意識低い系ヴィーガン

「ヴィーガン」という言葉からは、意識高い系の匂いがぷんぷんする。毎朝ランニングをして、スターバックスで豆乳ラテを飲み、週末にはホットヨガと英会話を嗜むような人がハリウッドセレブに憧れて、ヴィーガン暮らしを始める…僕が「ヴィーガンをやっている」と話すと、そういう印象を持たれてしまう。

残念ながら僕の意識は低い。かつては二郎系ラーメンを毎日のように嗜み、パジャマのまま買い物に行き、日がな一日モンスターハンターをしているようなタイプの人間だ。

僕は決して健康の観点からヴィーガンになったわけではないし、食品添加物のことを気にしているわけでもない。ヴィーガンになってからも添加物まみれの食事をしているし、ヴィーガン食の中でもジャンキーさを追求している。

ヴィーガンは意識高い系の専売特許ではない。僕のような意識低い系であっても、対して我慢することなくヴィーガンになれる。

いま、社会の誤った認識を正すために必要なのは、「意識低い系ヴィーガン」というライフスタイルの提示だ。

ヴィーガンになっても、美味いものをたらふく食うことができるのだ。ちなみに僕はヴィーガンを始めてから3キロくらい太った。僕が主に食っているものを見れば、なぜ僕が太ったのかが理解できると思う。

■ビール

無視できるレベルの例外（アイラグ、骨酒、アイシングラス入りのビール、ハブ酒、サッポロオイスターブラックなど）を除けば、酒はほぼ100%植物性だ。酒はヴィーガンの最大の味方なのだ。その中でも、やはりビールはいい。腹に溜まるからだ。肉を食わなくなって僕が初めに感じたことは「腹持ちが悪い」ということだ。ならば、腹一杯になるために、ビールをガブガブ飲もう。プリン体最高！

■ポテチ（うすしお）

ダラダラとアニメを観ながらポテチを食うのだ。買い物するときは注意深く成分表示表を見よう。コンソメパンチはチキンエキスなんかを含んでいたりするし、たまに乳成分を含んでいるスナック菓子もある（じゃがりことか）。しかし、大抵うすしお系は大丈夫だ。

■オレオ

オレオの成分表示表を見た時、僕は目を疑った。ビスケット部分にも、あの謎のクリーム部分にも牛乳が使われておらず、卵も使われていない。その代わりに怪しげな「植物油脂」や「乳化剤」なるものが含まれているが、おそらく大豆やパーム油由来だろう。オレオはヴィーガン向けのお菓子としてブランディングした方がいいんじゃないかと思う。

■クラッカー

クラッカーはたいてい、小麦と塩だけで作られている。その割に腹持ちがいいし、コスパもいい。

■春巻き

僕は、ヴィーガンにとって最も満足感のある食事は春巻きだと思っている（大豆の唐揚げは、正直虚しくなる）。適当な野菜とミンチタイプの大豆肉を巻いてサラダ油で揚げれば、めちゃくちゃジャンキーだ。白米が進む。結局、カリカリで、カロリーが高ければうまい。

■ピザ

自分で焼こう。思いのほか手間はかからないし、宅配ピザよりめちゃくちゃ安上がりなのだ。野菜と大豆肉と適当なトマトソースとヴィーガンチーズで味付けすれば、うまい。結局、焼きたてならだいたいうまい。

■コーラ

ピザと一緒に飲むコーラはうまい。体に悪そうだ。最高だ。

■フライドポテト

揚げ油に牛脂を使っているケースがあるが、意識低い系は細かいことを気にしないのさ。

■モス、ドトール、バーキンのグリーンバーガー

これもバンズには牛乳が使われているっぽいが、まぁそれくらいはセーフということで。

■ペペロンチーノ

油でギトギトで、ニンニクでコテコテなペペロンチーノをたっぷり食うのだ。体に悪いことをしている感がたまらない。

■うどん

炭水化物の塊。香川県人を痛風へと追い込む悪魔の食べ物。うどん屋に入れば、できるだけ鰹出汁を避けるために醤油うどん（まぁ結局は出汁醤油なんだけどね…）を注文しよう。天ぷら粉に卵が使用されている可能性が高く、天かすを食べるかどうかは意見が別れるところだが、僕は無料の天かすは山盛りに盛る。厳密なヴィーガン食ではないが、意識低い系ヴィーガンは細かいことは気にしないのだ。

■焼肉ライクのNEXTカルビ

割高だが、たまにはいい。ヴィーガンなのに焼肉屋にきているという背徳感もたまらない。タレは動物性っぽいものが含まれてそうだが、まぁそれくらいはセーフということで。あと、スープは牛骨スープなので、注意。キムチもなんらかの魚介成分が含まれてそうな気がする。僕は頼むけどね。

■みたらし団子

卵と牛乳を使っていない洋菓子を探すのは難しいが、和菓子ならだいたいいける。みたらし団子は和菓子の中でもなんと言っても安いし（夜にスーパーに行けば5本100円とかで売ってる）、ジャンキーな味わいだ。

■おにぎり（梅・昆布）

味付けのりの場合は、エビとかが使われている場合があるので要注意。結局おにぎりはうまい。コンビニで買って、10秒で食い終わるし、最高。

■CoCo壱のベジカレー

ちょっと高いけれど、たまにはカレーもいい。大豆ミートをトッピングすれば、さらにいい。食い終わった後は喉が渇いてやばい。多分、塩分が死ぬほど入っている（それとも、僕が福神漬けを山盛りにするからか？）。

■まとめ

このルーティーンを繰り返していれば、もう肉が食いたいなんて思わなくなってくる。だんだん、スーパーの生肉コーナーがグロテスクに見えてくるし、フライドポテトを食った時に「牛脂入ってるな…」と気づくようになる。あとチーズは臭い。

でも、土日祝には食うけどね（チーズは臭さがたまらないのだよ）。その辺りが意識低い系なのだ。だって、チアシードも亜麻仁油も摂取しないので、たまに肉を食わないと栄養バランスが最悪なんだもの（もしかして食っても悪い？）。

正直、完全なヴィーガンで栄養バランスを取るのは難易度が高いんだよね。それこそ、意識高くないと難しい。

食費は…あんまりかわらない。それこそナッツとか、ドライフルーツとか、そういう意識高い食品を買わなければ、十分に庶民的な価格でヴィーガン生活をやっていける。これからもう少し格安の製品もでてきてくれるといいけど、日本でも流行るだろうかヴィーガンは？

え？

そもそも何故ヴィーガンをやるのかって？ 「ノリ」だよ馬鹿野郎！

環境保護とか、動物愛護とか、まぁそういう気持ちもなくはないけど、なんとなくやってんだよこっちは。

今日は家帰ってヴィーガンアイスをバケツに作って、むしゃむしゃ食ってやろうと思ってるよ。

ゲーマーならわかると思うけど、縛りプレイって楽しいのだ。ヴィーガン生活は一種の縛りプレイで、制限がある中で、可能な限りジャンキーなものを食ってやろうと創意工夫することが面白いのだ。

自由とは、不自由を楽しむこと。

僕

楽しいよ、意識低い系ヴィーガン。一緒にやらないかい？