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日本語教師が聞いた~日本人の理解できないところ「ありがとう」は冷たい言葉!?~

こんにちは。カブトムシの母です。

今回も日本語教師の経験から書いてみたいと思います。

今日は外国人から見た「日本や日本人の好きじゃないところ・理解できないところ」についてのお話です。

日本語の授業をしていると、授業や雑談の中で、日本や日本人についてネガティブなことを聞くこともあります。

もちろん、「日本が大好き」「日本人は優しい・親切」と、良い感情を持っている留学生がほとんどなので「あえて否定的なことを言うと…」という感じなのですが。

それを聞いて、「ああ、確かにね~」と納得することもあれば、「え、そうなの!?」と驚くこともあります。

私が一番びっくりしたのは

すぐ「ありがとう」と言う

でした。

え!?

確かに、日本人はよく「ありがとう」と感謝するけれど、それは良いこととして考えられています。

親しき仲にも礼儀あり

たとえ、親子や夫婦、親しい友人同士であっても、何かしてもらえば、小さいことでも「ありがとう」。

「感謝の心」は口に出さなければ伝わらないので、「ありがとう」を言うべきだと、小さいころから教えられます。

ところが、親しい仲なのに「ありがとう」と言うのは、他人行儀で仲が良くないみたいというようなことを言われたことがあります。

それを聞いたのは2回ほど。
どちらも中国の学生でした。

これは感謝の言葉を否定するということではなく「親しい仲なのに」「ちょっとしたことで」というところがポイント。

親しい関係なら、何かしてあげるのは当たり前なのに、それをわざわざ感謝するのは形式的で冷たいということのようです。

この辺は個人差がありそうなので、「中国人は親しい同士の『ありがとう』に否定的」とは言い切れませんが。

↑ 引き寄せの法則など、海外で書かれたスピリチュアル系の本にも感謝の重要性が語られているので、「ありがとう」をよく言うのは、日本独自の習慣ではないと思いますが、「ありがとう」に対して違和感を覚える人がいるなんて、考えたこともなかったので、ちょっと目からウロコでした。


それと似たような話で、「日本人はすぐに『すみません』と言う」は、確かにそうだなと思います。

いろいろな場面で使える便利な言葉ではありますが、感謝すべきところで「すみません」と言うのは、私も少し違和感があるので、できるだけ「ありがとう」を使うようにしています。


人間関係が冷たい

「日本人は人間関係が冷たい」というのもよく聞きます。

そんなことないよ~と思いますが、海外に出てみると、知らない人同士でも声をかけあったり、それほど親しくないのに家に招待してくれたり。

そういうのが当たり前の人達からすると、よほど親しい関係でない限り、一定の距離を取ろうとする(相手のプライバシーを重んじる?)日本人の人間関係は冷たく見えてしまうのかもしれません(もちろん、これも個人差があると思いますが)。


それから、あいさつにハグやキスをする国の人達にも、距離を取ってお辞儀だけする日本人の距離感は冷たく見えるようです。
(コロナの時は、非接触の日本のお辞儀は絶賛されていましたが。)

「ハグをしないで、どうやって愛情を表すことができるんですか?」と聞かれ、何と答えたらいいか困ったことがあります。

最近は、以前より、日本人同士でもハグする場面を見るようになりましたが、私自身はちょっと苦手です。

ちょっと脱線しますが、ハグやキスと言えば、昔、こんなことがありました。

日系のブラジル人やペルー人が多い日本語のボランティア教室で教えていたときのこと。

私はまだ20代だったので、同世代の彼らと仲良くなり、プライベートでもよく遊んでいました。

彼らのあいさつは頬をつけて左右にチュッチュッとするもの。

一緒につるんでいたブラジル留学経験のある女の子や、アルゼンチン帰りの元駐在員の男性は、ごく自然にそのあいさつをしていて、なんだかカッコいい!私もやってみたい!!と思い、一度、チャレンジしようとしました。

ところが、私がペルー人の友達の顔に近づこうとしたら、

お辞儀をされてしまいました!?

お互いが相手の文化を受け入れようとした悲しい結果…

なんだか恥ずかしくて、それ以来やってませんが…。

ハグについてはいい思い出もあります。

あるアルゼンチンの学生が「日本人の友達にハグをしようとしたら避けられて悲しかった」という異文化についてのスピーチをしました。

それを覚えていたので、数年後、その学生と再会したとき、思い切ってハグしたら、すごく喜んでもらえました。

それ以来、やっていませんが、同僚の先生たちはお別れの時などに、よく学生とハグしているので、私ももう少しスマートにハグできるようになりたいと思います。


同性同士で手をつないだり腕を組んだり

これも中国の学生から聞いた話ですが「日本人は友達と手をつないで歩かない」

確かに。

私が友達と最後に手をつないだのは小学校低学年?

なので、25年ほど前、中国にいたとき、女の子同士が手をつないで歩いていたり、男の子同士が肩を組んで歩いているのを見たりして、驚きました。

これは単に習慣の違いだと思うので、いいとか悪いとかいう問題ではないのですが、一度、中国人の女友達に突然手をつながれた時、「ぞわっ」と鳥肌が立ってしまったことを今でも覚えています。

頭で理解できていても、長年習慣として身についているものはすぐには変えられないと思いました。


割り勘文化

「人間関係が冷たい」根拠として挙げられる「割り勘」

主にアジアの国では、グループで食事に行くと誰か一人がまとめて払うことが多いようです。

割り勘に慣れている自分としては、割り勘の方が平等ですっきりしていいと思うのですが、それを「あなたとの関係はこれっきり」みたいな意味でとるお国もあるというのは興味深い。

ただ、最近ではアジアの国でも昔と違って割り勘をするようになったという話も聞くので一概には言えません。

また、割り勘は日本独自の文化というわけではないので、それを根拠に「日本人は冷たい」というのは何か違うと思いますが。

まとめ

以上、外国人が理解できないという日本や日本人のあれこれでした。

主に、あいさつや人間関係についての話でしたが、これ以外にも、サラリーマンは酔うと別人になるとか、就活の学生はみな同じ格好をするとか、いろいろあります。

「日本の常識は世界の非常識」であることを知るのは興味深く、グローバル社会で生きていく上でも大切なことかなと思います。

noterさんの中には海外で生活している方もいらっしゃるので、もっと面白いエピソードがあれば、ぜひ、聞いてみたいと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。



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