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クラロワリーグ | CRL Asia | 2019-S1 | 緊急特集:タイブレーカー急増の謎

遂に開幕した『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ アジア」(Clash Royale League Asia, CRL Asia) 2019 Season 1 もWeek2まで終了しました。当noteの連載「週刊クラロワリーグアジア」は明日(火曜)と明後日(水曜)にアップ予定ですが、今日は臨時の緊急コラムを1本。テーマは「2019シーズン急増中のタイブレーカー」についてです。
よろしくお願いします。

タイブレーカールール(Tie Breaker Rule)とは

まずは、タイブレーカールール(Tie Breaker Rule)についておさらいから。

タイブレーカールール(Tie Breaker Rule, TB)とは、”引分け時でも白黒の決着をつけるルール”のことで、CRLでは「6分間(通常3分+延長3分)戦って引分けになった時に、より少ないHPのタワーを持っていたプレイヤーの負け」という規則で運用されている。

CRL Asia では、2018年Season1、2018年Season2、2019年Season1と少しづつTB適用の範囲が変更されてきた。
2018 S1には、「各Setで3Game終わって決着がつかなかった場合のみ第4GameをTB適用で行う」というルールだった。2018 S2にはそれが「1,2SetではS1と同様。しかし、3Set(KOH)では全GameにTBを適用する」と改められ、2019 S1(今季)はついに「全Set全GameでTBを適用する」となった。今季のCRL Asiaに”引分け”の文字は存在しない。


Tie Breaker 急増中!

”昨季よりTBの適用範囲が増えたのだからTBが増えて当然ではないか?”と思われるのは自然なことだ。私もそう思った。だが、この表を見てほしい。

表中の「D+T」は引分け(D)とTBのGame数を合算したものだ。2018 S1 RS (レギュラーシーズン)も2018 S2 RSも総Game数に対する割合は約1.0%前後だ。しかし、今季2019 S1はまだWeek1とWeek2が消化されただけにもかかわらず、数にして8、割合にして約6.0%と急増しているのだ。

これは、サンプル数が少ないことによる単なる偏りなのだろうか? それとも、今季のCRL Asiaの戦いに”何らかの異変”が起こっているのだろうか?


Tie Breaker - CRL Asia 2019 S1 W1-W2

ということで、今季2019年 Season1 Week1,2でTB決着となった8つのGameを点検していく。該当Gameの「Match Over !」画面を8連続でどうぞ。タワーHPなどのこまかい数字は次項で確認するので、ここではざざっと雰囲気を掴んでほしい。

Week1 Match1 Set2 Game3

Week1 Match5 Set2 Game1

Week1 Match5 Set3 Game5

Week1 Match6 Set3 Game1

Week2 Match10 Set3 Game2

Week2 Match15 Set2 Game2

Week2 Match16 Set3 Game2

Week2 Match17 Set2 Game3


Tie Breaker - 考察

今季2019年 Season1 Week1,2でTB決着となった8つのGameを表にまとめたのがこちら。表中「Memo」の時刻はJP中継のアーカイブでチェックするときの参考にしてほしい。
筆者が気になったことは、つぎの2点。

日本選手のTB Loseが多い

TB決着8戦中6敗が日本選手である。(うち日本選手同士の1戦含む)。なんとTB決着で勝利した日本選手はMatch5RADのみ。Asia全体のレベルが上がり僅差の試合が増えたとはいえ、これは偏りすぎではないか? 

これは推測だが、今季のTBルール適応策として海外勢は「このゲームでは無理にタワーを落とそうとせずTB勝利を目指そう」と割り切るタイミングが早いのではないだろうか? 日本選手はその切り替えが(比較すれば)遅く、あくまでタワー勝負を狙っていくものの勝ち切れず…という展開が多いように思う。この辺りの判断は従来のマルチやチャレンジとは違うものが求められるため、”言うは易し行うは難し”ではあるけれど。

合計HPで勝りながら敗北するケースもある

TB決着8戦中3戦では、削ったタワーHPの合計では勝りながらも「最小HPのタワー」が自分であったため負けたケースがあった。上表のCase1,2,4がそれだ。

・Case1 枯渇プリンス vs ロイジャイランバー[win]
・Case2 遅延ロイジャイ[win] vs 巨スケゴブ小屋オーブン
・Case4 枯渇アウトロープリンス[win] vs メガナイト枯渇

Case1,2で思うのは、小型デッキで大型デッキに対する時の定石は”両サイドに攻撃を散らしてカタチを作らせないこと”だが、落としきれない場合TB適用では不利になる場合があるということだ。5/6に行われるバランス調整で環境も変わるので、そことの兼ね合いもあるが、TBを見据えて、大型デッキ(片側のタワーにダメージを集中できる)の採用や、攻撃スペル(4コス以上orクエイク。最終盤のタワー削り手段)の採用が増えそうな気がする。

結論:意識し過ぎは良くないが何らかの対策は必要

2019 S1 W1,2のTB率が「8/138」で約6%と前節に書いた。しかし今節で確認したように、その8件がすべて1v1,KOHであったことを考えると、2v2を除いた1v1,KOHで「8/92」の約9%起こっていると捉えた方が適切かもしれない。10回に1回発生しうるなら、これは「滅多に起こらないケースだから気にしなくてよい」という訳にはいかない。何らかの対策は必要だろう。
ただ、それを気にしすぎるあまり、通常プレイに影響が出てしまっては本末転倒である。当たり前のことで恐縮だが、やはりバランスが重要だ。

今後のCRL Asia 2019 S1において、TB決着は今後も多いのか? 日本選手はTBで勝ち切れるのか? は1つの観戦ポイントになりそうだ。筆者も注目していきたい。


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League Information

クラロワリーグ アジア Clash Royale League Asia, CRL Asia
Official HP(JP/EN/CN/KR)
https://crl-asia.com/jp/
Youtube(JP)
https://www.youtube.com/channel/UCtECyE5fuzAqMi1zNLnttIg/featured
Youtube(EN)
https://www.youtube.com/channel/UC93yASowKvnrUpvWsCe4F7A/featured
Youtube(CN)
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Youtube(KR)
https://www.youtube.com/channel/UCHckjM64zrnMdB-D8cvuPew/featured
▼ クラロワリーグ | CRL Asia | 2019-S1 | 観戦ガイド
https://note.mu/kabutom/n/n7a6bf71a64c1

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