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一級建築士試験_09【施工】「杭工事」が得意になるための雑学

一級建築士の学科試験において、施工が苦手という方を多く聞きます。

実際の現場を見ていない人にとっては、理解しづらいのは当然です。

今回は特に意見を多く頂いた、【施工】の重要出題範囲である【杭工事】について、理解が深まるようなコラムを書いてみようと思いました。

これを読めば、「杭工事」が得意になるための雑学です。

そんな内容になっていますので、是非最後までお読みいただければと思います。簡単にわかりやすく書きますので、「杭工事」を理解しやすくするため知識としてお読み下さい。

【杭】とは

「杭」とは、建築物を支えるための基礎(地中に造る構造物)です。

地中には様々な地盤があり、固い地盤や柔らかい地盤が存在します。大きな建物の自重を支えるためには、固い地盤に力を伝達する必要があります。

また、高い建物は転倒する可能性が高まります。杭を地盤深くまで挿入することで、転倒を防止する役割も果たします。

つまり「杭」というのは、建物の自重を硬い地盤(支持地盤)に伝えるためと高い建物の転倒を防止するという、2つの大きな役割があります。

【杭問題】

2015年に起きた建築業界の事件として「杭問題」というのがあったことを皆さん覚えていますのでしょうか。

簡単に言えば、「横浜のマンションの杭が支持地盤まで到達していなかったために、建物が傾いてしまった」という事件になります。

設定した杭の長さが硬い地盤まで足りておらず、柔らかい地盤で止まってしまっていたが故に、杭が沈んでしまったのです。

なぜこのような現象が起きてしまったのでしょうか。

施工工程が厳しく杭業者のデータ偽装があったわけですが、今回は「杭」の種類等について少し詳しく触れてみようと思います。

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