
 歴史とロマンの街「小樽」の魅力を再発見できる約40分の小さな船旅だ。
 船上からしか眺められないスペシャルなスポットを体感した。

小樽運河の朝(左)と夜(右)
クルーズで見た風景

7.ニセコ

① ニセコ町

■唯一のカタカナの町「ニセコ町」
「ニセコ(ニセイ・コアン)」とは、アイヌ語からつけられたもので「切り立った崖(の下を流れる川)」という意味。
 明治時代になり国策として北海道の開拓が重要視されると開拓は急速に進み、ニセコ町の開拓も始まる。
 この町は、1964年までは「狩太町」という名称であったが、1963年、ニセコアンヌプリ一帯が「ニセコ・積丹・小樽海岸国定公園」に指定されたのを機に、町名を変更し。日本で唯一のカタカナの町「ニセコ町」が誕生した。

②ニセコビレッジ

 ニセコビレッジは、ニセコアンヌプリの麓に位置する四つのスキー場がリンクしたニセコユナイテッドの中心に位置している。
 その広大な敷地の中には、宿泊施設、温泉が併設されたスパ、ダイニングとショッピングエリア、インターナショナルスキースクール、そしてスノーアクティビティなど、数々のプログラムを提供している。
 グリーンシーズンには、羊蹄山を望むゴルフコースやバラエティーに富んだアウトドアクティビティーなど年間を通じ、快適なリゾートライフをご堪能できる。

③ 神仙沼

 四季折々に姿を変える幻想的な風景と共に、ニセコ周辺にある多くの湖沼のなかで最も美しいと言われる「神仙沼」。
 エゾカンゾウやワタスゲが咲き誇り、澄んだ水が輝く様は、風景画のような静謐な雰囲気。まるで神・仙人の住む場所のように感じられることが名前の由来だ。
 駐車場から沼までは木道が整備されており、徒歩二十分程で気軽に散策しながら高山植物を観賞できる。 
 展望台からは日本海や積丹の山々が一望でき、雄大な自然が織りなす絶景を満喫することができる人気のスポットだ、

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