自分の弱みを晒せる人は強い
突然ですが、赤ちゃんは好きですか?
別に人間の赤ちゃんに限らず、動物、、例えば仔犬や、仔猫でも良いです。
おそらく大半の人は、好きだと答えたり、愛おしい存在だと認めるのではないだろうか。
なぜだろう?
私なりの答えだと、
きっとそれは、目の前にいる、その弱々しく、無抵抗で、在るがままのその”生き物”を、守ってあげたくなる気持ちが湧いたり、あまりに無条件に晒されたその存在感を、受け止めてあげたくなるからではないだろうか、と思う。
そして、それは、赤ちゃんや、小さきか弱き存在に関わらず、大の大人にだって言える部分があると思う。
人は、目の前の人に”弱み”を晒された時や、自己開示をしてくれた時に、
その人に対して、親近感や好感を抱いたり、さらには今度は自分も心を開きやすくなったりするのだと思う。
今日は、そんな風に、”自分の弱さ/弱み”を晒してもらった時に、
どんな風に心や感情が動いたり、その人に対して好感や共感を抱いたかということを実際のエピソードを交えて、書いていこうと思う。
おまけに、
・今好きな子がいて、なんとか距離を縮めたいんだ!と思っている方
・お客さんに、自分を信頼してもらいサービスや商品を受注したいんだ!と思っている営業の方
・社員の心を掴んで、会社の業績を上げたいんだ!と思っている経営者の方
にとって、ヒントになることがあるかもしれません。
えっと、100分の3くらい。(弱気…)
Episode 1:偉大なコーチSさんのケース
Episode 1って、いきなりスターウォーズ風に切り出してしまったけど。
そんなにファンタスティックで壮大なストーリーを描くつもりはないです。
Sさんは、私にとって絶大なる信頼を寄せる、偉大な存在の方です。
今まで1on1のコーチングや、対複数のセミナーを受講してきて、
場の空気を一瞬にして掴んだり、ダイナミックに変容させることができるパワーや、どんな質問に対しても誠実に伝わる言葉で返せる知性や人間性は圧巻で、これまでどれくらいの経験を積んできたんだろう、
どれだけの知識を習得されてきたんだろう、
優秀だな、すごいな、と思わせてくれる憧れの方だった。
そんな彼女が、先日行われたコーチングを学ぶセミナーの合間に、
ご自身について晒す場面があった。
なんと、自分は有能どころかむしろその逆だった、と突然カミングアウトされた。
「え???」である。場のみんなは鳩豆状態でである。
だって、プロフィールを見ると、そこには輝かしいキャリアが書かれており、エリート街道を爆走してきた方だったんだなぁ、という印象をもっていたから。
でも、彼女によると実際に、小学校、中学校 …その先大学や社会人と、段階が変わるたびに、出だしはいつも、最下位グループからのスタート。
そしてそこから努力でもって上位集団にたどり着き、段階(例えば中学から高校に進学するなど)が変わると、また最下位グループからスタートし、
また努力でもって上位集団に食い込み…
を繰り返してきたのだそうだ。
そうなのか。
さぞ幼少期から神童の様な子で、知能(才能)+努力で、今そこにいる方だと思っていたけど、実際は相当に並々ならぬ努力を重ね、必死な思いで食らいつき、掴み取ってきた結果なのか、ということを知り、良い意味で見方が変わった。
語っていただいた直後には、偉大だけど少し遠い存在だった彼女に対して、ものすごい親近感を抱くようになった。
Episode 2:クリエイティブの会社の代表 Yさんのケース
Yさんは、現在の会社を16年経営されている。
クリエイティブの仕事、中でもブランディングに関する仕事が得意で、ここ数年は賞も受賞されたりと、いつも「素敵な仕事されているなぁ、」と感心していた。
そんな彼と先日話をしていた時、実は会社をスタートした時に、
「世の中にいいクリエイティブを届けよう」とか
