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道半ばで、見ていたもの

ラストイヤーの6月下旬。
春シーズンも終わり、1週間程度のOFFが始まったある夜、布団に入ったまま寝つけなかったことがあった。
自分にとって最後の春シーズンを終えて、いろいろ思うことがあった。
あまりにも寝付けず、枕元にあったiPhoneに想いを書き出した。

せっかくなので、ここに残しておきたい。

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自分が大学4年間をこの組織で過ごす中で、監督や自分の所属する部署の直属の大人スタッフなどが毎年変わり、環境が変わらない年はありませんでした。

その中で感じたことは、
誰も個人個人の目標設定やその過程設定を手伝ってくれないということです。

これは、選手もスタッフも同じだと思います。
ファーストジャージを着てピッチで優勝の瞬間を迎えたい、日本一を取ったマネージャーになりたい、分析になりたい、トレーナーになりたい…それぞれのゆめや目標があると思います。
では、まずそのゆめや目標が形になる瞬間、自分はどこで何をしているのか。
その実現のために、3年後、2年後、1年後、半年後、どうなっていなくてはいけないのか。
じゃあ、今何をしなくてはいけないのか。
そこまでの過程をきちんと考えているでしょうか。

チームが勝つために、優勝するために、サポートしてくれる人たちはたくさんいます。
でも、選手スタッフ1人ひとりがどうなりたいか、どうしたいか…そこまで向き合い、道を見せてくれる人や手伝ってくれる人はほとんどいません。
それは、チームとして限られたリソースの中でそこまでの時間を割くことができないからです。

それならば、自分でやるしかない。
たとえ優勝してもその途中で負けても、チームとしての結果とは別に、〈個人としての結果〉も存在するとわたしは考えています。
〈個人としての結果〉を掴むためには、自分がどうなりたいかを想像し、そのための道筋を考え、行動を選ぶ。日々振り返り、また目標設定をする。その繰り返し、つまりはPDCAをまわしていく。それは、忙しい日々の中で自分と向き合うことだと思います。

そして、それをチーム全員が毎日やり続けること。
そうしていく中で、辛いときにもう1歩前に出すこと、疲れているときにあとちょっと頑張ることに繋がる。
それを確かに繰り返し繰り返し積み上げていけば、自分のことはもちろん、周囲をフォローできる人になっているのではないでしょうか。

そこからさらに、自身のプレーや行動としての目標設定はもちろんのこと、それらを通してチームメイトやその姿を見た人にどのように感じてほしいのか、どのような影響を与える人になりたいか…そこまで考えてみてください。
それはきっと考え続けることです。
考え続けるうちに、やがて
この組織と自分たちがするスポーツを通して、社会に夢と希望と感動を与える
このvisionに立ち返ると、わたしは思います。

このクラブは、大人や周囲の環境が築き上げ、誘導してくれるものが多く、学生からの発信というものがまだまだ少ないように思います。
だから、そこが変わればもっと良くなる、もっと強くなる。
そう疑いません。期待しています。

自分はここまでの4年間に悔いはありません。
残っているのは、優勝した代の学生スタッフであるという事実のみです。

3年後2年後1年後、みなさんが同じ結果を手にしていることを切に願っています。
応援しています。

いままで、ありがとうございました。

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この文章、実は、春シーズンを終えた自分が
自分たちの引退式でスピーチをする際に、自分の4年間の経験を踏まえて後輩にこう伝えよう!
と思っていたものだ。

長くて抽象的で起承転結もないのでスピーチらしくなく、でもそれが自分のアイデンティティだと思いもする。
そして結局、優勝した代の学生スタッフにはなれず…この内容をまるまる実際の引退式で話すこともないだろう。

すっかり忘れていた想いを、ひさびさにそして引退した立場で読むと、また違った想いがあったり、日々の中で忘れていた、当時の感情や迷い・悩みがうっすら浮かんでくる。
当時言いたかったことはおそらく3つ。
・だれも助けてはくれない、自分で到達点を見つけて動け!
・自分だけではなく、周りも見ろ!それでこそチームだ!
・大人がつくりあげた舟に乗り、目的地に連れて行ってもらうのではなく、自分たちでも色を塗り寄り道し漕ぎ方を変え…自由にやってみろ!もっと動け!考えろ!
なんだか、チームの学生メンバー=選手・スタッフが自分たちで考えないこと/動かないこと/周りが見えないことの裏返しでもあるようだ。
同時に、PDCAをまわすことの重要性とその汎用性の高さ-ビジネスでもマネジメントでもスポーツでも同じ-も感じていたに違いない。

このあと、夏合宿、秋シーズンとさらに深まっていくにつれ、チームも自分もまた変化していくが
今日のところはとりあえず、過去の自分が最後に言おうとしたことをもう一度こうして机の上に出してみることで、跳ね返ってくるいまを味わうことにする。

#大学スポーツ #学生スタッフ


楓 ( *ˊᵕˋ)✩︎‧₊


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