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「恩返し」と「恩送り」#会社員でよかったこと

"恩送り" という言葉を知ったとき。
心が救われて、なんだかホッとした。

"恩返し" は、よく耳にする。
"恩送り" は、あまり馴染みがない。

この2つの言葉には関連性があって、
それぞれに意味がある。

恩返し
助けや優しさをくれた相手に何らかの形でお返しすること

恩送り
自分が受け取った思いやりある行為を、全く関係のない第三者に受け渡していくこと。

(参考: キナリノ)

「お世話になった〇〇さんに恩返しをしたい」

そういう感情を抱いた経験は何度もある。
特に会社員になってから度々そう感じた。

けれども、思うように恩返しできないのが現実。
お世話になった上司が急に退職して、
遠くに引っ越してしまったことがあった。

「〇〇さんに恩返し、できなかった...。」
「いつも与えてもらってばかりだったな...。」

私の心には "わだかまり" が残った。

それは何年も心のなかにあった。会社員として経験を詰めば詰むほど、蓄積されていった。

そうして気づけば、20代後半に。
リーダー職に就いて、部下にアドバイスをする機会も増えた。

感謝の言葉をくれた部下もたくさん居た。
それでも心の "わだかまり" は消えなかった。

「憧れの先輩に比べると自分は全然ダメだ。」
「あのとき、自分に温かく接してくれた上司は今頃、どうしているのだろう。」

疲れたときや、自分に自信が無くなったとき。
ふと思い出して、"わだかまり" が膨らんだ。

そうして過ごしているうちに読んだ本のなかで、
"恩送り" という言葉を知った。

「受け取った思いやりを、他の人に受け渡す」
という発想が、なんだか新鮮に感じられた。

「これなら、きっと私にも出来る!」
と、前向きな気持ちになった。

それからだんだんと、"わだかまり" が、
エネルギーに変わっていった。

同じ相手に、同じように返せなくてもいい。
私にできる受け渡しで、繋いでいこう。

いま身近にいる人達に "恩送り" をすること。
それは巡りめぐって、私を成長させてくれた人達に "恩返し" をすることにも繋がる。

そうして社会が良い方向に向かっていくと気づいたとき、「会社員でよかった」と心から感じた。

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