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伝え方とチームワーク〜勤続約20年女性測量士からのヒント〜




 国土、県土の一部を支える「測量」という分野で活躍するAさん。高専卒業後、すぐに入社。約20年という月日を同じ会社で過ごして来られました。結婚、出産、様々なライフステージを経て、彼女の今を支えているものは何なのか、お話を伺いました。


「Tさん!10センカミ!」

 声を張り上げ、時にはインカムマイクを使いながら、測量機を覗くAさん。最高にカッコいいです。


 現場は、時間との戦いでもあることを、長年の経験から肌で捉えているのです。

 仕事量、天気、現場に入る人数……逆算し、事前に準備しておきます。それでも刻々と変化する環境。作業員の急な休みや、別件の緊急の仕事なども舞い込みます。

 それでも、年とともに、「今、ここ」でできる、それぞれの経験値から判断し、役割を与え、的確に指示を出しながら、ようやく仕事をこなしていけるようになってきたと、Aさんは言います。

 また、そのポール(測量するときに持つ棒。高さや位置の点を落とすポイ基準となる)を持つ人に、どうしたら伝わるかも、考えているといいます。


 言い回しを変えて、縦断図のことを、「かまぼこみたいな絵のやつ」とも言い、慣れてきた頃の、手が空いた技師には、「川の魚、見ておいて」とも言います。ここで意味するのは、その技師は、すんなりと、ぼーっと、河川を眺めて遊んでいいという意味ではありません。「河川内の生態調査を報告書に記載する可能性がある」ということを伝えているのです。

 現場ではテキパキと役割分担をし、ときには、デスクワークも丸投げができる関係性を保ちます。そうして、まさに、教え方、伝え方、チームプレイの賜物の成果品が出来上がります。
 すでに彼女は、ある意味、監督のなかの監督だとも言えるでしょう。


 さて、そんな彼女のお子さんは、中学1年生でした。このコロナ禍で、期末テストが最初のテストだったそう。
 リビングには、お子さんの素晴らしい絵が飾られていました。思わず、アプリで販売したくなるくらいのデザイン。いや、むしろ、本の装丁にしていただきたいくらいの傑作でした。


 そしてここで、真打ち、彼女の癒しが登場しました。

猫!!!

 Bちゃんというお名前でした。


 家族で一番の、Bちゃん、家族全員に愛されていることを知っている、Bちゃん。
 新参者のわたしに、とても警戒しながら近づいてこられていましたが、1度だけ撫でさせていただき、とても癒されました。


 整った空間に、美味しいラズベリーの1杯のお茶。うつくしい皇帝のような猫。そして向こうの方に見えるたくさんの書籍……。彼女の積み重ねた日々を感じた時間でした。


 ご協力いただき、ありがとうございました。

2021.03.15
(ヒトREライター : 香月にいな )

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