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クラロワリーグ | HANExHANE(ハネハネ)- 私のCRLベストゲーム

2019年10月3日、CRL Asia 2019 Season2 Week7の対Chaos Theory戦。
「ずっと1v1勝ててなくて、練習を重ねてやっと結果が出てとてもうれしかったです」


2021年、『クラロワリーグ』の仕組みが大きく変わって、3年間続いた”チーム戦”の歴史が終わり、全く新しい”個人戦”の年間大会が始まることになりました。新しいものは新しいもので楽しんでいくにしても、そうは言ってもさびしいなあ、という感情がファン的には残っています。

そこで、このタイミングで、3年間のプロリーグ団体戦の思い出だったり”CRLでのベストゲーム”だったりという共通のテーマで、プロ経験者の方々にお話をうかがってみたいと思いました。

第12回は、HANExHANE(ハネハネ)選手編です。

HANExHANE(ハネハネ) TwitterYouTube1YouTube2Mildom1Mildom2Mildom3
「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ(CRL)」で活躍した日本人プロ選手。日本のeスポーツチームDetonatioN Gamingに2019年の1年2シーズン在籍した。巨大スケルトンをシステムの中心に据えた自作デッキ”ハネハネデッキ”の使い手にして、日々新たなデッキを産み出し続けるデッキクリエイターとしても有名。
プロ選手引退後にYouTuberとしての活動を本格化させ、2020年からはFAV gamingのストリーマー部門として活動している。YouTuberドズル氏から引き継いだ「クラロワコロシアム」は彼の看板番組である。
2020年12月にはコント中心のサブチャンネルまで立ち上げてしまった。




1.プロリーグでチーム戦を闘ってきて

――クラロワリーグ(CRL)の仕組みが今年2021年に大きく変わって、3年間続いたチーム戦が終わり、個人戦の全く新しいフォーマットになりました。
プロチームに所属してリーグ戦を闘ってきたプロ経験者として、この大きな変更をどう受け止めていますか?

HANExHANE
チーム戦、とても好きでした。応援がしやすく、チームを背負った緊張感のある戦いは最高に面白かったです。

ただ、クラロワがそもそも1対1のゲームですので、個人戦に切り替わるのは仕方がないと思います。チーム戦だと出場機会が少ない選手が多く、もっとこの選手が見たい。と思うことが多かったです。

これからは本当に強い選手が観れるので楽しみです。

――プロチーム所属の経験者として、チーム戦と個人戦にはどのような違いがあると思いますか?

HANExHANE
共同生活などする必要がなく、チームの看板を背負う必要もなくなったので、とにかくクラロワが上手ければ結果を残せるのが個人戦だと思います。
予選は11回のデュエルでのBO3。確実に実力がでる、最高のルールです。

ただデュエルルールなので、いろんなデッキを使いこなせる人が勝ち上がります。僕は巨スケ1本だったので、とてもきついです笑
今、デッキ幅を増やすために練習しています!


――思い返せば、CRL初年度2018年はアジア3拠点を転戦、2019年は韓国開催で外国暮らし、2020年はコロナ禍のオンライン開催と、同じリーグ戦と言っても毎年コロコロ仕組みが変わる中で選手の皆さんはリーグを闘ってきました。
プロ選手だった2019年をふりかえってみて、あれは特に大変だったなーという思い出や、逆にあれは最高に楽しかったなという思い出はありますか?

HANExHANE
共同生活は、思った以上に大変でした。負けこんでも、逃げ場がない。常に人がいる環境では気が休まりづらかったです。

韓国での生活中、近所の裏山で筋トレするのが楽しかったです。運動はゲームでも重要なので、メンバーを連れてって毎朝運動していました。

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(「プロゲーマーの1日!DNGクラロワ部門に密着!!」)


――プロリーグの団体戦を長期間のシーズンにわたって行っていくと、練習などでチームメイトと過ごす時間は非常に長くなります。また、対戦相手とも試合会場などで何度も顔を合わせるため、敵でありつつ好敵手のような存在になっていったのではないかと思います。
一番印象に残っているプレイヤーをチームメイトから1人、対戦相手から1人挙げるとすればどの選手になるでしょうか?

