卒園に寄せて
早く一人で食べて欲しいと
早く一人で歩いて欲しいと
早く一人で着替えて欲しいと
あんなに強く願っていたのに
いま流れてるのは
なんの、涙
一緒に食べて
一緒に笑って
怒って喧嘩して
一緒に眠る
いつもと同じ一日なのに
今日は、あなたのようちえんせい最後の日
ママは、寂しくて泣いています
あなたがどんなに甘えん坊でも
すっかり小さくなった制服からはみ出るように伸びた手足が
「ぼくにはここはもう狭いよ」と言い
力強い歌声が
真っすぐ前を見据える瞳が
「ぼくはママからまたすこし離れます」と言っているので
ママは、寂しくて泣いています
でも悲しくはないの
「ママ、泣かないでよ」とおどけるその顔が
寂しくて、誇らしくて、嬉しい
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?