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十六夜俳句 十六夜川柳 勝手に雪ん子⛄️賞発表


十六夜俳句と十六夜川柳の勝手に雪ん子⛄️賞発表!!

俳句部門


重機にも斧ふりあげる蟷螂ぞ


せきぞうさんの句は、「とんぼ飛ぶ片側三車線道路」が予選進出しましたが、こちらが好きです。どちらも自然と人工物の相克を感じさせますが、重機と蟷螂、相似形のカットバックみたいで楽しいです。

そっぽ向く私の背すら照らす月


月って、時により優しかったり、怖かったりします。満たされているときには優しく、やましいことがある時にはいさめられているよう。この月は、誰にも平等に優しい月。それだけに「すら」にこめられた自嘲感が際立っています。

みすゞの詩音読する子鰯雲


鰯雲ってぼんやり空を眺めていて、ふとハッとするような雲と思います。子供が音読するみすゞの詩から鰯雲浮かぶ空へと、意識がスイッチしていくさまが美しいです。その後の多幸感。

クアンタのライザーソード秋の星


月を背にして名刀を抜いた剣豪の姿が浮かびます。上杉謙信か宮本武蔵か。昨今はAIも俳句の題材ですから、22世紀にはこんな句が普通になるかも。カッコいいと思います。

仰ぎみる猫背の君と葡萄棚


「仰ぎ見る猫背の君」の構図が面白いです。葡萄を摘んで戻って来た「君」越しの「葡萄棚」。下五でのタネあかしが鮮やかです。


手をつなぐ家路のさきの流れ星


流れ星を見た瞬間に手をつないでいたのが素敵です。その方向にスウィートホームというのもまた美しい。いい夢が見られそうな秋の夜です。


秋の宵赤髪の魔女夜遊びへ


「赤髪の魔女」を見送るのは母でしょうか。魔女は揶揄でもありますね。自分には理解しきれない存在みたいな。愛情と諦念がないまぜになったような複雑な感情が伝わってきます。


星月夜大道芸に10万ぶっ込む

 

「星月夜」の聖と、「大道芸に10万ぶっ込む」の俗が不思議にマッチしています。10万ぶっ込むほどの良いことがあったのか、はたまた悪いことがあったのか、想像力が掻き立てられます。


川柳部門


洗濯の靴下奇数なんでなん


うちの洗濯機も靴下を片方食べるようです。

オリーブよりカニみそよりのヘアカラー


オリーブよりカニみその方が好物です。

ファーベストおしゃれのはずがマタギ感


ファー付きのブーツが似合いそうです。あと鉄砲。

お墓までサブスクでいいと言う息子


時代ですね。いつか解約されることもあるのでしょうか。


栗ちょうだいできることなら剥いてから


わかります。できることならカニもそうしてください。

缶コーヒーひと缶分の温かさ


美しいです。俳句でいいと思います。

お吸い物の味と言うなよ土瓶蒸し


わかります。代わりにちくわでも入れておけばいいと思います。


以上
俳句8句、川柳7句


勝手に雪ん子賞受賞の皆さん
おめでとう🎉🎉🎉


励みになります。 大抵は悪ふざけに使います。