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書店テロに向けて【出版社を作ろう22】

そろそろ本を刷るのである。5月中には刷り終わりそうだ。

具体的な金額は伏せるが、それなりの買い物である。人生で三番目に高い買い物だ。一番は家で、二番目は結婚式。その次である(僕は車を買ったことがない)。

逆に言えば、それくらいの金額を差し出せば、本を印刷することはできる。2000部である。段ボール50ケースほどで、1ケース当たり10キロ少々らしい。思ったよりも少なかった。部屋も余っているし、僕は20キロくらいのケースを一日に20個とか30個とか運ぶような仕事をしていたこともある。ぜんぜんなんとかなりそうだ。

本当のところを言えば、もっとセンセーションを巻き起こしたい。僕は社会を根底から揺さぶってみたいのである。じわじわと影響は広がりつつあるが、まだまだこれからである。

僕がやるのは、もはや出版や流通ではなく、書店テロとでも名付けるべきであるような気がしてきた。わけのわからない本を、わけのわからない出版社が、いきなり並べようとするのだから(ある意味で過激思想だが、まったくもって穏健でまっとうな哲学なのだけれど)。

ところで、僕の本やその紹介をサラッと見た人による攻撃的なコメントもちょくちょく見かけるようになってきた(まっとうな批判もいただいている。まっとうな批判をいただく方々を批判しているわけではないので誤解なきよう!)。これはいい傾向である。むしろ攻撃してもらわなければ困るのである。そうでなければ社会にゆさぶりをかけることなどできないのだから。

ただし、条件反射的なクソリプに腹が立たないと言えば嘘になる。「ふん、バカめ、そのような反論は想定済みで、とっくの昔に反論を終えている。その程度の反論にたじろぐような男が、わざわざ本を出版するはずがないだろう・・・」と勝ち誇る気持ちをぶつけたい衝動に駆られる。だが、そんな気持ちをぶつけたところで何かが解決するとは思えない。「なんてこった。ホモ・ネーモの言うとおりだ。あなたの本を購入し、普及に協力させてほしい」などと批判者が改心することはあり得ないのである。

ゆえに僕は、なんとか心をなだめて、「そもそも労働とは何なのか?」などと問い返していく、ソクラテス戦法をとるのである。その成果は、まだまだこれからである。

とはいえ、議論自体は盛り上がる。労働とは誰もが関心を持たずにはいられないテーマなのである。マルクス・ガブリエルが掲げる「世界は存在するのか、しないのか?」というテーマは「ふーん、別にどっちでもいいけどね」とスルーされがちである。しかし「労働は撲滅可能か?」などと言えば、誰しもがひとこと言わずにはいられないのである。

脈略もない中間報告となってしまった。だが、ともかくそんな感じである。引き続き、書店テロの準備は続く。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!