【2024年9月】KADOKAWA文芸編集部の新刊一覧
KADOKAWA文芸編集部より、9月に刊行される文芸単行本の新刊8冊をご紹介させてください!
(発売日は予定です。変更の可能性もありますのでご注意ください。また、トップバナーおよび記事本文内の書影は随時更新予定です。)
2024年9月新刊
星田英利『くちを失くした蝶』(9月3日発売)
俳優・星田英利による渾身の初小説!
貧困、ネグレクト、いじめ……幼い頃から心と体を削られ続け、それでも必死に生き抜いてきた女子高生・ミコト。
しかし、決してそれらからは逃れられない現実に絶望し、自らの命を断つことを決意する。
高校三年生、18歳の誕生日。ミコトは人知れず決意を行動に移す――。
櫻いいよ『きみとの明日を消したい理由』(9月28日発売)
後悔をせずに、 毎日を生きれていますか?――号泣必至の青春恋愛小説
「これからずっと、死ぬために生きるつもりなの?」
高校二年の祈里は、体調が優れず病院に行くと、あと数年しか生きられない病気だと分かる。
これまでの友人関係も、将来のために頑張っていた勉強も無駄になると絶望し、心の拠り所だったより江さんの家に向かう。
すると、なぜか同じクラスの春日井くんがいて、より江さんは祖母であること、さらに亡くなったことを知らされる。
遺品整理を手伝ううちに、どんどん彼に惹かれていくが、このまま好きでいていいのか、悩みは募るばかりで――。
『交換ウソ日記』、「世界は「」で」シリーズの著者が描く、号泣必至の青春恋愛小説。
丸井とまと『青い世界の中で、きみが隣にいてくれた』(9月28日発売)
大嫌いだった私をきみが陽だまりのように照らしてくれた――
自分にないものを、たくさん持っている人たちが眩しかった。
高校1年生の海実は奥二重がコンプレックス。アプリで加工をしているとクラスの男子にからかわれてしまう。ショックのあまり、自分の顔がおかしく見える「思春期の風邪」に罹ってしまった。マスクで顔を隠して学校に通うが、次第に家から出るのもつらくなっていった。そんなとき、よくない噂の多いクラスメイトの久米くんに「俺の息抜きに付き合って」と声をかけられ、授業をサボることになって――。
ひとつの出会いが私の世界を変えてくれる。
共感度抜群!この物語はあなたの宝物になる――。
『青春ゲシュタルト崩壊』の著者が贈る、恋と勇気の青春物語。
諏訪宗篤『海賊忍者』(9月28日発売)
伊賀「忍者」にして志摩「海賊」! 向井正綱の歴史浪漫活劇!!
【第15回小説野性時代新人賞受賞作】
伊賀の忍者・向井正綱は、甲賀衆に襲われている市女笠の少女を助ける。少女――雪姫は伊勢の戦国大名・北畠具教の愛娘。織田信長の子・茶筅丸への輿入れが決まっていたが、意に染まぬ婚礼を嫌い、織田家の野心と非道を京の幕府に訴え出ようとして狙われたのだった――。
「北畠を、伊勢を、お助けください!」
姫君の懇願を聞き入れた正綱。山野を駆けて桑海を渡り、甲斐の武田を引き入れ、熊野水軍をも動かす。敵は信長。織田の大軍を向こうに回した大勝負が、はじまる……!
関かおる『みずもかえでも』(9月28日発売)
落語家たちの情熱が、 目標を見失ったカメラマンの心に再び火をともす!
第15回 小説 野性時代 新人賞 受賞作!
落語好きの父に連れられ寄席に通うなか「演芸写真家」という仕事を知った宮本繭生は、真嶋光一に弟子入りを願い出る。真嶋は「遅刻をしないこと」「演者の許可なく写真を撮らないこと」を条件に聞き入れるが、ある日、繭生は高まる衝動を抑えきれず、落語家・楓家みず帆の高座中にシャッターを切ってしまう。繭生は規則を犯したことを隠したまま演芸写真家の道を諦める。あれから4年。ウエディングフォトスタジオに勤務する繭生のもとに現れたのは、あのみず帆だった……。
浅野皓生『責任』(9月28日発売)
あのとき、俺が追わなければ。横溝正史ミステリ&ホラー大賞優秀賞受賞作!
雪の降る深夜の当直中、刑事の松野徹は不審車両を見かけて職務質問する。運転手の藤池光彦は急発進、徹は追跡するが光彦の車は交差点に突っ込み、光彦と通りかかった車の家族四人が死亡する大事故を引き起こしてしまう。追跡した警察への批判が強まりかけたとき、光彦が事故直前に強盗致傷を働いていたことが判明、非難の矛先は遺族に向かった。冤罪を疑う光彦の両親から事件を調べ直してくれと嘆願された徹は、自責の念に誘われるように引き受けてしまう。新事実など出てきようがない、はずだったが――。
逸木裕『彼女が探偵でなければ』(9月28日発売)
こうなることを知っていたら、わたしは探偵をやめていただろうか。
森田みどりは、高校時代に探偵の真似事をして以来、人の〈本性〉を暴くことに執着して生きてきた。気づけば二児の母となり、探偵社では部下を育てる立場に。時計職人の父を亡くした少年(「時の子」)、千里眼を持つという少年(「縞馬のコード」)、父を殺す計画をノートに綴る少年(「陸橋の向こう側」)。〈子どもたち〉をめぐる謎にのめり込むうちに彼女は、真実に囚われて人を傷つけてきた自らの探偵人生と向き合っていく。謎解きが生んだ犠牲に光は差すのか。痛切で美しい全5編。
篠田節子『ロブスター』(9月28日発売)
私は人生の終着点を見つけてしまった 生と死の尊厳に迫る優しく美しい一冊
おちこぼれの女性ジャーナリストが異国の砂漠の地で掴んだ、
自分しかできない仕事、そして、人間のほんとうの幸せとは
フリージャーナリストとしての活躍の道が拓けずくすぶっていた寿美佳(すみか)は、摂氏六十度を軽く超える砂漠の地で、鉱石を運ぶトラックに乗っていた。
ここはオーストラリアでも「デッドエンド」と呼ばれる地帯。この先の鉱山で、元引きこもりの日本人労働者や、海外の政治犯が強制労働に従事させられているという疑惑を聞きつけて、記事を書いて一山当てようと潜入取材に乗り込んだのだ。金がない寿美佳のスポンサーとなったのは、夫の研究者・クセナキス博士がここに閉じ込められていると訴える博士の夫人だった。
博士を救い出すという任務も帯びながら、命からがら苛酷な砂漠を越え現地にたどり着いた寿美佳だったが、そこで出会った博士をはじめとする3人の労働者が語ったのは、寿美佳が全く思いもよらない背景だった……。
ここは見捨てられた場所、そして、途方もなく自由な土地――
「他の場所では生きられなくても」、今、自分の身体が、能力が、拡張していく。
人生の本質や、生と死の尊厳を、外から判断できるのか。
ほんとうの幸せとは何かに迫る著者の真骨頂。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?