【2024年7月】KADOKAWA文芸編集部の新刊一覧
KADOKAWA文芸編集部より、7月に刊行される文芸単行本の新刊8冊をご紹介させてください!
(発売日は予定です。変更の可能性もありますのでご注意ください。また、トップバナーおよび記事本文内の書影は随時更新予定です。)
2024年7月新刊
神田澪『最後は笑ってさよならをしよう』(7月2日発売)
泣きたい夜には物語の宝石箱を開こう。
\5万部大ヒット『最後は会ってさよならをしよう』の第2弾/
Xから生まれた、140字ぴったりで完結する「超短編小説(スーパーショート)」の名作をもっと!
恋愛、ミステリー、SF……涙の感動作からクスッと笑えるコメディまで。わずか140字の先に、想像もしないラストが待っている。
最新作のほか、X未公開の書き下ろしも多数。また、新作短編小説も収録した本作は、さらに涙が止まらない。
へとへとに疲れた夜にもすぐに読めて、何度でも読み返したい。
140字小説の名手・神田澪による、TikTokでも話題沸騰の作品集最新作。
櫛木理宇『死蝋の匣』(7月2日発売)
事件の鍵は犯人が残した「死蝋」。『虜囚の犬』白石&和井田コンビ再び!
茨城県で滅多刺しの男女の死体と死蝋のかけらが発見される。翌日、白昼のコンビニで女子中学生たちが襲撃される第二の事件が発生。現場の指紋から捜査線上に椎野千草という女性が浮かび上がる。彼女は、十三年前に起きた史上最悪の無理心中事件の生き残りだった――。千草の足取りが掴めぬまま、増えてゆく死体。止まらぬ猟奇殺人犯を元家裁調査官・白石と県警捜査第一課・和井田コンビが追う!
道具小路 装画:ajimita『汽水域の人魚』(7月10日発売)
恋する人、友人、家族にも言えない本当の自分。勇気をくれたのは人魚でした
かつて「ぼく」ではなく「わたし」だとカミングアウトしたことで、傷ついた慎太郎。
心の中だけで『ゆき』として生きるようになった慎太郎が出会ったのは、死に別れた恋人の骨を探す女性ナシャル。
彼女は恋人に正体を明かせなかった後悔で、海に戻れない人魚だった。
本当のことは、誰かを傷つけるし、傷つけられる。
好きなひとへの想いも隠し、『慎太郎』として生きていくと思っていたけれど……。
『ゆきも、あなたのうみを、およいでね』
痛みを抱え、それでも前に進む出会いのものがたり。
垣根涼介『武田の金、毛利の銀』(7月24日発売)
乱世の沙汰も、銭次第。
上洛した織田信長に呼び出された明智光秀は、とある任務を下される。数の信奉者である信長は、敵対する大名の財力を把握する必要があった。中でも武田と毛利の資金源である湯之奥金山と石見銀山の見定めは不可欠である。ただし、そのためには敵地の中枢に潜り込み、金銀の産出量を示した台帳を確認しなくてはならない。見つかれば命の保証はない危険な道中である。光秀は盟友の新九郎と愚息を伴って隠密裏に甲州へ向かう。駿河湾の港・田子の浦にたどり着いた三人は、そこで土屋十兵衛長安と名乗る奇天烈な男に出会い――。
『光秀の定理』『信長の原理』に連なる、直木賞受賞第一作!
京極夏彦『狐花 葉不見冥府路行』(7月26日発売)
中禅寺洲齋、幽霊騒動に挑む。歌舞伎舞台のために書き下ろされた長編小説!
時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていた。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、"この世に居るはずのない男"だった――。
この騒動を知った監物は、過去の悪事と何か関りがあるのではと警戒する。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、"憑き物落とし"を行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋が監物の屋敷に招かれる。
謎に秘された哀しき真実とは?
