四季のフォトスポット 初夏・新緑の候(5月)
1.京都
1_1 綾部市老富のシャガ
水源の里・老富では、四月下旬になると、見渡す限りの神秘的な白いシャガが眼前に広がる。
シャガは冬でも枯れない常緑性の多年草。
人家近くの森林周辺の木陰など、やや湿ったところに群生し、花は短命で一日でしぼんでしまうが、次々と新しい花を咲かせるので、五月中旬まで楽しませてくれる。
ここはミツマタ群生地(三月下旬~四月中旬)でもあり、三月下旬から五月中旬のミツマタ・シャガの開花シーズンには休憩所「花やどり」が開設され、暖かいぜんざい、お茶やコーヒー、地元特産品などを販売している。
1_2 周山街道の北山杉新緑の美林が続く
周山街道周山街道は、京都から丹波への道の一つ。
一条通の延長で仁和寺前から御室川の谷をさかのぼり高雄・槙尾・栂尾から清滝川の谷を北上、中川・小野・笠峠・栗尾峠を京北町周山に至る街道が「北山杉」の道だ。
京都市北区中川を中心とした北山の急な斜面に、銘木といわれる「北山杉」の森がある。
直立する見事な北山杉と周山街道の風景は隠れた撮影スポットだ。
1_3 洛西竹林公園
京都市が理想の街として開発した洛西ニュータウンは、古来から京都の竹の産地として名高い大原野にあり、竹にかこまれたニュータウンとしても知られている。
現在でも、ニュータウンの各所に在来の竹林景観を残しているが、この洛西ニュータウンの建設により大面積の竹林が伐採されたことから、残る竹林について積極的に保存しようという声が高まり、ニュータウンの記念事業の一つとして、昭和56年6月に竹林公園が開園された。
園内には、全国各地から110種におよぶ竹・笹が集められ、竹林美の自然観賞と竹の生態が観察できる。
自然の竹林も残されており、五月初旬には「タケノコ堀り」の模様も撮影できた。
2.兵庫
2_1 一の宮神社のキリシマツツジ
キリシマツツジは、九州南部の霧島山中に自生するヤマツツジの一種で、品種改良された園芸品種。
江戸時代に九州から全国各地に広まったと言われている。
丹波市氷上町にある一の宮神社の境内を埋め尽くすキリシマツツジは、樹齢300年とも言われ、紅色の花が見頃を迎える四月下旬から五月上旬頃には、境内が真っ赤に染まる。
2_2 たじま高原植物園
この植物園の特徴は「平地植物の上限、高山植物の下限、南方植物の北限、北方植物の南限」、標高666メートルで湿度が高く約2千種類の植物が生き生きと育つ最適な環境の自然を大事にした植物園として知られている。 この公園の最も人気のスポットは、樹齢千年以上と言われる大カツラ。
その根元周辺を流れる湧水の渓流は「千年水」と呼ばれ、力強い生命の躍動を感じさせてくれる。
園内には樹木や草花の自生植物約2千種類の植物を見ることができ、二つの池や湿地があることから、トンボなどの昆虫や野鳥が大変多く、心を和ませてくれる空間だ。
自然の中に身をおき、心を癒しながら、ゆっくり撮影するのにお薦めのスポットだ。
2_3 別宮の棚田
鉢伏山の中腹に広がる棚田。標高700mに位置し、兵庫の屋根・氷ノ山を正面に望む景勝地に今も残る日本の原風景。約130枚もの田んぼが美しい四季を彩っている。
2_4 白井大町藤公園
白井大町藤公園は、面積7千㎡、藤棚総延長500m 藤棚の幅は4mで、山陰随一の規模を誇る。
最長1m45cnにもなる藤の花房、白・紫・ピンクなどの花が、谷風に揺らぐ藤波は見事だ。
地区民で作り上げた直径5mの水車と水車小屋は田舎の風景を満悦させてくれる。
鯉のぼりが空に泳ぎ 噴水と重ねて撮れば「鯉の滝のぼり」のように見える。
澄んだ空気の中で、田舎の風景、田舎の温かみが味わえるスポットだ。
2_5 白毫寺
寺伝によれば、慶雲二年(705)法道仙人により開基された。
本尊は天竺から伝えられたと言う薬師瑠璃光如来の眉間の白毫(仏の眉間にある白い毛)から神々しく瑞光を放っていたので「白毫寺」と名付けられた。
この寺のメインの藤は、園芸品種名で「九尺ふじ」と呼ばれる花穂の長い藤で、正式名称は「野田長ふじ」。
下まで咲くと、これまで最も長いもので180cmを記録した。
3.滋賀
3_1 水生植物公園 みずの森
