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【連載11 なぜ離島の限界集落にある老人ホームで人財を確保できているのか?】フォームをかえる①(採用戦略修正)

こんにちはカドジュンです。2回にわたって2018~2019年を振り返りました。育成方針として「失敗しないと職員は成長しない。取り返しのつかない失敗以外は取り返せる」と考えています。先代理事長のトップダウン時代の反省は生かされているつもりです。2019年の事業目標を立てていた時も公言していました。過去も含めて試行錯誤(トライ&エラー)を大事にして向上(grow up)しよう。転んでもただは起きないと取り組んできたのです。準備等に1年かかりましたが、経営は持ち直してきました。

事業計画リーフレット1

日本初!? 事業計画のリーフレット版!事業目標が記載されています


それでは、ひさびさ本来のテーマに戻ります。過去の人財獲得の成功、経営の失速による人財流出などの体験は、弊社にとって貴重な財産となりました。マーケティングとトライ&エラーの両輪によって(ちなみにこれってPDCAサイクルになりますね)、方法論を確立してこの連載のように公開できるようになったのです。事業計画の長期目標により求人ターゲットをファミリー層と位置付けていますが、私たちは早い段階から移住者に目をつけていました。なぜかといえばCCRC(高齢者の移住推進)という国の施策もありましたが、地域おこし協力隊を積極的に採用する五島市による雰囲気の醸成や制度の確立がいちばん大きかったです。

下に書いたのは、3年前に移住者ターゲットをエリア別に分けたものです。

【当初版】事業所や玉之浦(離島地域)に関係する移住ターゲットの居住エリア

SS 関東・関西の都市圏(移住実績が高く、とくに東京には県と市の出先機関がある)

S 関西・中部の都市圏(移住実績は高いが、市の出先機関はない)

A 福岡・九州管内(県や市の出先機関がある)※ただし、福岡も九州各地からの受け皿なのですでに移住者だらけ、そして九州全体で競合

B 長崎県内(とくに長崎市の移住が多い)※実際には転勤族?が中心かもしれず、県内の離島・半島と競合

C 五島市内 ※よほどの事情がないと島内でもとりわけ不便な玉之浦に移り住む地元ファミリーはいない


しかし実際に取り組み、結果が出てターゲットも変わってきました。まず福岡などはすぐに「ダメだこりゃ!」と気づきました。なんのリアクションもいまだにないのが福岡です。本当はCにしたいくらいなんもありません(笑)。余談ですが、ダメな具体例として数年前さかんに行政主催で地元や県内外で開催されていた企業説明会はひどかったです。そもそも行政は人を集めるのは不得手なので散々な集客も多いです。長崎市で開催された説明会では、事業所のトップが1日机に張り付いて来訪者が1名など、コスパがとてつもなく悪いイベントも目にしました。弊社はイベント一つ一つをマーケティングによって事前に精査するため、島外の説明会に参加したことはありません。もちろん、肩透かしにあったことも多々あります。最近はそんな非効率なイベントも減り、手段が進歩しています。そりゃあ、他の地域と競わなきゃいけないので、官民含めて普通のことをしても誰も振り向いてくれません。そんなトライ&エラーや、つぎの回で紹介する取り組みによって成果を出し、以下のようにターゲットが変わっていきます。

【現状版】事業所や玉之浦(離島地域)に関係する移住ターゲットの居住エリア

SS 関東の都市圏(在住・出身・居住経験を含めれば弊社の移住実績トップのセグメント)

S 弊社や玉之浦の取り組みに共感する全国の移住希望者(これについては次回詳しく)

A なし

B 福岡・九州管内(福岡市は九州各地からの受け皿)、長崎県内(実際には転勤族が多く参考にならない。離島・半島と競合する)

C 五島市内(そんな地元ファミリーはほとんどいない)

関西などはSに放り込み、Aは設定していません。Bに福岡が格下げになるのは分かりますが、刷新された「レベルS」については次回です。お楽しみに!

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