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得意なことで貢献しようと思ったら

「得意なことで貢献しましょう」っちゅーのは、多くの人に、それはもう全国民と言っても過言ではないくらい多くの人に奨励されてるコンセプトや。
その延長線上には、「苦手なことでは貢献でけへん」という考え方もある。聞いたことあるやろ?

でもな、自分のこと賢い思うんやったら、ちょっと立ち止まって考えなあかんわ。

重要なのは、「得意」とは何を意味するのかという問いです。
重要なのは、「得意」とは何を意味するのかという問いです。

大事なことやから2回言うたんやで。標準語で。

得意で貢献するための条件

独りよがりに「得意」って言うても、それはアレや。アテになれへん。「誰と比べたんや?」っちゅー話や。
実際、得意分野で活躍しよう思ったら、単にその分野が得意やと自分で思ってるだけやったらあかんねん。
これ見落としたら死ぬっていう絶対的な条件が2つあるんや。

1つ目の条件は、自分のスキルが成果を生み出すレベルに達しているっていう、なんていうかこう、当たり前のことや。
Excelを使ったことがある人が一人もおらん会社に就職したら、使ったことがあるっていうだけでブッチギリの1位や。でも、文字入力ができる程度やったらハナクソ程度にしか役に立たへん。成果を出すのに十分なレベルに達してるんは、必須条件や。

2つ目は、チーム内に自分よりも熟達した人がおらんことや。
例えば、100メートル10.5秒で走れて「俺バチクソ速いわ」と思ってたとしても、チームに10.0秒のやつがおったら終わりや。100mでは活躍でけへん。
でも、自分ではそない速ないなと思ってるハードル走が、まさかのチーム内1位やったら、そこに活路があんねん。貢献のチャンスがあんねん。

周りによって変化する自分の強み

ええか。
自分の強みは、相手によって変わるんやで。自分がTOEIC満点でも、外人の集まりに参加したら、自分の得意分野は日本語やからな。「私、英語が得意です!」なんてよう言わんやろ?自分では日本語得意と思ってなくても、「日本語は任せてください!」って言うやろ?。

独りよがりで「事務処理より営業が得意」「話すより書くことが得意」って自己分析してイキり倒しても、他のメンバーと比較せずに言うてるんやったら、ちょっと恥ずいこと言うてるかもしらん。

自分の強み・得意なことを特定したいと思ってるんやったら、絶対にチームメンバーを観察せなあかんねん。英語と違って難しいで。さっきのシチュエーションでミスらへんのは、人種というわかりやすすぎるシグナルがあるからやねん。でも、同僚と私、どっちが分析力高い?これは難しいわ。でも観察せなあかん。サボったらあかん。わかりにくいけど、分析力高い人がおるチームで分析厨アピールしたらあかんねん。貢献にならへんし、なんやったら迷惑になるかもしれん。

そういった意味では、「強み」を「特定」する言うんはチャンチャラおかしいねん。「強み」は、相手が変われば変わるもんやから。

ストレングスファインダーと自分の強み

ストレングスファインダーってあるやろ?
あれもな、世界中の人が支持するほどの価値はないで。
なんでか言うたら、自分で質問に答えるからや。

これを説明するために、ちょっとレビューの話をしよか。アマゾンレビューとかのアレや。
あれはな、自己紹介やねん。

商品の良い悪いではなく、自己紹介やねん。

どういうことかいうたら、「私はこの商品に良い(悪い)評価をつけるような感覚の持ち主です」っていう自己紹介やねん。ミクロな視点では。
たとえば、1万円くらいのヘッドホンに

「音の概念が変わった!耳が嬉ションしてる!」

ってレビューがあるとするやんか。こんなん見たらめっちゃ欲しなるやん。

でも、次のレビューで

「値段相応。他のレビューを見て購入しましたが、騙されました。やはり1万円からは1万円の音がしますね。当たり前ですが。」

って書いてあったら、おぉ?ってなるよな。どっちがホンマの意見や?って。

でもこれ、このふたりが普段使ってるヘッドホンが違うだけやねん。

絶賛してる人は、普段2,000円くらいのイヤホン使ってんねん。だから感動すんねん。
2,000円と1万円はアホでもわかるくらい劇的に違うから。

で、ガッカリしてる奴は普段5万円のヘッドホン使ってんねん。
んで、このクラス使ってるやつは耳肥えてるし、音の違いにうるさいから、1万円の音なんか「ミシュラン★レベルっていう評判の店言ったらマクドのチーズバーガー出てきた」くらいジャンクな音に聞こえんねん。

せやから、レビューは自己紹介やねん。

ほんで、ストレングスファインダーの話な。
ストレングスファインダーもある意味自己紹介やねん。
たとえば、

「人に話しかけるときは、感情を伝えることよりも、論理的に筋が通っているかどうかを重視している」

っていう項目があるとするやん。
これに対して、「おう。俺は間違いなくことタイプやな。」って思って点数をつけるとするやん。
でもそれって、今までどんな人が周りにいたかっていう自己紹介でしかないんよ。

たとえば、今まで自分よりもさらに論理的な人に囲まれて生活していたら、

「お前の書く論文はいつもロジックが破綻してるな。もっと論理的に書け。」

とか

「論文提出窓口にポエム提出したやつ誰?」

とか言われまくってたら、世間の平均からするとだいぶ論理的やったとしても、自己評価は低くなってまうやん?
でも、この人が全然関係ない業界とかに転職したら、転職初日からロジカルモンスターってニックネーム付けられるかもしれへんやん?

せやから、ストレングスファインダーでわかるのは、実は自分の強みじゃないねん。これまでの人間関係がわかるだけやねん。
学習欲が1位の人は、まわりに自分以上に勉強好きの人がおらんかってん。

これホンマ気ぃ付けなあかんねんけど、学習欲とか、分析思考とか戦略思考系が上位に来てる人は、すぐ「俺、コンサルが向いてるわ。」とか言うねんけど、そんなんで転職なんか絶対したらあかんで。

なんでか言うたら、そこには学習欲モンスター、分析モンスターがうじゃうじゃおるからや。それも自分より遥かに高いレベルの。

じゃあどないしたらええんか言うたら、今の場所で頭使うねん。
ストレングスファインダーでわかるのは、「今までの人間関係の中で、周りの人より得意なこと」やねん。

せやから、そこにおったほうがええねん。そこにおりながら、得意なことをどう生かすかを考えなあかんねん。
間違っても、同じことが得意な人がたくさんおるところに転職なんてしたらあかんねん。
それは死ぬほどレッドオーシャンやねん。自ら自分の価値をゼロにしに行ってんねん。自殺行為やねん。

ちゅーわけで、冒頭のアレな。標準語の。

重要なのは、「得意」とは何を意味するのかという問いです。

大事なことは標準語や。

得意なことで貢献したいと思ったら、自分の得意なことを探すんじゃなくて、周りと自分の人間関係に目を向けるんやで。

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