見出し画像

読んだ:「ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み、豚に相談した?」

洗濯機を買い替えた記事をnote公式に拾っていただき、やたら閲覧が増えたりその記事経由でフォローが増えたりしています。

増えたフォロワーの傾向を見て、早急に気持ち悪い記事を多めに更新しなければな……と思いました。なんか……ここは丁寧な生活とかそういうあれの話はしないので……

そんなわけで読書メモを残しそこねていた表題の感想文です。

2014年刊行、ちょうど10年前か。
この本、新刊のときに買ってその後手放して書い直してまた書い直したので3回くらい買ってます。今回は手放さないぞ。

ホームページ制作サービス「グーペ」というものがありました。今も一応ある。これは店舗のホームページが簡単につくれまっせというサービスで、今ならホームページ作らず店舗からの発信をインスタだけtwitterだけにしてるかんじの規模感(個人経営の店舗とかそういう)のビジネスむけのあれです。

このグーペに「とんかつ教室」というホームページ作成Q&Aがありました。グーペのマスコットキャラクターである、肉屋を営む豚のロースおじさんと甥っ子のミンチーくんによるやりとりで、フランクにホームページ作成初心者のよくある質問を回答していくというやつです。
教える系コンテンツは教師と生徒の対話形式ですすめると閲覧者が理解しやすいというのはみなさまご存知のとおりなんだぜ。ゆっくりしていってね。

が、グーペの使い方を真面目に解説していたのはほんの初期の数記事だけ。
その後はおじさんの筆が走りまくる。グーペまったく関係ない謎の怪文書を延々と投稿しつづけたとおもったらQ&Aの人生相談がえらい密度と濃度で展開されていく。

一本目からすでに「気配」はあったなこれ

ニコニコ大百科読むほうがどういう存在なのかわかりやすいかも。

ペパボのホームページ制作支援サービス「グーペ」サイト内にある広報ブログ、「とんかつ教室」に勤務する45歳の中年豚。職業は飲食店経営。

真性のペド豚であり、小学4年生をこの世の何よりも神聖視している。小学4年生であれば男女を問わず等しく対象である(小4から離れるにつれて正気に戻る)。一方許容範囲は非常に狭く「中1とか狩ったろか思いますわ」と公言するなど、その嗜好は徹底している。その欲望を満たす為なら女子トイレ入りも豚小屋入りも墓入りも辞さないという。

弱冠3歳の弟子・ミンチーにお店のホームページ関連を任せ、自らは飲食店やWeb業界・ネット広告業界と何ら関係ないゲームやアニメに関するうんちくを語ったり、訳のわからない相談に乗ったり、小学4年生に関する妄想をふくらませたりして日々を過ごしている。
一方で広報Blogという立場に完全に無関心であり、たまに出てくる自社サービスの新機能の宣伝をするのももっぱらミンチーの役目で、ロースおじさんは年長者をいいことにひたすら軽挙妄動の狂態を晒している。

このようなサービス紹介とほとんど関係がなく、むしろ公然と変態発言を繰り広げる公式が病気なブログを、企業名代として更新しているのはは前代未聞の珍事であり、教室内でも中の人が毎回怒られている旨が散見される。

ニコニコ大百科より抜粋

今読んでも鮮烈なお悩み相談室、未読の方はぜひ読んで欲しいです。わたしはここで平沢進やserial experiments lainを知った。十年前はまだ「サブカル」的な目線が生きてた時代で、ふいに予備動作なしに出してくるコンテンツの教養感ったらなかったですねとんかつ教室。ああいうオタクになりたかった。俺はこれ知ってるんだぜとかじゃなくて、話をわかりやすくするためにひっぱってくるコンテンツが平沢やlainになってしまうかんじ。

で、そんなとんかつ教室のQ&Aがたっぷり書き下ろされたのが本書です。やっぱり紙で読むとんかつ教室には味わいがある。

帯のついた書影がこれです。

でも帯を外すとこう。今回、帯なしのものが手元に来た。古書だから。


カバーはずすとさらにこう。

まいったねこれは。

今回読み返してて、やっぱ私この人の影響かなり強いなあと思ってます。
とんかつ教室はその後オモコロに移動してたりもしました。こっちも名記事しかない。

中の人の話をするのは無粋ですが、ロースおじさんの「中身」は、オモコロを運営するバーグハンバーグバーグの創業者、つまり前社長のシモダテツヤです。かなり「当時」のテキストサイトのあれがつまった最高峰の存在で、オモコロ的なセンス、感覚の圧倒的オリジンだな……と読むたびに思います。
シモダテツヤ名義の本もすごくいい。
やっぱりバーグハンバーグバーグっていうのはこの人の拡張した何かだったんだろうな、と考えてます。そして企業の色とは、やはり社長のうつしになるんです。

バーグハンバーグバーグの社長としての本ではオモコロの立ち上げ、起業、展望、企画の立て方などを語ってて、その考え方などは当時読んでやはりかなり刺激を受けてます。もうライターはやらないのかなー、最近はウェブテレビのコメンテーターが多いみたいだけど……

最後にとんかつ教室のおすすめ記事いくつか貼っておわりにします。
あんまり文章は気持ち悪くできなかったな。がんばろ。

男女の「お会計」の話。ラストがしびれる。

「分人」の概念はこの記事で知ってかなり楽になれた気がする

オタクやってて性癖チキンレースに参加してしまってるかもしれないと感じたときに思い出したい記事

この記事が参加している募集

サポートいただいたお金は本代になります! たのしい本いっぱいよむぞ