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生物は暗記科目か―― 共通テスト生物基礎・生物から考える

 「生物なんて暗記科目」「生物は暗記ゲー」と言われて日夜哀しみにくれている斉藤です←

 さて、先の週末には、センター試験に代わる大学入試の試験として「大学入学共通テスト」が実施されました。
 この大学入学共通テストの果たす役割 として、

1.大学教育の基礎力となる知識・技能や思考力、判断力、表現力等を問う問題作成
 平成 2 1 年告示高等学校学習指導要領において育成することを目指す資質・能力を踏まえ、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視した問題作成を行います。
(大学入試センター https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_gaiyou/yakuwari.html

とあります。

 きっと、「生物なんて暗記科目」と言わせない良問揃いになるであろうという期待に胸を膨らませていたのですが……。

生物基礎と生物での差がひどい!!

 2021年度 大学入学共通テスト 生物基礎・生物 の問題を解答番号毎に、出題概要、出題種別(知識、知識理解、実験観察、思考判断、計算)、出題形式、解答形式を整理してみました。※出題種別は、斉藤の主観的判断による。

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 知識(または知識理解)の問題の割合を見ると、生物基礎では81%、生物では26%と、大きな隔たりがあり、履修者が多い生物基礎がかなり知識偏重している印象を受けました。

 理科の他の基礎科目がどうかを見てみると……

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 化学基礎では、知識(または知識理解)の問題の割合は、47%でした。圧倒的に少ないです。化学基礎は計算問題を作り安いからと揶揄されそうなので、知識問題を作りやすいであろう、地学基礎も見てみます。

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 地学基礎では、知識(または知識理解)の問題の割合は、47%でした。

と、生物基礎だけ圧倒的に 知識問題に偏っているようです。こうなってくると、「生物なんて暗記科目だよね」と言われても仕方がないなと再び哀しみが深くなった斉藤でした。

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