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【連載9 なぜ離島の限界集落にある老人ホームで人財を確保できているのか?】インターバル①(人財獲得!そして…)

ながいインターバル(休憩)

こんにちはカドジュンです。コロナ禍、お見舞い申し上げます。4月は人財獲得に関しては記事をアップしませんでした。弊社の人材獲得において、ここ1年いちばん結果を出しているのは移住者です。離島において、もしも感染が発生したら本当に地獄となります。いまはガマンの時期なのです。そのため、島外から人をよびこむようなPRは控えていました。しかし、この苦しい時期が終わった時にロケットスタートできるように、やはりこの連載だけでも完結させようと思い直しました。

前回、ブランディングに取り組み始めたところまで話しました。今回はながーいインターバルの締めくくりとして、ここまでの成果をピックアップします。そして、その反動で起こった経営危機などを書いていきます。

イケイケな成果

『環境づくり』と『銘柄づくり』という二つの長期方針を推進して、いろんなことがありましたがどちらかといえば良いことの方が多かったです。

①Iターン職員2名ゲット!(初期)

最初の移住職員はいわゆる孫ターンというやつで、おじいちゃんが五島にいて自分は東京出身という調理師でした。五島で働こうかと考えていたときに、弊社のFbページで取り組みを知って直接やってきました。こちらは職場見学だと思っていたのに、その場で採用面接に変わり就職が決まりました(笑)。そして、もう1人は友ターン(造語)。弊社で働く短大の同級生から誘われたという島根県出身北海道在住の保育士がやってきました。

②新卒の高校生2名

2017年、初めて高校新卒の採用にチャレンジしました。介護ブームも終わり、景気も回復し、この業界に学生が寄り付かなくなる時期に入ってました。なぜ挑戦したかというと、いままでは単純に小規模な事業所だったので育成する自信がなく、採用しても短期間で辞めるだろうなあと思っていたのです。しかし、研修体制も整ってきたので『タイム ハズ カム!』時は来た!と思い準備を進めました。この年度に地元高校の卒業生で市内の介護施設に就職したのは4人。そのうち2人を獲得できました。もちろん弊社以上の大法人がいくつもあるなかでの採用でした。

③カムバック職員

ここ最近は、シャレと本気の半々で『再就職パス』なるものを退職する職員に授与することがあります。しかし、それ以前の10年前に辞めた若手職員がもう一度働けないか?と求職してきました。じつはこれがいちばん嬉しかったかもしれません。

④離職率 驚異の4%

2017年度の離職者は3名、離職率は4%という事業所始まって以来の快挙を達成しました。同じ年の介護業界では離職率16%だったので、異常に良すぎた数字だと言えます。しかし、この結果人件費の高騰という悪影響が出てきます。

⑤住民、行政の評価が高まる

人財獲得とは関係なさそうですが、住民や行政の評価を得ることはブランディングが成功したということです。厚労省の視察が入ったり、モデル事業に選ばれたりと、行政とは確実に信頼関係が構築されました。これはマーケティングのマインドフローで言えば、認知・興味・行動・比較まで到達したことになります。結果的には求職者の獲得にもつながりました。

失速と反動

そんな感じで一時期はノリノリでした。しかし、2018年度に転機を迎えます。職員が過去最高の60名以上となり、こちらとしては充実した人財を持って攻めの経営に転換したかったのですが、息切れしてしまいました。理由は… ①27年度(2018年度、いいかげんビジネスは西暦に統一しません?)介護報酬マイナス改定で打撃を受けた ②経営体力が乏しかったのに過剰投資した(人件費の高騰) ③サービスエリアの人口減少と営業不足により、在宅サービスのほとんどが赤字化、さらに保育事業の大赤字

よって、この年度は過去最高の単年度赤字をたたき出してしまい、人件費も削らざるを得ず、多くの職員を抱え込んだのに離職で放出してしまいました。結果的に20%近い離職率となってしまいました。

(次回に続きます)

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