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愚直な寅馬 ②

今でも人と全力で向き合う事を
選ぶ私は その背中から全力を
味わい体感した記憶から。


山猿は人になる
私が助けられたのは日曜日
病院はどこも休診。

親戚宅の和室 布団に寝かせられ
氷のうの冷たさ、体の高熱を
よく覚えている。

20時過ぎ近所の個人の内科医が
ゴルフから帰宅したらしいと
叔父は私をおんぶして滝汗を
流しながら診察を頼み込んでいた

日本国籍が見つからない
保険証も母子手帳もない

とにかく見てくれと
他人の子供を必死に助けようと

私は おたふく風邪 だったらしい

数日後、父がそこに来た。
娘を返せと。

体のあざ 痩せていた身体
病気のまま放置を見て
返せない 家で育てると
言ってくれたそうだ。

血の繋がりのない祖父
母の曾祖母
近所の祖母
との戦前の香りが濃い
暮らしが始まる。

ただ紛れもないことは
4歳の私が自分で電話をかけ選んだ
新しい人生のスタート

ただ安全と安心が欲しかったはず
の暮らしの中で新たな体験が始まる

良い悪いではなく
ここからも起きる事実は変わらない
私がどう捉えるかだ。

母と父には心から感謝している
手放してくれてありがとう

お腹を貸してくれたおかげで
私はこの世に出てこれたとね

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