HANExHANE
れいや君が、チーム内でも才能の面で圧倒的でした。

反射神経や、すぐに使いこなせるようになる器用さ、素晴らしかったです。長く過ごす間に、メンタル面もとても成長したと思います。

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HANExHANE
違うチームだと、Line選手が印象的でした。

会場外だとかわいらしくあいさつしてくれるのですが、試合中は常に堂々としていて、緊張感なくいつも通りのプレイを淡々とこなしていて、本番に強い選手だなと思いました。

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◆ ◆

2.私のCRLベストゲーム

――HANExHANE選手が出場したCRLの試合の中から、一番印象に残っている”ベストゲーム”を選ぶとしたら、いつのどの試合になりますか?

HANExHANE
Carrollus選手に勝った試合ですね。

――2019年10月3日、CRL Asia 2019 Season2 Week7の対Chaos Theory戦ですね。HANExHANE選手にとって、待望の1v1セットでの初勝利でした。

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――あの試合を”ベストゲーム”に選んだ理由をおしえてください。

HANExHANE
ずっと1v1勝ててなくて、練習を重ねてやっと結果が出てとてもうれしかったです。

勝った時、iAmJP選手(当時KIX)のマネをしてバモスと叫びました。


――あの試合に臨むにあたってプロとしてどんな準備をされたのか、おしえてください。

HANExHANE
自分の弱点をついてくるなら、このデッキを使ってくる。
それを想定してメンバーに苦手なデッキを相手してもらっていました。

本当に1日中。

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――試合本番のことをくわしく教えてください。試合中はどんなことを考えていましたか? 勝敗を分けた要因は何だったのでしょうか?

HANExHANE
負けこんだときは、次負けたらまずい。そう思って、負の連鎖でした。

けど、しっかり練習して、運動して、瞑想して、メンタル面を落ち着けて戦って、結果が出てきました。

――対戦相手のChaos Theoryと言えばエースBenZer選手のチームでしたが、あの日は1v1にCarrollus選手が出てきました。予想外ではありませんでしたか? 対策は大丈夫でしたか?

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HANExHANE
れいや君が出る予定だったのですが、体調的にきつく、2日前に僕が出場することが決まったんです。

2日間、ベンザー選手だけの対策をしていましたので、とても驚きました。なのでCarrollus選手への対策は0でした。

――そういう状況だったのですか!


――Game1は、HANExHANE選手がゴブジャイスパーキー、Carrollus選手が変則的なバルーンオーブンデッキ。序盤から苦しい展開で0-1となりましたが、HANExHANE選手のスパーキーを囲んでくる相手のバーバリアンに、読みのファイアボールを決めて1-1に追いつきました。あのファイボは気持ちよかったのではないですか?

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HANExHANE
序盤で大きなミスをしてしまいました。ただ割と冷静で、確実に最善のプレイをしていった結果、逆転できました。

読みファイボは、少しギャンブルでもありましたが、決まってとても気持ちよかったです笑


――Game1の後、相手チームがタイムアウトを取り、DNGはLewis監督とピラメキ選手がセコンドに出てきました。喜びも早々に真剣な顔で相談をしていましたが、どんな話をしたか覚えていますか?

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HANExHANE
「次、巨スケスケラで行かない?」とルイス監督にもちかけられました。

あの時の巨スケスケラは、空には絶対勝てないデッキでした。ただ、1戦目でバルーンに逆転勝ちしたことにより、相手は空ではなく得意デッキのロイジャイの線が高い。
そう言われ、確かにそうだなと思い、ハネハネデッキから、ロイジャイに確実に勝てるスケラにチェンジしました。

監督の読み通りで、勝ち切ることができました。

――いい話をお聞きできました。Lewis監督かっこよすぎです。


――Game2は、ハネハネスケラ対オーブンロイジャイ。互いのデッキが見えていない段階で相手がキング後ろから出してきたトリトンに橋前巨大スケルトンを引っ張らせたプレイが大きすぎました。巨スケを見た瞬間相手も顔を横に振っていましたが、気持ちはよく分かります。
今では常識となっているプレイですが、当時はトリトンが出て日が浅かったころです(※2019年8月に正式リリースされて約2カ月)。あれは狙っていたプレイだったのでしょうか?

