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シーソーシークワーサー 【51 もうひとりの決断】

【51 もうひとりの決断 】

 自ら求めたわけではないのに、気づけば長くそこにいた。凡人はかつての母のようになりたいわけでも、とりたてて器用でも無かった。続けるということが得意なわけでも無かった。自分でも気づかないうちに、夜の世界に馴染んでしまっただけなのだろう。

 その世界に強い憧れを抱いていたのは、アキトのほうだったが、ある日突然辞めてしまったのだ。アキトはこう言っていた。

「やっぱり、お前には叶わない」

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