「良いクリエイターをたくさん集めて、素晴らしい会社を作ろう」などという野望や戦略は一切なく、彼曰く”流れ”で会社をスタートすることになったのだと言う。
失礼を承知で言わせていただくと、見切り発車もいいとこだ。
また、彼はいざ会社を興した際にも、デザインはできるけど、自分は営業のセンスが全くない、ことに気づいたそうだ。
それでも仕事を取らなければいけない。
そこで彼がとった行動は、
営業のセンスがある人に、自分の3倍の給料を払って、仕事を取ってきてもらう、ことにしたそうだ。
そうして雇った2人の営業の方は、ものすごい勢いで仕事をジャンジャン取ってきたらしい。
その後、彼一人ではデザイン制作が追いつかず、
1人、2人…とデザイナーを採用することにしたようだ。
その時も、「自分の強み、これをやっていると燃える!という仕事だけやっていいよ。苦手なことは一切しないで」と伝えてきたらしい。
そうすると、デザイナーの方達も、好きなこと得意なことをガムシャラにやり、成果をバンバン上げ続けることになった、と言う。
「弱みを補強するんじゃなく、強みを強化してくれる方が、お互いに幸せだって思う。また、自分も、苦手なことやダメな部分が分かってるから、それを補ってくれる人にやってもらう方が嬉しい」
と彼は言った。
激しく共感だ。
実際にデザイナーの子達は、ほとんどが10年以上勤めてくれていて、今もとても信頼していること、
スーパー営業だったうちの一人が、その後奥さんになった、というオツなことも語ってくれた。
Episode 3:志の高い有能なキャリアウーマン Uさんのケース
Uさんと知り合ったのは、去年の冬くらいだっただろうか。
共通の知人を介して知り合い、その後、彼女のSNSなどで活動を目にしてきた。
「優秀で行動的な魅力的な人だな」
それが初めて会った時に、彼女に対して抱いた印象だった。
その後、SNSから流れてくる彼女の発信は、
政治に対してや世の中のマイノリティの方に対する向き合い方や取り組みについての意見など、なんと言うか自分の考えをしっかり持ち、それを世の中に発信できる「ジャーナリスト」の様な方だな、と思っていた。
そして、彼女がすごいなと思うのは、実際に積極的に活動もされていること。
「世の中を変える」ということを語るだけじゃなく、実際行動に移しているところが、とても素晴らしい。
そんな彼女と久しぶりにお茶をした際、
自身が受けてきた痛み、ポジティブなオーラの奥にあるデリケートな一面、
そう言った話を、時折垣間見せてくれた。
そして、その部分が私自身の中にもあるよ、って思ったし、素直にそれを彼女に伝えた。
なんと言うか、通じ合えた、と感じた。
彼女にとても親しみを抱いたし、最初に会った時よりも、もっと彼女のことを応援したいと思え、ますます魅力的な人だなと感じた。
以上は、私が実際に体験したり感じたエピソードです(なんだかんだとオビワンっぽい人、レイア姫っぽい人、いたでしょ?)。
また、3人には共通していることがある。
それは、弱みを自分なりの方法で克服してきた、という点だ。
- 自分が苦手なことを得意とする人を探したり、仲間にする。
- ひたすら努力で乗り越える。
- そういう自分(弱い自分、在るがままの自分)を受け入れる。また、同じ思いをしている人の力になる。
みなさん、なんとかしてきた。だからこちらも応援したくなるし、好きになるのだ。
弱みを自覚し、晒せる人は、場や目の前の相手を信じているとも言えるし、何しろ自分のことも信じているのだと思う。
だから、私は弱さ(を晒せること)は強さ、または最高のチャームポイントだと思う。
そして、自分もまずは弱さをちゃんと自覚しよう。
自覚したらそれを自己受容して、目の前の人、周囲の人に伝えられるようになりたいな、と思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?