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福祉のブランディング vol.3 ブルーオーシャンを楽しむ

こんにちはカドジュンです。間が空きましてスイマセンでした!今回のテーマ『ブルーオーシャン』、マーケティングでよく聞くワードです。青い海… これだけだとわかりにくいので対になるワードもあげます。『レッドオーシャン』赤い海… イメージできます?サメの群れが獲物を奪い合うような、つまり血の海のことです。ビジネスにおいては、せまいエリアにたくさんの事業者が競合する市場(しじょう)のことをいいます。つまりブルーオーシャンは、そういった争いがない平和な海、競合が少ない自由な市場のことです。

そして、さっそく今日の結論です。ブランディングは介護業界において競合と大きな一線を引くことができる、差別化が明確な経営戦略分野です。そして、結果的にブルーオーシャンを自由に楽しむことができるのです。

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社会福祉法人を取り巻く環境のキビシイ変化

介護保険制度のスタートによって介護事業は自由競争となりました。一時は濡れ手に粟ともいえる高報酬でブームとなりましたが、とくに人口が集中した地域では有象無象の素人も新規参入する、まさに顧客というエサを奪い合うレッドオーシャンの様相でした。しかし、報酬単価が下げられ、市場と事業の拡大が落ち着きを見せ始めたころ、別の問題が表面化してきました。2013,4年ごろの社会福祉法人不要論に端を発する改革議論の開始と時期を同じくすると思われる、介護職の不人気と人材不足のはじまりです。景気回復も相まって、この業界はリクルート市場から振り向かれなくなり問題は年々深刻化しています。逆に悪質な人材紹介会社からのターゲットになりましたけどね。そして外国人技能実習生導入の議論も活発になりました。つまり介護保険隆盛期には顧客というエサを求めて競合していた業界が、近年は人材という別のエサを求めて競合しているのです。しかも、競合相手となるサメは介護・福祉・医療業界だけではなく、ずっと競争にさらされてきたどう猛な一般民間企業なのです。かなり分が悪い勝負ですね。そういった状況のなか、職員が不足していることが原因で事業を縮小したり、廃業している介護事業所もふえてきています。もちろん弊社も効率化に向かわざるを得ない状況です。

施設経営におけるブルーオーシャンとは

それでは介護経営、とくに施設経営におけるブルーオーシャンについて考えていきましょう。まず顧客の獲得については前述のとおり、争いを避けるならエサの少ない海、つまり過疎地などで経営しなければなりません。薄利で経営する覚悟が必要となります。

介護サービスの質については、差別化できるほどの独自資源や強みを持っているところはたしかにあります。しかし介護業界はそもそも高齢者の増加による需要過多で、家族からすれば「入りたいところよりも、入れるところ」という背に腹は代えられない事情を抱えています。優先順位は、どうしても質が高いところよりも空床の出やすい施設になるのが一般的になります。よって、必ずしも質の担保は顧客獲得において有利に働きません。ただし、志の高い人財には刺さるかもしれませんね。価格は全国共通(地域間の差はあります)なので、比較対象にはなりません。そして、経営体力がある大きな法人が圧倒的に有利という絶望的な現実もあります。

そうであれば、やはり残されたものは数少なく戦略にもとづいたブランディングが大きな柱になり得ます。そもそも優れた法人や事業所でも知られなければほとんど意味がないのです。以前にも吠えましたが、「広報なめんなよ」なのです。しかし、全国的にみてもこの分野に注目し、効果的に予算を投下している法人はまだまだ少ないのが現状です。

さいわいというか、大きな法人は経営がまだまだ盤石なので、ほとんど未知の領域であるブランディングに取り組む必要性をあまり感じていないようです。せいぜい広告代理店にいわれるがまま、大金を使って費用対効果の少ない広告を打つくらいです。中堅の老舗法人は前例のない予算執行となる高額な広告に手を出しにくい。また小さな法人はそもそも予算的に広報事業へ手を出せない。

だからブランディングは、まだまだ今ならやったもん勝ち(笑)、他の法人や事業所が少ないブルーオーシャンなのです。

さいごに、よその事例として注目されている事例が、神奈川県の愛川舜寿会常務理事馬場拓也さんですね。元アルマーニの社員で、介護施設ならではのユニフォームに疑問を覚えた記事を読みました。リンクはその記事ではないのですが、馬場常務理事らしい取り組みが紹介されています。


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