歌舞伎の舞台化のために書き下ろされた、長編ミステリ。
阿津川辰海『バーニング・ダンサー』(7月26日発売)
来た。怒濤のドンデン返し。最高峰の謎解き×警察ミステリ!!
特別な能力で大衆を煽動する殺人犯・ホムラvs. “猟犬”の異名をもつ元捜査一課刑事
「あの、私も妹も、交通課から来ました」。その一言を聞いて、永嶺スバルは絶句した。違法捜査も厭わない“猟犬”と呼ばれた捜査一課での職務を失い、新しい課に配属された初日。やってきたのは、仲良し姉妹、田舎の駐在所から来た好々爺、机の下に隠れて怯える女性、民間人を誤認逮捕しかけても悪びれない金髪男だった。着任早々、チームに異様な死体の事件の報告が入る。全身の血液が沸騰した死体と、炭化するほど燃やされた死体。ただ一人の理解者であった相棒を失い、心の傷が癒えぬスバルは、捜査経験がほぼない「警視庁公安部第五課 コトダマ犯罪調査課」のメンバーで捜査を開始する。メンバーの共通点はただ一つ。ある能力を保持していることだった――。「すべての始まり」から、犯人の嘘は仕込まれている。6作品連続「このミステリーがすごい!」ランクイン &「本格ミステリ大賞(評論部門)」受賞作家最新作。阿津川マジックが炸裂する、最高峰の謎解き×警察ミステリ!!
滝沢志郎『月花美人』(7月26日発売)
女人を穢れから救うため、義父さまは時代と戦ったのです――
菜澄藩の郷士・望月鞘音は、姪の若葉との生活を少しでも楽にしようと、傷の治療に使う〈サヤネ紙〉を作っていたが、幼馴染の紙問屋・我孫子壮介から改良を頼まれる。町の女医者・佐倉虎峰の依頼だというが、目的を明かさないので訝しく思うと、それは「月役(月経)」の処置に使うためであった。自分の仕事を汚らわしい用途に使われた、武士の名を貶められた、と激怒する鞘音だったが、時を同じくして初潮を迎えた若葉が「穢れ」だと村の子供に虐められたことを知る。女性の苦境を目の当たりにした鞘音は迷いつつ、壮介や虎峰と協力し、「シモで口に糊する」と誹られながらも改良した完成品〈月花美人〉を売り出そうとするが――。己に恥じない生き方を問う、感動の医療時代小説!
河崎秋子『銀色のステイヤー』(7月31日発売)
一頭の馬が、 私たちの人生を変えた。『ともぐい』の直木賞作家、最新作!
非凡な力を秘めながらも気性難を抱える競走馬・シルバーファーンが、
騎手、馬主、調教師、調教助手、牧場スタッフ、取り巻く人々の運命を変えていく。
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北海道・静内の競走馬生産牧場で、「幻の三冠馬」と呼ばれた父馬・シダロングランの血を引いて産まれたシルバーファーン。
牧場主の菊地俊二は、ファーンの身体能力に期待をかけつつも、性格の難しさに課題を感じていた。この馬が最も懐いている牧場従業員のアヤが問題児であることも、悩みの種である。
馬主となったのは、広瀬という競馬には詳しくない夫人。茨城県・美浦にある厩舎を擁する二本松調教師とともに牧場を見学に訪れ、ファーンの購入を決めた。不安を覚える調教助手の鉄子(本名:大橋姫菜)に、二本松は担当を任せることを告げる。
ファーンは、俊二の兄である菊地俊基騎手とのタッグで、手のかかるヤンチャ坊主ではあるものの順調に戦績を重ねていくが、あるレースで事故が起こり……。
手に汗握る競走展開、人と馬の絆。
わずか数分のレース時間には、全てが詰まっている。
「――それでいいよ。最高だ、お前。」
一頭の馬がこんなにも、人生を豊かにしてくれる。
『ともぐい』で第170回直木賞を受賞した著者による、感動の馬物語!
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