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読書メモ 能率手帳の流儀

絶版につき古書が高騰(といってもまあ二倍程度)しており、でも気になる、これすごく今必要な本な気がする……と思ったので楽天スーパーセールでポイント二十倍状態の際に購入。
買ってよかった。

能率手帳、というか日本能率マネジメントセンターの社長が2007年に書いた本です。
本書で初めて知ったのですが、能率手帳というのはこの日本能率(以下略)という人材開発と人材派遣をメインとする企業が人材開発のために開発したツールのひとつだったそうです。だから能率手帳。

著者は社長ではあるんですが37歳までは経営目線のまったくない素人(よくいる「俺はめっちゃ売る営業マンだからすごいんだ的な人だった)、37歳で立ち上げにかかわった事業が大コケして名古屋にとばされ、そこからはじめて手帳を使い始め、そして30年ほど能率手帳を使い続けてきた今、あらためて使い方をふりかえる……みたいなやつです。

まだネットでみつかるこの本、倍くらいの値段ですけど、合う人にはめっちゃくちゃ合うと思うんですよねえ……復刊すべき……

本書では「本当の手帳の使い方」みたいなことが示されています。
よくある手帳術や自己啓発では「大きな野心を抱いて、そこにむけたスモールステップをずらっと並べて5年後、10年後に成し遂げよう」みたいに書いてあるじゃないですか?

著者いわくそうじゃなくて、人生なんてどう計画したって自分の思い通りになんてならないんだから(自身も東京から名古屋にとばされその後呼び戻され社長になっている)、もっと小さいことを書き留めるのが大事、あいさつをちゃんとする、とかそういうレベルでいい、ていうか若者はとにかくでっかくて概念的な理想論を書くけど手帳に書くべきことはそうじゃないしむしろ見られたらはずかしいことを書いたほうがいいし、「いつかしたいこと」みたいなのをメモしておいていざそれができそうなタイミングがめぐってきたらちゃんとそれを思い出せるようにするほうが有効活用できるし(意外と忘れるんですよね)、書かなかったことは何度も忘れて何度も閃くからもったいないし、あと手帳の役割は「自分をほめること」にもあって、あー、これやったなー、できてたなー、っておもうことでもあって

みたいな、「小さいことを積み重ねる」「それが自信になる」「できないと思うことは書くな」とか、そういう、とにかく地に足のついた、「今日」を生きるための手帳の使い方なんですよ。
そう、大事なのは今、今を生きる……

他にも全般的に「あーーそんな気がしてたわーー」みたいなことがたくさんあって。上記のかんじのほかでは「先月の振り返りは月頭に一気にやるんじゃなくて上旬くらいかえてちょっとずつじっくりやったほうがいいよ」とか。

どうにも手帳術本って「でけーことをやりとげる」「めちゃくちゃ効率的にばしばしあれこれ回せるようになる」みたいなことを書かれがちで(そのへんの本が多いことへの警鐘も本文にある)、そのほうが確かに売れやすい本になるんでしょうけど、そうじゃなくて……っていう要素が本当に多い。本にマーカーはつけない主義だけどつけたい。どうしたらいいんでしょうね。ふせんだとちょっとちがうしね。剥がせる細いマステみたいなのないのかな…

あと巻末にほぼ付録みたいにして著者が語る能率手帳のなりたちとこだわりがあって、それもすごいよかったです。来年は能率手帳にする。(まだ二月になったばかり)

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