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思い出されるままに、音楽のこと①

音楽について書きたくなったので。

わたしは、高校生の頃にピアノの師匠に反発して、そのまま逃げるように大学生になって地元を出た(大学を卒業する頃に、やっと和解した)。

反発した原因はいろいろあったが、いちばん大きかったのは、先生が口癖のように言っていた言葉である。

「楽譜通りに弾くだけでいい、余計なことは何もしなくていいんだ」というのが先生の口癖だった。

わたしは、「朝比奈隆さん(注:90歳代まで指揮棒を振り続けた大指揮者)とかが言うなら分かるかもしれないけど・・・それ、中学生のわたしに言う?」と思った。

そういえばたしか、朝比奈隆さんはブラームスかブルックナーかの演奏に関するインタビューで「若いころはテンポ速め、40代くらいからは遅く。歳を取ってくると、また速めのテンポで振る」というようなことを仰っていたと思う(これは単なるテンポの話ではなく、自分の中のエネルギー状態と音楽がどう共鳴するか、というような話。うまく言えないけど)。

人生の長い年月をかけて、一つの音楽作品と何度も何度も対峙してきた人だからこそ、こんなことが言えるのでしょう。

わたしにとっては、まだ初めて出会う作品も多い。楽譜から読み取れていないことが、きっとまだたくさんあるはずだ。先生の言うことは、ただの怠けだ。
(失礼かつ傲慢な話だが)高校生のわたしは、そんなことを思っていた。

続きは次回。

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