数多くの水生植物の宝庫である琵琶湖のほとり、草津市・烏丸半島に位置する草津市立水生植物公園みずの森は、「植物と人、水と人のふれあい」をテーマにした四季を通じて楽しめる花いっぱいの公園だ。
さまざまな水生植物と出会えるユニークなテーマ施設「ロータス館」を備え、山々にいだかれた豊かな水と緑たち。
自然いっぱいの植物園にこころ豊かな時が訪れる。
3_2 琵琶湖バレイ
五月初旬、クリンソウとヤマツツジを求めて。琵琶湖バレイへ出かけた。
その日は、見事な五月晴れ。
紺碧の空に白い飛行機雲、鮮やかな新緑、ピンクのシャクナゲ。
季節感溢れるハーモニーを奏でていた。
クリンソウの名は、花が寺社仏閣の屋根に付いている「九輪」に似ている事に由来すると云う。
この日は、まだ一段しか咲いていなかったが、緑の葉に落ちる花の影が奇麗な模様を描いていた。
4.奈良
4_1 葛城山自然つつじ園
金剛山の北側に位置する葛城山は、四季それぞれの美しい自然と変化に富んだスポットだ。
五月になると、山頂から南側の斜面にかけてヤマツツジを中心に、コバノミツバツツジ・ミヤコツツジ・モチツツジが美を競う。
葛城ロープウェイで山上駅へ上がり、15分ほど歩くと眼下に「一目百万本」とも例えられる、つつじの群生が真っ赤な絨毯を広げたように彩る。
*満開時は、駐車場待ち数十分、ロープウェイ待ち数時間という状況になるので、団体での撮影会はかなり厳しい。
4_2 室生寺のシャクナゲ
室生寺は弘仁時代に造られたあまりにも素晴らしい仏像たちが並び立ち、さらに山岳寺院ということで、小さな集落とともに、室生川のせせらぎの音と深い緑に包まれる。
例年ゴールデンウィークの頃に、自然石が敷き詰められた石段の鎧板から五重塔にかけて、道の両側には昭和初期に信者の手によって御杖村から移植されたものと伝わる、約三千株に及ぶ淡いピンクのシャクナゲが咲く。
4_3 長谷寺の牡丹
歴史ある長谷寺は古くから「花の御寺」と称されている。その所以は「ぼたん」。
長谷寺のある初瀬山はぼたんの名所で、四月下旬から五月上旬に満開・見頃を迎える。
長谷寺のぼたんは、唐の皇妃、馬頭夫人が観音さまの霊験を得たお礼に牡丹を献木したのがその始まりと伝えられ千年余り前に遡る。
以来多くの御献木により数が増え、現在では約百五十種・七千株にも及ぶ牡丹が、境内を包み込むように咲き誇る姿は圧巻だ。
5.三重
5_1 赤目四八滝
赤目四十八滝は、滝川の清らかな流れと深い森がつくる深山幽谷。
滝をつなぐ約3㎞の回遊路は遊歩道となっていて、桜、新緑、紅葉と四季折々の鮮やかな風景の中、滝を望むことができる。
「平成の名水百選」「日本の滝百選」にも選ばれた。
赤目四十八滝のすべてを楽しんでも往復三時間程度。
その間、名の有る滝だけでも、滝壷を含めて二十三瀑の滝を見ることができる。
6.岡山
6_1 大垪和西の棚田
岡山県の中央部に位置する美咲町西部の大垪和地区。
標高400mの山間地に、すり鉢状に約750枚の棚田が広がっている。
瀬戸内地域でも最大規模の棚田で、『日本の棚田百選』に認定され、農林水産省のパンフレットの表紙を飾った。
6_2 播州平福しゃくなげの里
佐用町平福は宮本武蔵ゆかりの地・武蔵の決闘の地として知られ、出雲街道、因幡街道の宿場町として古くから栄えてきた。
この佐用町平福から少し北へ行ったところに、播州平福しゃくなげの里があり、標高140mの山の東側斜面一面に150種15,000本を超える石楠花が植えられている。
見頃を迎える4月下旬から5月上旬には東斜面全体が石楠花の花で覆われる。
7.福井
7_1 龍双ヶ滝
福井県今立郡池田町の稗田川に落ちる「龍双ヶ滝」は、落差は約60mあり平成二年に「日本の滝百選」に指定された。
県道34号線沿いの階段を降りてすぐそばから見上げる滝の姿は壮観の一言に尽きる。
この滝にはその昔ここに龍双という僧が住み、神仏像を彫刻して一念行願をしたという伝説と深い滝壺に住む龍が昇天のために時おり滝上りをしたという伝説が「龍双ヶ滝」という名称の由縁だ。
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