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異語り 049 経過観察

コトガタリ 049 ケイカカンサツ

今回はご近所の不思議スポットを紹介します。(北海道では半径5キロ圏内はご近所です)
まだ怖い目には合っていませんが、何かが育っている。そんな感じのするスポットです。

石狩の花川地区には、防風林が多いです。
石狩湾からの海風や塩害の対策として、開拓初期から整備されてきたそうです。
本当の森のように深く広い防風林もあれば、幅10メートルほどで細長く続く緑地帯のような防風林もあります。
後記のタイプでも、中に人が入れるものと入れないものがあり、雰囲気も様々です。

この花川地区の防風林ではいくつかの怪異遭遇話もあり、現役の怪奇スポットと言えなくはないのですが、普通に住宅街を横切って存在しています。

防風林の両脇に、車1.5台分ぐらいの細めの道があり、それを隔てて家が並んでいる。
片側は人間の世界。
もう片側はもしかしたら異界とつながっているかもしれない森。
でも、この地区では昔からの景色です。


さて、紹介したい不思議スポットはこの防風林沿いの細めの道です。
車通りが少ないので自転車で走るにはちょうどいい道で、夏でも日陰ができるので散歩にもサイクリングにもちょうどいいんです。
ですが、時々ペダルが重くなる時があるんです。

自分の愛車はギアなしのママチャリ。
なので負荷が変わることはまずありえません。
道もほぼ平坦で負荷を感じるほどの斜度はないです。
しかも重くなる場所はその時々で違い、唯一の共通条件は防風林脇の道であるということだけ。

気持ちよく走っていると、突然荷物が積まれたような、急に後に飛び乗られた時のような(そこまで重くはないですが)感覚に襲われるのです。
振り返って確認するほど強烈ではないけれど、「アレ?」と思うぐらいの負荷をペダルに感じます。
そのまましばらく走り続けると、今度は唐突に軽くなります。

防風林での怪異遭遇談の中に、小人(コロボックル?)に会ったという話を聞いたことがあります。
もしかして、小人が猫バス代わりに使っているのかも?
そう思うとちょっと楽しいので、今も時々サイクリングに出かけています。

コロポックル


自転車がらみでもうひとつ、石狩手稲通沿いの三叉路の交差点の話。

石狩手稲通りは、賑やかな地区と閑散とした地区がまだらに入り混じって走っています。
この三叉路は畑が広がる閑散とした地区にある交差点です。

通学時間帯以外はあまり通る人もいないのですが、道路自体が大きいためか信号はそれなりに立っています。
日中は車の往来も激しいので時差式の信号。夜間は手押し式に変わります。

マップ

三叉路のTの字の上の部分は、下の道の両脇に渡れるように少し離れて二つの信号が立っています。
その中の片側で信号待ちをしようとブレーキをかけると、すぐ後ろから同じようにカラカラカラカラとペダルが空回りする音が聞こえます。

あー、他にも人が来たのかな

邪魔にならないようになるべく道路側に自転車を寄せて停止し、振り返る。
と誰もいない。

自分の出した音が響いて聞こえた?
いや、自分の自転車の音は別にちゃんと聞こえていた。
少し遠くの別の自転車がいて、その音が聞こえた?
見る限り、周りには誰もいない。

Tの字の上の線側は牧草地で、かなり遠くまで開けています。
下線側へ道路を渡ってすぐの部分は、上線と並行して防風林が走っています。
その向こうも高い建物はありません。
そもそも音を反響させるようなものが何もないのです。

そして音はすぐ近くで聞こえる。


何度か確認してみましたが、この音が聞こえるのはTの上線右側の信号部分だけ。

普段からあまり行くことのない信号ですが、代理猫バスとは違い出来ればあまり利用はしたくない感じです。

今はなるべく左側の信号を使うようにしています(時々うっかり右側に止まってしまいますが、やはりまだ聞こえます。


今宵は七夕

『なにかいいことありますように。  by 夏瓜』

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