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HANExHANE
狙っていました。
後ろに出されたとき、にやけてしまいました笑

当時プロのみんな、あの知識は頭の片隅には入っていたと思います。
ただ、巨スケを使う人が当時ほぼいなく(1v1では僕しか使っていませんでした)、トリトンをキング後ろに出してしまう人が多かったです。

――巨スケを使い続けて結果がなかなか出せなかったHANExHANE選手が、それでも巨スケを使い続けて遂に勝利という結果に結びつけた、という意地やプロ根性があのシーンに集約されている気がして・・・。ライブ観戦していて、胸にグッときたのを覚えています。

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3.プロ選手経験から得たもの

――ここからは、プロ選手経験で得たものについてお聞きしていきたいと思います。

HANExHANE
頑張っても報われないことがあること。
正しい努力が必要。
運にも左右される。

それでも、応援してくれるファンの方がいると力になり、頑張れました。
ファンの方の大切さをすごく学びました。

――「eスポーツ」という言葉が新語・流行語大賞のトップ10に入ったのは2018年のことで、男子中学生のなりたい職業2位が「プロeスポーツプレイヤー」になったのは2019年のことです。CRLはクラロワにとって初のプロリーグでしたが、そもそも日本ではプロゲーマーという存在自体が黎明期で今も発展途上のあたらしい職業です。
そんな「プロゲーマー・eスポーツ選手」を実際に経験してみて、なる前の予想通りだったことと、予想と違っていたことを挙げるとすれば、どんなことでしょうか?

HANExHANE
相手の対策、2v2、自分のやりたくないことの練習のほうが多かったです。

結果が出ないときの苦しさも、予想の何倍もありました。


――プロとしての活動には、公式戦や試合に向けた練習はもちろん、写真撮影や取材対応に、チームの動画撮影やイベント参加なども含まれ、多岐にわたり忙しかったことと思います。
プロ選手としてのありとあらゆる活動の中で、「今、自分はプロゲーマーをやっている!」ともっとも実感できたのはどんなときでしたか?

HANExHANE
試合会場で、戦っているときです。あの会場での緊張感は、一生味わうことはないと思います。

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――プロとアマチュアの大きな違いの1つは、注目度の大きさとファンの存在だと思います。HANExHANE選手にとってファンとはどういう存在でしたか?

HANExHANE
心の支えでした。

――プロとして活動していくということは常に結果を突き付けられることでもあるので、緊張感や重圧は大きいでしょうし、結果のよしあしによって周りの評価が180度かわるようなアップダウンも激しかったことと思います。
難しい状況や苦しい時に心がけていたことや、何が支えになって乗り越えることができたのか、おしえてください。

HANExHANE
運動と瞑想を毎日して、メンタルを安定させていました。


――最後の質問です。「プロゲーマー・eスポーツ選手」としての冒険で持ち帰ることができた”宝”や、この経験から得られたものがあるとすれば、HANExHANE選手の場合、それは何でしょうか?

HANExHANE
どんな苦しい状況でも、いつかは抜け出せるという感覚。

プロの経験をして、これから何事も乗り越えていけると思いました。

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――さいごに読者の方へのメッセージや、メインチャンネル以外の活動、「クラロワコロシアム」や「コントチャンネル」での目標や抱負がありましたら。

HANExHANE
クラコロをずっと続いていく番組にすること。
コントチャンネルを今年バズらせること。

この2つが目標です! よろしくお願いします!

▽クラロワコロシアム(Mildom)

▽ハネハネ【コントチャンネル】(YouTube)


――本日はありがとうございました! ■

【取材日:2021年3月15日。DMでのやりとりをインタビュー形式に編集】


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

+ Information

HANExHANE(ハネハネ) 
・CRL: DetonatioN Gaming(2019)
・Clan: CLUB.C.S.C
・Best Trophies: 8092 
・Best Season: 111th (2019/12)
・Titles: 「Red Bull M.E.O. by ESL 2018」日本大会 準優勝、「8000最強決定戦」ベスト4
・SNS: TwitterYouTube1YouTube2Mildom1Mildom2Mildom3


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Good game!


+ 追記:その後のハネハネさん(2023年9月)

元々クラロワ動画でも物真似やコントなどのお笑い要素をふんだんに盛り込んでいたHANExHANE選手でしたが、2020年12月に立ち上げたコントチャンネルにて、その方向性で全力投球を開始します。台本から複数キャラクターの演じ分け、動画編集までのすべてを1人でこなすマルチぶりで、コンスタントにコントを発信し続け、チャンネルは急成長中。今やコントのハネハネさんとしての知名度がプロゲーマー時代のそれを上回っています。

結果ではなく成長を志向する目線であったり、人に何と言われようと自分がやると決めたことを徹底的にやり通す姿勢に、尊敬の念を禁じえません。

▽2022年9月28日、登録者50万人突破

▽2023年9月9日、登録者100万人突破


そのまま我が道を突き進んでいってください!

Congratulations!!


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