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なぜか虫が苦手な人ばかり集まった「サイエンス本」読書会

こんにちは、ブックラブ事務局です。約300名の会員様が在籍するブックラブ。入会動機も様々ですが、中でも多いのは「読書の幅を広げたい」というもの。本好きの方のよくある悩みとして、どうしても好きなカテゴリーやジャンルに偏りがち…という悩みがあるようです。


今回は、そんなご意見を反映し開催した『新・読書体験!アリ語で寝言を言いました読書会』の様子をレポートします。初のサイエンス・フィールドワーク系の課題本で開催された今回のイベント。なぜか虫が苦手な人ばかり集まり、笑いの絶えないイベントとなりました。

TOP_『アリ語で寝言を言いました』


当日は男性1名、女性6名の7名がイベントに参加。恒例のアンケートでは「生き物」にまつわる質問を4つ用意しました。
① 実は虫が苦手?平気?
② フィールドワーク系の本は今回がデビュー?
③ 飼ったことのある生き物は(魚類・両生類・爬虫類・鳥類・ほ乳類・虫)
④ デートで行くなら?(動物園・水族館・昆虫館・植物園)

『アリ語で寝言を言いました』2


虫が苦手でフィールドワーク系の本も初めての方が大集合という結果になり、開始前から少々先行き不安な今回のイベントですが「読書の幅」を広げるお手伝いはできたようなので、よしとしたいと思います。参加者のみなさんは、いったい、どんな点に着目し、どのような感想語ってくれるのでしょうか。ちなみに…「デートで行くなら」という質問は1人を除いて全員が“水族館”を選んだこともご報告させていただきます。

動物園イラストイベント_スライド_『アリ語で寝言を言いました』


今回は、7人という小規模開催だったこともあり、全員マイクをオンにした状態で自己紹介を行いました。ツッコミや相槌、笑い声などが聞こえる自己紹介はとても新鮮で、参加者からも大好評となりました。


自己紹介の内容は「お名前・お住まいのエリア・今年のうちにやっておきたいこと」を事前に用意した紙を使って発表していくブックラブ定番のスタイル。順番は初の運営によるくじ引きで行います。

みなさんが次々に発表してくれた年内にやっておきたいこと。「わかるわかる」という反応や、意外なマメ情報に思わず「へぇ~」と感心する声が聞こえるのも全員がマイクオンならでは。2020年も残すところ一ヶ月を切りましたが、達成に向けて近づいているでしょうか。


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Q「年内にやりたいことは?」
・普段しないところの掃除、断捨離をする
・実家の整理整頓(資産の整理含む)
・本当は嵐のライブと言いたいけれど無観客なので、マスクを外して思いっきり外を歩きたい!…年末までにそんな風に世の中が変わっていればいいなと希望を込めて
・運動不足解消!
・kindleで本を読む
・角川武蔵野ミュージアムに行く
・微生物を登場人物にした絵本を製作!
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今回は自己紹介後すぐに読書会パートに入ります。「課題本で印象に残ったところ」「印象に残った、好きなアリのエピソード」というトークテーマを設定し、自己紹介と同じ順番でそれぞれ感想を発表していきました。

『アリ語で寝言を言いました』3


本で印象に残ったところも、好きなアリも見事なまでに分かれた今回の課題本。新しい発見に着目した方や、自身の境遇とアリを重ねる方。著者の生きる姿勢からエネルギーもらう方など様々な感想が飛び交いました。読書会の会話を一部引用して紹介します。


