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クラロワリーグ | Lewis(ルイス)- 私のCRLベストゲーム

2018年5月6日、CRL Asia 2018 Season1 Week2の対GameWith戦。
「ようやく土俵に立てた、と感じました」


2021年の『クラロワリーグ』は仕組みが大きく変わって、3年間続いた”チーム戦”の歴史が終わり、全く新しい”個人戦”の年間大会になりました。そこで、プロ選手経験者の方々の協力を得て、3年間のプロリーグ団体戦の思い出だったり”CRLでのベストゲーム”だったりという共通のテーマでインタビューをさせていただきました。

第13回は最終回、Lewis(ルイス)選手兼監督編です。

(Lewisさんからは2月に回答を頂いていたのですが、筆者の都合で原稿化が遅れてしまっていました。申し訳ありません! きおきおさん主催の『勝手にクラロワリーグ同窓会』(9月3日)が近づくこのタイミングで記事公開させていただくことにしました。)

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Lewis(ルイス) Twitter & Smashlog
「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ(CRL)」で活躍した日本人プロ選手。クラロワ黎明期にプレイヤー名”ROYCE”で名を馳せたが、プロ入りを機に大人の事情で”Lewis”と改名した。
日本のeスポーツチームDetonatioN Gamingに2018年~2019年の2年4シーズン在籍。2018年は選手権監督、2019年シーズン2は専任監督も務めた。眼鏡をかけた知的な印象そのままに、”チームの頭脳”としてなくてはならない存在となった。
横浜っ子だけにプロ野球では大のベイスターズ ファン。YouTuberきおきおさんの幼なじみとしても知られる。




1.プロリーグでチーム戦を闘ってきて

――クラロワリーグ(CRL)の仕組みが今年2021年に大きく変わって、3年間続いたチーム戦が終わり、個人戦の全く新しいフォーマットになりました。
プロチームに所属してリーグ戦を闘ってきたプロ経験者として、この大きな変更をどう受け止めていますか?

Lewis
うーん。正直新しいフォーマットがどのようなものか詳しく知らないので、答えかねます。

――プロチーム所属の経験者として、チーム戦と個人戦にはどのような違いがあると思いますか? 

Lewis
チームや裏方のサポートがなくなるということで、選手の負担というのは増すと思います。

その中で、アナリスト等のサポートを受けられる選手(例えば、tightさんがアナリストになったPandora選手など)は、他の選手よりもかなり有利になると思います。


――思い返せば、CRL初年度2018年はアジア3拠点を転戦、2019年は韓国開催で外国暮らし、2020年はオンライン開催と、同じリーグ戦と言っても毎年コロコロ仕組みが変わる中で選手の皆さんはリーグを闘ってきました。
いまふりかえってみて、あれは特に大変だったなーという思い出や、逆にあれは最高に楽しかったなという思い出はありますか?

Lewis
結果を求められる試合の負けが込んだ時はとても苦しい時間でしたし、その対策を練って勝利した時はこの上なく嬉しかったです。

――プロリーグの団体戦を長期間のシーズンにわたって行っていくと、練習などでチームメイトと過ごす時間は非常に長くなります。また、対戦相手とも試合会場などで何度も顔を合わせるため、敵でありつつ好敵手のような存在になっていったのではないかと思います。
一番印象に残っているプレイヤーをチームメイトから1人、対戦相手から1人挙げるとすればどの選手になるでしょうか?

Lewis
チーム内ではれいや選手、他チームではMaluntin選手です。

Lewis
KIXとは幾度もスクリムをしており、Maluntin選手とは2v2に関して議論を交わしたり、オフの日に韓国で天丼を食べに行ったりしました。

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――Lewis選手は、2年間4シーズンをDetonatioN Gamingでプロ選手活動されました。選手だけでなく、監督・コーチや他部門の選手、裏方さんをひっくるめた「DetonatioN Gaming」というプロチームは、あなたにとってどういう場所でしたか?

Lewis
デトネは、私がプロとして活動するきっかけをくれたチームですし、プロゲーマーを経験したことでゲーム業界を志すようになりました。

そういう意味で、デトネは私にとって人生の転機となる経験をもたらしてくれました。


◆ ◆

2.私のCRLベストゲーム(選手編)

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――Lewis選手が出場したCRLの試合の中から、一番印象に残っている”ベストゲーム”を選ぶなら、いつのどの試合になりますか?

Lewis
2018年シーズンの3戦目、対GameWith戦です。

――2018年5月6日、CRL Asia 2018 Season1 Week2の対GameWith戦ですね。日程の関係でPONOS戦(0-2負け)直後の同日連戦という、なかなか難しい試合でした。にもかかわらず、Lewis選手はkoo選手とのペアでSet2の2v2に出場しGameWithのアマテラス・ユイヒイロ組に見事勝利しました。

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――あの試合をベストゲームに選んだ理由をおしえてください。

Lewis
リーグ開幕当初チームの方針が定まらない中、初めて試合に勝ち今後の勝ちパターンが定まった試合だったからです。

――あの試合に臨むにあたって、プロとしてどんな準備をされたのですか?

