門田閑古鳥

日常

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最近の記事

にゃー

僕は幼い時、猫を飼っていました。 大福と名付け、ずっと一緒にいました。 僕は友達が少なかったので、学校が終わると大福に今日あったことをお話しするのが日課でした。 大福はずっと僕のお膝に乗ってたまににゃーと返事をしてくれました。言語なんて関係のない、強い絆で繋がっていました。 弟のようで、兄のようでした。 ある時、物知りの高村くんから猫はどんな高さから落ちても無傷で着地するということを聞きました。スーパーマンみたいだと思いました。 大福がそんな秘めた能力を持っているのが凄く誇

    • 大安

      外は台風。六曜は仏滅。 夜中11時頃、僕は告白をした。 「あなたが安定するまで考えたい」 頭が一瞬で真っ白になった。 「まぁそりゃそうだ」と少し冷静になり、少しでもあの子の横に立とうとしたことが物凄く恥ずかしくなった。 顔面真っ赤っか。頭真っ白、顔真っ赤。マルマインじゃん。マルマインがイーブイに告白してもそりゃ無理よ。【ポケットモンスターマルマイン】が発売されるわけないんだから。 僕は湿気でお絵描きできるようになった窓に自分の名前をたくさん書いた。別になんでも良かったんだけど

      • はじめまして

        コールセンターでバイトをしています。 毎日お婆ちゃんとお話しをしてお金を貰っています。 お婆ちゃんとお話しをするのが仕事です。 祖母とは3年ぐらい会話していないけど、 誰かの祖母とは毎日8時間喋ります。 固定電話に電話をかけています。 固定電話保有率は年々減りつつあるそうです。 AIに取られるまでもなく消えゆく仕事です。 僕の人生年表を書くとしたら、20歳前後から筆圧が濃くなります。 圧力に負けた鉛筆の粉が周りに飛び散っています。 脳に余白が空くと、考えたくないことを