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四季のフォトスポット

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主として関西地区のフォトスポットを季節別にまとめました。 今後、撮影時期の2か月前に記事を追加する予定です。
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日本の四季_盛夏の候           ぐるり北海道の旅

1.利尻島と礼文島 ① 稚内から礼文島へ  礼文島は、北海道の北部、稚内の西方60㎞の日本海上に礼文水道を挟んで利尻島の北西に位置し、人が居住する離島としては、最北端となる。   レブンという名前はアイヌ語で「沖の島」を意味する「レブンシリ」に由来する。  冷涼な気候により海抜ゼロメートル地帯から二百種類以上の高山植物が咲き乱れているため別名花の浮島と呼ばれている。   稚内港からフェリーで礼文島へ向かう。  この日は海がひどく荒れていて、デッキに立っても両手でカメラを構

日本の四季_盛夏の候  一泊二日編その4 長野・信濃路の旅

1.八千穂高原■白樺林が美しい八千穂高原  八千穂高原は北八ヶ岳の東麓に広がる自然豊かな高原。  この広大な八千穂高原には、約200㏊の敷地に50万本の白樺林が堂々と植生し、その群生は日本一にふさわしい優美さ。  ヤマツツジ、ミツバツツジ、レンゲツツジ、ドウダンツツジの群生地としても有名だが、私が訪れた七月はシモツケソウと白樺とのコントラストが美しかった。 2.蓼科・車山高原■ニッコウキスゲ咲く車山高原 蓼科といえばビーナスライン!  長野県にある1,925m

日本の四季_盛夏の候    一泊二日編その3 長野・志賀高原の旅

  1. 志賀高原の夏を撮る ■魅力溢れる夏の志賀高原  「志賀高原」は長野県下高井郡山ノ内町にある標高約1000mに位置する高原地帯だ。  冬は18ものスキー場が営業する日本最大級のスノースポーツエリアとして知られている、この高原の特徴は、周りを囲む2,000m級の山々とそれらの火山活動によってできた湖沼や湿原。高原植物が育つにはぴったりの環境だ。  夏の平均気温は約23度と避暑地としても好まれている。  夏を迎えると、数多の池や沼、湿地帯が姿を見せ、高山植物に彩

日本の四季_盛夏の候    一泊二日編その2 鳥取・砂丘と大山山麓の旅

1.鳥取砂丘の夕日 ■砂の世界が広がる鳥取砂丘  鳥取砂丘は、鳥取市の日本海海岸に広がる代表的な海岸砂丘だ。  山陰海岸国立公園の特別保護地区に指定されており、南北2.4 km、東西16 kmに広がる。  1955年に国の天然記念物に、2007年に日本の地質百選に選定された。大山と並んで鳥取県のシンボルの一つとされている。  8月7日午後7時、真っ赤な夕日が西の彼方に沈み始めた。  茜色に染まる空と夕日を眺めながら、ゆっくりと時間が過ぎていくのを感じられる贅沢な時間を過ごす

日本の四季_盛夏の候  一泊二日編その1.和歌山・南紀を巡る旅

1.熊野古道を行く(1)熊野本宮大社  全国の「熊野神社」の総本宮にあたる熊野三山。  三山の中でもとりわけ古式ゆかしい雰囲気を漂わせるのが、聖地熊野本宮大社だ。  熊野参詣道のなかでも、多くの人々がたどった「中辺路」を歩くと、難行苦行の道のりを終え最初にたどり着くのが熊野本宮大社で、最初にこの大社を望む「伏拝王子」の名は、やっとたどり着いた熊野大社を伏し拝んだ、との由来からと伝えられている。 (2) 大斎原の大鳥居  熊野本宮大社本殿は大斎原にあったが、明治二十

日本の四季_盛夏  日帰り編

滋賀_1 草津水生園水の森蘇った蓮の群生草津水生園  水生植物公園みずの森が隣接する、琵琶湖南東部の烏丸半島は約十三㏊の「ハスの群生地」として、国内でも最大級の規模として知られていた。  しかし、二〇一六年にハスが突然消滅してしまったことから、翌年、関係者や専門家等と市民が協働で『ハスいっぱいプロジェクト』を立ち上げ、ハスの見どころ創出に取り組んだ結果、二〇二二年は園内で約百種のハスの花が楽しめるようになった。  有名な大賀ハスをはじめ、多くの品種は七月上旬~下旬にかけて

四季のフォトスポット 初夏・向暑の候 

1.京都1_1 当尾の里を歩く ◆岩船寺  古来、都から少し離れたこの「当尾の里」で沢山の僧侶が修行に打ち込んでいた。その名残りか僧侶が過ごした庵はお寺となり、道中には多くの石仏が見られる仏教色の強い土地となったという。  とくに岩船寺から浄瑠璃寺へ至る道は、その昔、僧侶が修行を積んだ道として多くの石仏や石塔が残されている。  京都府木津市にある岩船寺は隠れたあじさいの名所。いかにも山寺といった趣がある三重塔と紫陽花のコラボは風情を感じさせる。 ◆石仏の道  岩船寺から

