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働く人のためのメンタルヘルス術:頑張り過ぎないための心得

安心してください、あなたは十分に頑張っています。多くの人が日々の仕事に追われ、心も体も疲れている中で、メンタルの健康を保つことは簡単ではありません。しかし、いくつかのポイントを押さえるだけで、少しでも心が軽くなる手助けができるかもしれません。

今回は、「働く人のためのメンタルヘルス術」という本の内容として、メンタル不調のチェックポイントや相談相手の選び方、そしてメンタル不調が現れたときに最初にやるべきことについてご紹介します。あなた自身の健康を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。

1. メンタル不調のチェックポイント

メンタル不調とは、鬱や抑うつ状態といった精神的な問題で、精神的・肉体的なストレスが原因で脳がうまく働かなくなっている状態のことを指します。精神を安定させる役割のあるセロトニンなどの神経伝達物質が不足してしまい、心が不安定になる状態です。このような状態に陥る前には、実は体が先に警告を発していることが多いのです。

例えば、以下のような症状が現れることがあります:

  • 頭痛や耳鳴り

  • まぶたのピクピク

  • 食欲の低下や睡眠の質の悪化

こうした症状が2週間以上続いている場合、それはメンタル不調のサインかもしれません。具体的には以下の4つのチェックポイントを確認してみてください。

  1. なんだか気分が晴れない - 物事を進めようとしても意欲が湧かない、何をしても楽しく感じない。

  2. 好きなことに楽しんで取り組めていない - 以前は夢中になれた趣味や活動に対して興味が薄れてしまった。

  3. 三大欲求が弱くなっている - 睡眠、食欲、性欲に変化が現れていないか。例えば、眠れない、食べたくない、性欲が減ったなど。

  4. 億劫感が強くなっている - 掃除や買い物、人との会話など、日常の簡単なことすら面倒に感じる。

これらの症状が2週間以上続いている場合は、無理をせず、自分の体と心を大切にしましょう。

2. 誰に相談するべきか

メンタルが不調だと感じたとき、誰かに相談することが非常に大切です。しかし、誰に相談すればよいのか分からないこともありますよね。ここでは、相談相手として考えられる選択肢をご紹介します。

  • 友人や家族: 一番ハードルが低く、気軽に話せる相手です。弱音を吐いたり愚痴をこぼすだけでも、気持ちが楽になることがあります。話す元気がない場合でも、無理に話さなくて大丈夫です。たまたま話せる機会があったらラッキーくらいの気持ちで構いません。

  • 上司や職場の担当者: 業務量の調整や給食の手続きをする場合、上司に相談することが必要になることがあります。理解のある上司であれば、無理をしないで業務の調整をしてもらえることもあります。ただし、上司が原因でストレスを感じている場合は、その上司の上司や人事部に相談することも検討しましょう。

  • 産業医やクリニック: 産業医やクリニックに相談するのも有効です。産業医は職場の健康を守る専門家として相談に乗ってくれることが多く、クリニックではより専門的なサポートを受けることができます。一番避けたいのは、自分一人で抱え込んでしまうことです。どこかに相談できる場所を見つけることが大切です。

また、相談すること自体がストレスに感じられる場合もあります。そのときは、無理をせず、手紙やメールで自分の気持ちを伝える方法も効果的です。書くことで感情が整理され、直接話すよりも気持ちを楽に伝えられることがあります。相談の手段は一つではありませんので、自分に合った方法を選んでみてください。

3. メンタル不調を感じたときに最初にやるべきこと

心の不調を感じたとき、最初にやるべきことは「しっかりと休む」ことです。この「しっかりと」というのが非常に重要です。メンタルが不調になる原因の多くは、仕事の量が多すぎることや人間関係の問題など、大きなストレスが脳に負担をかけていることです。脳が疲れ切ってしまっている状態では、何をしてもやる気が出ません。これは脳の中の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)が不足しているからです。

ですから、やる気が出ないときは無理をせず、しっかりと「ダラダラ休む」ことが大切です。有休を取って、家で思い切り休むことをおすすめします。どのくらい休むべきかは人によりますが、目安としては1ヶ月から2ヶ月です。この期間を「ダラダラする期間」と捉え、一生懸命ダラダラすることで、脳が少しずつ回復していきます。

例えば、最初は何もする気が起きなくても、少しずつセロトニンが分泌されて体調が良くなり、やがてノルアドレナリンが分泌されてやる気が戻ってきます。最終的にはドーパミンが分泌されることで、再び活力を感じられるようになります。このように、心と体の回復には時間がかかりますが、まずは自分をいたわり、十分に休むことが何よりも重要です。

さらに、「休む」ということに対して罪悪感を感じる人も多いかもしれませんが、休むことも大切な「仕事の一部」と考えてみてください。体が疲れたら休むのが当たり前のように、心が疲れたときもしっかりと休むことが必要です。特に、現代社会では「頑張ること」が美徳とされがちですが、自分自身の健康を犠牲にしてまで頑張り続けることは本当に必要でしょうか?

私の経験では、休むことで初めて見えてくるものがたくさんありました。たとえば、仕事を休んでいる間に自然の中を散歩する時間を作ることで、自分がどれだけストレスを抱えていたかに気づき、少しずつ心に余裕が生まれてきました。また、何もしない時間をあえて作ることで、自分が本当に何をしたいのか、どんなときに幸せを感じるのかといったことに改めて向き合うことができました。

休むことは、心と体の再生のための大切なプロセスです。焦らず、自分のペースで「一生懸命ダラダラ」してみてください。そして、少しずつ自分が回復しているのを感じたら、簡単な目標を設定してみましょう。たとえば、散歩に出かける、好きな本を読む、短時間でも趣味に取り組むなど、自分が「楽しめること」を少しずつ増やしていくことで、心がさらに元気を取り戻していきます。

まとめ

今回は、働く人のためのメンタルヘルス術として、メンタル不調のチェックポイント、相談相手の選び方、そして心の不調を感じたときに最初にやるべきことについてご紹介しました。日々の忙しさの中で、ついつい自分を追い込んでしまうことがあるかもしれませんが、自分の心と体を守るためには「無理をしないこと」が何よりも大切です。

「頑張り過ぎないこと」は決して怠けることではありません。あなたの健康は何にも代えがたい大切なものです。時には立ち止まり、心と体の声に耳を傾けてください。そして、あなたが本来の力を取り戻せるように、今日紹介した方法を試してみてください。

もしこの記事が少しでも役に立ったと感じたら、ぜひいいねを押してください。あなたの健康と幸せを願っています。そして、どうか頑張り過ぎず、自分を大切にしてくださいね。

参考文献:「元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術【電子書籍】」 著:尾林誉史


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