Lewis
当時私たちが重要視していたのが2v2で、開幕2戦は様々なペアを試してみましたが上手く行きませんでした。

当時2vのメタが重量級デッキだったので、当初1v1で出すことを考えていたkoo選手を2v2担当にし、私とペアを組むことで初めて2v2勝利、そして試合に勝つことができました。

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――コンビを組んだkoo選手は重量級のゴーレム使いの中でも特に攻撃重視(捨ての戦術)が特長の選手でした。koo選手がゴレを握って攻撃担当し、Lewis選手が防衛やサポートに回るようなコンビネーションが絶妙でした。


――試合本番のことをくわしく教えてください。試合中はどんなことを考えていましたか? 勝敗を分けた要因は何だったのでしょうか?

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(動画:「クラロワリーグ アジア Week2 Day3」2018 S1)

Lewis
特別な事は考えていませんでした。

練習は様々な事態を想定して行う事を意識していたので、練習で行った事を信じ、むしろ難しい事は考えず自然体を意識しました。


――試合に勝った時の気持ちを覚えていますか?

Lewis
開幕2連戦を落としていただけに、その勝利は特別なものがありました。

ようやく土俵に立てた、と感じました

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クラロワ公式Twitter

――試合前の時点で2勝0敗のGameWithと、0勝2敗のDetonatioN Gamingの対戦でしたから、デトネが勝ったことで「これでリーグが俄然面白くなったぞ!」と思ったのをよく覚えています。


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3.私のCRLベストゲーム(監督編)

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――Lewis選手は1年目は選手権監督、2年目はチーム内でアナリスト的役割も兼任とマルチに忙しく活躍されました。
選手としてでなく、監督やアナリストとしての”ベストゲーム”を挙げるとすれば、いつのどの試合になるでしょうか?

Lewis
2019年シーズン2のKZ戦、れいや選手vsNuri選手の試合です。

――2019年9月22日、CRL Asia 2019 Season2 Week5 MatchA-18のDragonX戦ですね。

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――あの試合を選んだ理由を教えてください。

Lewis
れいや選手の得意デッキがロイジャイデッキということで、日頃から「相手のロイジャイ対策デッキを対策する」という事を考えていました。

この試合は、その成果が出た試合だったと思います。

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――この試合は、試合会場への入場時にスタメンのれいや選手の姿がなく、のちに体調不良だったとお聞きしました。監督としてアクシデントをフォローしながらの試合という大変さもありつつの貴重な勝利でしたね。


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4.プロ選手経験から得たもの

――「eスポーツ」という言葉が新語・流行語大賞のトップ10に入ったのは2018年のことで、男子中学生のなりたい職業2位が「プロeスポーツプレイヤー」になったのは2019年のことです。CRLはクラロワにとって初のプロリーグでしたが、そもそも日本ではプロゲーマーという存在自体が黎明期で今も発展途上のあたらしい職業です。
そんな「プロゲーマー・eスポーツ選手」を実際に経験してみて、なる前の予想通りだったことや、予想と違っていたことを挙げるとすれば、どんなことでしょうか?

Lewis
うーん、答えるのが難しいです。

正直未知の世界だったので、ブロゲーマーがどのような職業かといった予想は特にしていませんでした。

――プロとしての活動には、公式戦や試合に向けた練習はもちろん、写真撮影や取材対応に、チームの動画撮影やイベント参加なども含まれ、多岐にわたり忙しかったことと思います。
プロ選手としてのありとあらゆる活動の中で、「今、自分はプロゲーマーをやっている!」ともっとも実感できたのはどんなときでしたか? 

Lewis
クラロワプレイヤーの方たちから「プロゲーマー」として認識されているのを実感した時です。

やはりそういった扱いを受ける度に「しっかりしなくてはいけない」という意識になりましたし、時には息苦しさを感じることもありました。

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――プロとアマチュアの大きな違いの1つは、注目度の大きさとファンの存在だと思います。Lewis選手にとってファンとはどういう存在でしたか?

Lewis
デトネは最後まで優勝争いをすることは出来なかったのですが、それにも関わらず沢山の方々に応援して頂くことができました。

やはりその存在は大きな支えになりまし、試合へのモチベーションにもなりました。

――プロとして活動していくということは常に結果を突き付けられることでもあるので、緊張感や重圧は大きいでしょうし、結果のよしあしによって周りの評価が180度かわるようなアップダウンも激しかったことと思います。
難しい状況や苦しい時に心がけていたことや、何が支えになって乗り越えることができたのか、おしえてください。

Lewis
プロゲーマーとして1日の大部分をクラロワに費やすなかで、自身の趣味に没頭できる時間を大切にしていました。
私にとってそれが読書や配信者の配信を観ることでした。


――最後の質問です。「プロゲーマー・eスポーツ選手」としての冒険で持ち帰ることができた”宝”や、この経験から得られたものがあるとすれば、Lewis選手の場合、それは何でしょうか?

Lewis
結果を出さなければいけないプレッシャーの中で活動した事だと考えています。

将来、社会人として何度もそういった状況で仕事をしなければならないと思いますが、学生では得がたい経験であったと思っています。

――本日はありがとうございました!■

【取材日:2021年2月28日。DMでのやりとりをインタビュー形式に編集。】【その後のLewisさんですが、2021年4月にゲーム関係の会社に就職。新人サラリーマンとして多忙な毎日を過ごされているそうです。】



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+ Information

Lewis(ルイス) 
※旧名: ROYCE(ロイス) 

・CRL: DetonatioN Gaming(2018-2019)
・Clan: トレジャーハンター
・Best Trophies: 7570 
・Best Season: 49th (2019/02)
・Titles: 「第1回最強クラン決定戦2016」準優勝、”ROYCE(ロイス)デッキ”の生みの親
・SNS: Twitter & Smashlog


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Good game!



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