四季のフォトスポット        初夏・新緑の候Ⅱ

1.木曽路を巡るカメラ旅◆島崎藤村ゆかりの馬籠宿  ―木曽路はすべて山の中である―。 言わずと知れた、島崎藤村の名作「夜明け前」の、あまりにも有名な書き出しだ。  主人公・青山半蔵のモデルは、中山道馬籠宿で代々本陣・庄屋・問屋を務めた島崎家十七代当主・正樹である。  私の「木曽路のカメラ旅」は、藤村の足跡を辿ったわけではないが、藤村ゆかりの「馬籠宿」から始まった。    馬籠宿は、石畳が敷かれた坂に沿う宿場町。  日常から離れ、水のせせらぎ、小鳥のさえずり、街道を横切る

四季のフォトスポット        初夏・新緑の候(5月)

1.京都1_1 綾部市老富のシャガ  水源の里・老富では、四月下旬になると、見渡す限りの神秘的な白いシャガが眼前に広がる。  シャガは冬でも枯れない常緑性の多年草。  人家近くの森林周辺の木陰など、やや湿ったところに群生し、花は短命で一日でしぼんでしまうが、次々と新しい花を咲かせるので、五月中旬まで楽しませてくれる。  ここはミツマタ群生地(三月下旬~四月中旬)でもあり、三月下旬から五月中旬のミツマタ・シャガの開花シーズンには休憩所「花やどり」が開設され、暖かいぜんざい

四季のフォトスポット      陽春    10.長野 11.新潟

10.長野10_1 千曲川河川公園  情緒あふれる町並みが魅力の小布施町は、江戸時代に北斎や一茶など多くの文人墨客に愛された町だ。  千曲川のほとりは町内屈指の花の名所として知られ、北信濃の山々を背景に、菜の花のじゅうたんが広がる。  同時期に開花する花桃、八重桜との競演はカメラマン垂涎の絶景だ。 10_2 大町公園  市街地を見下ろせる東山の中腹に位置する大町公園。   園内には約四十本のソメイヨシノとオオヤマザクラが植えられ、例年四月下旬になると、淡いピンク色の花

四季のフォトスポット         6.三重 7.岡山 8.愛知 9.岐阜

6.三重6_1 三多気 国道368号線から真福院の山門に至る約1.5㎞の参道は、馬子唄にも歌われた山桜の名所。  三多気の桜は、昭和17年7月、桜の樹種ならびに古木の多いことで日本唯一と認められて、文部大臣指定名勝地となった。 「日本さくら名所百選」にも選定されている古桜の並木道が続く景色や、桜が棚田に映りこむ光景を撮るためカメラマンが多く訪れる。 7.岡山7_1 倉敷美観地区  江戸時代に幕府の天領(直轄地)として栄えた倉敷。  その中でも、国の重要伝統的建造物

四季のフォトスポット 陽春      2.大阪 3.奈良 4.兵庫 5.和歌山

2.大阪2_1 万博記念公園・花の丘 春爛漫を楽しめるポピーフェア  万博記念公園では毎年人気のフラワーイベントが開かれる。 四月に開催されるのは、自然文化園西側の花の丘一面に広がる、約三八万本の花畑を一望できる「ポピーフェア」だ。  豊富な花色が特長のアイスランドポピーやシャーレーポピーなど、春爛漫を楽しめる空間だ。 2_2 万博記念公園・日本庭園  四月の日本庭園は、藤、サツキ、山吹・・。  多種多様の花が咲き乱れ、春を満喫できるスポットだ。 2_3 毛馬・桜ノ

四季のフォトスポット 陽春       1.京都  

1.京都1_1 花の寺・勝持寺◆桜をこよなく愛した西行  西行が勝持寺で出家し,自ら桜を手植えしたと伝えられるこの寺の境内には西行桜を始め数種類約百本の桜が植えられている。  その大半を占める染井吉野は例年四月上旬に満開となる。 1_2 大原野神社神苑◆四季折々に表情を変える鯉沢の池  神苑の風光は、平安時代より紀貫之など多くの貴族たちの和歌に詠まれ、源氏物語などの文学作品にも記されている。  鯉沢の池には昔から流れ込む川などはなく、池底からの湧き水や雨水だけで美しい

四季のフォトスポット・早春       1.滋賀県

1.1近江八幡・八幡堀近江八幡市随一のカメラスポット  八幡堀は天正十三年(千五百八十五年)に豊臣秀次が八幡山に城を築き開町したことに始まる。  秀次は、八幡堀と琵琶湖とを繋ぎ、湖上を往来する船を城下内に寄港させることで、人、物、情報を集め、さらに楽市楽座制を実施することで城下を大いに活気づけたといわれている。 心安らぐ八幡堀遊歩道  春には桜、夏には柳、秋には紅葉、冬には雪景色と四季を問わずカメラマンが訪れる近江八幡市随一のカメラスポットだ。  花のない一月は、カワ