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まわる記憶、まわる電車、まるい指輪

ユーラシア大陸の小国に住んでいた時、たくさんの人からたくさんの友情、返せないほどの親切をもらった。

そこは小さくて、緑が豊かで何もないけど何でもある町だった。
映画館もスーパーも大きな公園も病院も駅も図書館もどこにでも歩いて行くことができた。路線バスが町中を縦横無尽に走り、朝早くから夜遅くまで利用することができた。誰にとっても便利で住みやすい町のように感じた。

その町には椅子づくりで訪れた。自転車で町を走っている時、知らない場所なのにやっと故郷に帰ってきたような感覚を覚えた。二年ほど経ち、そこを離れなければならなくなった。

それからあちこちの町や国を転々とした。
ある島に来て数ヶ月経った頃、このままここに住むのかもしれないと思い、久しぶりに道具を取り寄せて、指輪を作った。

山岳鉄道

完成した指輪を見て、あの町を思い出していたのかなと思った。


ここから先は日記に近い、オマケの記述です。

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