飲み屋で「ラフ・メイカー」が聴こえた

今日、仕事楽しかった。
上司とパイセンと三人で、エントランスの模様替えのことを考えたりした。
アイデアをだし合う時に、頭脳派のパイセンは上司を「何そのファンタジスタな考え方」と言わしめていたし、その上司は色々凝るのにへんなところをとても面倒くさがっていた。私はそこにいて、パイセンのふっくらした耳や頬をちらっと見たり、上司がとにかくジョーダンを言うのに笑ったり、笑うことが幸せでなんとなく"これ以上はストップ"と謎のブレーキがかかって、マスクの中で口をクッとゆがめてひっかかったようなへんな笑い方をしたりしていた。

そのことを書こうと思ったけれど、その後、中学時代からのトモダチと待ち合わせて、飲んで酔っぱらった。
お互いのローンや美容メンテナンス、ビンテージのブランド品のことなどをあけっぴろげにしゃべって、煙の中で、ビールを飲んで。
100万円という額をかけて整形をした彼女は勿論かわいさが増しているのだけれど、面影は、ワイシャツの上にネイビーのセーターを着て髪を結んでいた中学生の頃のままだった。
私はどうかな。変わったかな。
文を書く人は周りにいないから、私はいつも見る側で、自分のことはわかんないままだ。

とにかくこのひとときに全部持っていかれてしまい、今は何もが一瞬の夢だったみたいにふわーっとしている。(文字、ちゃんと打ててるかなぁ。)

お店に流れてる音楽が椎名林檎の「幸福論」やバンプの「ラフ・メイカー」だった。
わーー懐かしー!
大好きな藤くんの、ルララ ルラ ルララ ルラ アーン♪
私、バンプで初めて知った曲はラフメイカーなんだ。たしかニコニコ動画で、誰かが自作のAAでこの曲のMVをアップしてるのをたまたま見たんだよね。簡素な記号だけでできたネコ?かな?から「アーン♪」と吹き出しが出ていて、ネコが歌ってるみたいになっていた。お可愛だったな。あの動画、知っている方いるだろうか。

うれしくて、何度目かの注文を取りにきてくれた店員の若いお姉さんに、"今流れてる音楽は誰の好みなんですか"と聞いたら、お姉さんは分からないとのことだったんだけれど。
お会計を終えて出ようとした頃、前髪センター分けのお兄さん店員が、
「このプレイリスト僕っす」
と言って名刺をくれた。声がみゅいーんって感じで高かった。
私は、バンプいいですね!と言ってお店を出た。
そのテーブルにこぼれたお酒がちょっとしみちゃった小さな紙で、街の片隅の飲み屋でバンプをかけた店員さんのフルネームを知る。綺麗な名前だと思う。名刺はとりあえず財布にしまっておいた。
トモダチと別れて電車に乗り、Spotifyに繋いで、頭の外側で鳴ってるすてきな音楽をうわの空で聴いている。お酒を飲むと、いつも耳が遠くなって、音楽は少しbgmになってしまう。この感じ、久しぶり。
もう昼間の仕事場での時間はなんだかマボロシのように遠くって、ちょっと上司とパイセンが恋しくなった。たぶんとても久しぶりに、彼らの全然居ない場所でぐちゃっとしたからだ。

明日は在宅。ギリギリまで眠る。
小雨とアルコールで、車窓を流れる街はかすんでる。
ほんとに台風は来るのかな?と思う。
ガラガラの電車の中で。

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