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サラリーマン!「仕事できない」側になって気づいたこと

サラリーマン、おおよそ30年。
私は、どちらかと言うと「仕事が出来る」と言われる側にいて、サラリーマン生活を送るのが、あまり苦痛ではありませんでした。「出来る人」だったことを自慢したいわけでもないし、「出来る」って思っているのは私だけの、妄想かもしれませんが、ひとまずここは、「私は仕事が出来た」ということで話を進めさせて下さい。
そんな私でも、仕事が大変だったり、人間関係が大変だったり、給料や上司に思うことがあったり、それなりの不満や問題はありました。でも、働くことは好きだったし、仕事を通して色々なことが学べるのは楽しいことでもありました。

ですが、にここ数年、「仕事が出来ない」側の人間になって、「出来ない」側から見る会社って全く違うことに驚きました。出来ない人になった話は、別の機会で書くとして、今の私が見えている会社について箇条書きにしてみると、こんな感じです。

  • 会社が信頼できない

  • 会社のやっていることに共感できない

  • 会社から要求された以上の仕事をする気がおきない

  • 会社から要求された仕事も、出来るような気がしない

  • 会社側の視点で仕事をする気にならない

  • 会社での自分の評価が気になる

「出来る」人だった頃は、なんで積極的に仕事をしない人がいるんだろう・・・ちゃんと仕事したら会社もスムーズに回るし、自分も働きやすくなるのに・・・と思っていました。自発的に動いた方が、だんぜん楽しいじゃん!って。
でも、今の私は、積極的に仕事をしない気持ちが、とても良くわかります。会社という箱が、チャレンジの場と思えなくて、ただ単に自分の時間を搾取する場としか思えなくなってしまったのが、大きいと思います。

私は、転職回数が10回以上あるので、愛社精神が強いわけではありません。それでも、その会社で何かをしたくて、その会社の期待に応えたくて入社したのだから、それなりに会社を信頼して働いていました。会社のために働けました。でも、ここ10年の間(40歳前半~50歳前半)に働いた数社を考えると、会社への信頼が年々うすれていったと思います。

会社不信になる直前に働いていた会社は、日本ではビジネスが儲からないと言って規模を縮小し、私の所属していた部門は閉鎖となり全員解雇となりました。全員解雇になる数年前に、社長だけ早期退職してしまいました。置いてきぼりをくらった気持ちが、まだ残っています。その後に働いた会社は、潰れかけた大企業を社長が購入し、大きなリストラを経た小規模会社で、社長の属人的会社でした。会社が簡単にに従業員を見捨てる、社長の気分でパワハラが起きる、というのを目の当たりにしたのが、会社不信の大きな原因だと、思っていました。

ところが、今、この文章を書きながら、頭の中を整理していたら、気づいてしまいました。会社不信になった10年は、「この会社で何かをしたい」という思いが全くないまま入社しているという事です。自分の経歴とスキルを買ってくれた会社に入った・・・という経緯です。正直、もうサラリーマンなんてやりたくない!でも、お金を稼ぐには今までの経験を生かしてサラリーマンをやるのが手っ取り早い・・・それだけの理由で転職をしていたのです。

面接では、適当に志望動機を語っていますし、労働力不足のため運よく採用されたりします。会社サイドからすれば、人を育てる余力がなく、経験者をとった方がラクということで、やる気がない50代でも採用されてしまうんです(私のことです)。以前であれば、若者が労働市場に多くいましたから、ポテンシャル採用の方が好まれていたんでしょうけど。そして、以前であれば、定年まで会社にしがみつくか、50代になってサラリーマン採用されない人達は独立起業するか、どちらかだったと思います。

結局、スキルアップをして転職を繰り返してきたと思っていたのですが、私という人材は、「会社にしがみつく」サラリーマンになっていた、ということです。
この文書を書くまでは、自分の外側に「私が仕事が出来なくなった」理由を探して列挙していたのですが・・・お恥ずかしい限り、自分の問題だというこという結論に至ってしまいました。

確かに、更年期障害で体調不良で、若い頃のように働くことは出来ません。意に反して仕事を頑張ると、心身共に不調が現れます。今までの経験と給料もこだわらず、「やりたいこと」にチャレンジできるかが、今後のサラリーマン生活を豊かにできるかのキーになりそうです。年齢的には、今までの仕事と給料を維持し、定年まで逃げ切りたい気持ちが大きいです。非常に迷います。

「仕事ができる」「仕事ができない」って、多少スキルの差はあるかと思いますが、「その仕事をやりたい気持ち」だけなのかもしれません。仕事ができない側の人になって、多くのことに寛容になりました。少しだけ自分にも甘くなりました。

そして、サラリーマンを続けていると、段々と受け身になってきます。やりたいことが、ぼやけてきます。やりたかったことが、何だったのか思い出せなくなってきます。サラリーマン、30年生。人生長くて、途方に暮れています。



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