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Q印象に残った箇所はどこですか

「アリのことも詳しくないので最後まで読めるか不安でしたが、新鮮なことばかりで面白かったです。特に、フィールドワーク中に突然の豪雨から逃げる際、ヘビと並走して、ヘビとお互い大変だな…とアイコンタクトで会話して分かれた話が印象的でした。」
「トラブルこそ楽しむと書いてあったところ。トラブルも数をこなすうちに楽しくなってくるという姿勢はいいなと思い、自分の人生でもトラブルこそ楽しみたいという風に思った。」
「ひとつの巣にアリが100万匹いるという描写が印象的。きっと誰かがコツコツ数えたんだろうなと思うと面白い。おそらく30cm四方にいるアリを数えて、およその数を算出しているのだろうと予想しています。」
「アリを数える手作業感にビックリ。アリを採取するときにストローで吸ってアリを集める記述にえー!っと。機械化とかできそうなのに、そんなアナログで大変なことを…と思いました。吸うときに誤飲したりしないですかね、アリを。」
「著者がアリのことを「彼女たち」といっているところが良かった。すごくアリへの愛が溢れていて、自分はアリをそんな風に表現できないなと思ってとても印象に残りました。」
「農業をしてキノコを育てるアリがいることにビックリして読んだら想像しているキノコと違ったところが印象的だった。あとは著者が何度もヒアリに刺されたりして困難に直面しているのに、とても明るい様子が大変印象に残り面白かった。刺されすぎて手が腫れ、指が紫色になるのに嫌いにならないのはすごいです(笑)」
「最後に書いてあった「ボクたちの足元にはこんなにも完成された生き物がいるよ。アリってすごいよ」という一文が本当に好き。本当にアリが好きで愛していることが伝わってくる。アリも(自分が好きな単細胞生物も)倫理観とかそういうものはなく、本能のままに生きている。こういう社会もあるんだなと視点が広がるところが良いです。」
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話している最中にも「フィールドワーク系あるあるですよね!」「機械でやると足とか取れてしまうんです」「どのアリを数えたかわからなくなりそう…」など、他の参加者が気ままに発言する和気あいあいとした雰囲気で読書会は進行。


続いて行った「印象に残った、好きなアリ」というテーマも、本を通してヒアリの印象が変わったという方や、一生扉の役割を果たす鍋蓋アリのエピソードを読んで生れてはじめてアリがかわいく思えたという方、働き者のアリのイメージを覆されたサムライアリ(働き手の別種のアリを誘拐するアリ)のちゃっかりっぷりに驚いてしまったという方などみなさんそれぞれに印象的な、好みのアリを見つけられたようです。


もちろん、7人の中にはどのアリも好きになれなかった!という方も。なんとかアリを好きになろうと思い、「このアリはちょっと面白いかも…」と思ったアリの詳細を検索。ただ、虫のビジュアルが苦手なため、どうしても好きになれなかった!と言って場を和ませていました。


トークテーマに沿って話し終わったあとは、参加者同士で身近な虫トークを展開。虫が苦手な人たちが集まったはずなのに、海外でアリに襲われた話や、家に出た巨大蜘蛛の話、食べた事のある昆虫の話などで悲鳴をあげながら盛り上がるというなんとも不思議な読書会となりました。

次に読みたいサイエンス・フィールドワーク系の本は『バッタを倒しにアフリカへ』で意見が一致したところでイベントは終了。終わってみればあっという間の60分となりました。
今回も参加者の皆様から届いた感想を一部抜粋にてお届けします。
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「特定の本の話をするのは想像通り楽しかったです!あらすじなどを紹介する必要がないので、一部話すだけで共感できましたし、伝わるので、本を紹介するイベントだけではなく課題本アリの読書会もいいなと思いました。」
「海外の話や微生物の話などが出て、読書のお話の合間にみなさんのプライベートな話も聞けたのが印象的でした。少人数ならでは、でしょうか。」
「今回は黒一点ということで最初は緊張しましたが、笑いの絶えない読書会で楽しく過ごすことができました。進行役をくじ引きで選ぶのは意外と緊張感があって面白かったです」
「フィールドワーク系の本を読むのは初めてだったので、うまく輪に入れるか心配でしたが、同じく初めての方も多くて安心しました。少人数で和気あいあいとできたのも楽しかったです。」
「楽しかったです。他のフィールドワーク本も読みます。読書の幅が広がりました。」
「虫嫌いの人が虫の本を語るというちょっと面白い読書会でした。あと、文系の人と理系の人で感想に違いが出ていて面白かった感じがします。いろいろな職業の人が集まっている読書会ならではと思います。」


ブックラブでは、過去に開催した読書会や交流イベントの様子も公開中。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。


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