クラロワリーグ | CRL2022 | ゴールドチケット大会③ Snapdragon Pro Series (ESL)とは?
世界6地域、モバイルゲーム8タイトルの国際eスポーツ大会「Snapdragon Pro Series」(ESL)。そのうち、ヨーロッパのクラロワ部門だけがゴルチケ大会に選ばれました。日本を含むアジアでは、そもそもクラロワ部門の開催自体がありません……
「日本に関係ない大会か―」と読者さんがこのページを去っていくのを幻視しますが、まあそこはしょうがないです。今回は、マニアックなCRLファンに向けて、大掛かりなうえに少し複雑なこの大会を解説していきます。
Snapdragon Pro Series (ESL)の全体像
Snapdragon Pro Seriesとは?
「Snapdragon Pro Series」(スナップドラゴン・プロ・シリーズ)とは、ESLが主催する”世界最大規模のマルチジャンル・モバイルesports大会”のことです。「Snapdragon」とは、冠スポンサーであるQualcomm社(アメリカ)のモバイルSoCシリーズのブランド名です。(あなたがAndroidユーザーなら、そのスマホの中にSnapdragonが入っているかもしれません)
”世界最大規模”と自ら謳うだけあって、世界6地域、モバイルゲーム8タイトルという守備範囲の広さが今大会の特徴。大会全体での賞金総額は、200万ドル(約2.5億円)です。高額は高額なのですが、1タイトル当たりに割っていくと”そこそこ”の規模と言えるでしょうか。
ESLとは?
「ESL」(Electronic Sports League)は、世界中に拠点を持ち国際的なeスポーツ大会を多数手掛ける、世界最大級のeスポーツ団体です。2000年にドイツでスタートしました。主な主催大会に「ESL One」「Intel Extreme Masters」などがあります。その他、「ESL Play」というeスポーツプラットフォームの提供などもしています。
「クラッシュ・ロワイヤル」(クラロワ)関連ですと、2018年にRed Bullと組んで「Red Bull M.E.O. by ESL」という非公式国際大会を開催した実績があります。(kota選手が日本代表としてドイツへ行った大会です)
翌年「Red Bull M.E.O.」の次シーズンで、Red BullはパートナーをFACEITに切り替えました。そして、ESLはESLで新たな大会「ESL Moble Open」を立ち上げ、モバイル分野のeスポーツを開拓し続けて現在に至ります。
今回の「Snapdragon Pro Series」は、この「ESL Moble Open」がグレードアップした位置づけの国際大会と言えるでしょう。
モバイルゲーム、8タイトルを採用
「Snapdragon Pro Series」の採用タイトルは、8つのモバイルゲームです。
Brawl Stars(ブロスタ)
Clash of Clans(クラッシュ・オブ・クラン)
Free Fire
League of Legends: Wild Rift
PUBG Mobile
Clash Royale(クラッシュ・ロワイヤル)
Asphalt 9
Legends of Runeterra
Supercell社からは、前身大会「ESL Moble Open」のときとおなじく、「ブロスタ」「クラクラ」「クラロワ」の3タイトルが採用されています。
世界6地域で展開
「Snapdragon Pro Series」は世界6地域で展開されます。(大会ページなどを見ていくとEURとMENAはセット扱いなので、”世界5地域”と呼んだ方がしっくり来る気もしますが)
North America (北アメリカ、NA)
Europe (ヨーロッパ、EUR)
the Middle-East & North Africa (中東・北アフリカ、MENA)
Asia-Pacific (アジア太平洋、APAC)
China(中国)
India(インド)
地域ごとの採用タイトル
そして、地域ごとに大会が開催されるゲームタイトルに違いがあります。(中国とインドについては執筆時点では情報が出てませんでした)
クラロワ部門の大会は、NAとEUR & MENAの2地域で採用されます。そして、なぜかEUR & MENAだけが「ゴールドチケット大会」(クラロワリーグ2022の世界大会出場権がかかった大会)となりました。なぜなのか……
▽NA地域
Brawl Stars
Clash of Clans
PUBG Mobile
Clash Royale
Asphalt 9
Brawl Stars
Clash of Clans
PUBG Mobile
Clash Royale
Asphalt 9
Brawl Stars
Free Fire
League of Legends: Wild Rift
Legends of Runeterra
【疑問】ゴルチケ大会は、EUR & MENAだけ。WHY?!
要するに、日本を含むAPACでは、そもそもクラロワ部門の開催自体がないということです。非常に残念、そして不可解!
(さらに言うなら、そもそもこの国際大会の開催地域に全く含まれてもいない、アジア以上にかわいそうな中南米(LATAM)という地域もあります。彼らのことも忘れないで上げてください)
僕含め「CRL2022のゴールドチケット大会は8つとも世界中から参加できるものだ」と思っていた人は多いはずですが、今回の発表でそれが間違いだと判明した訳です。この点についての説明は足りていないように思います。
こうなると当然、「じゃあ、どの地域で何回参加できるの?」という疑問が出てきますが、それに対しCRL公式Twitterは『今後、地域ごとに1つずつ発表し、全地域をカバーする予定です』と回答しています。うーん、分かったような分からないような……
今後もゴルチケ大会は直前まで明かされず小出しに情報公開されていくのでしょう。しかし、サプライズと盛り上げを仕掛けたいのであろう公式サイドと、早く知らせてもらってスケジュールを立てて計画的に準備をしたいプレイヤー側との間にミスマッチが生まれているように見えて仕方ありません。少し残念です。
Snapdragon Pro Series (ESL) クラロワ部門
ここからは、「Snapdragon Pro Series」(クラロワ部門)がいかなる大会なのか、その概要を見ていきましょう。
対象地域
繰り返しになりますが、「Snapdragon Pro Series」(クラロワ部門)が開催されるのは、NA(北米)とEUR & MENA(欧州中東アフリカ)の2地域です。日本含むアジアや中南米は、対象外となっています。
大会フォーマット
「Snapdragon Pro Series」(クラロワ部門)は、2つのフェーズ+αで構成されています。
オープン予選/OPEN CUPS
オープン決勝/OPEN FINALS
ゴールドチケット決勝/FILTER TOURNAMENT
▽NA地域
NA地域では、「オープン予選+オープン決勝」の形式で行われます。こちらにはゴルチケを賭けた決勝はありません。
▽EUR & MENA地域
一方、EUR & MENA地域では、「オープン予選+オープン決勝+ゴルチケ決勝」の形式で行われます。2度のオープン決勝で上位入賞したプレイヤーたちが、クラロワリーグ2021のゴールドチケット1枚を求めて直接対決する流れです。
1. オープン予選/OPEN CUPS
「Snapdragon Pro Series」(クラロワ部門)のオープン予選は、デュエルBO3のシングルエリミ大会です。3週間の間に6回開催されます。決勝進出できるのは、優勝者6人と獲得ポイント上位10人、計16人の選手たちです。
Phase 1. オープン予選/OPEN CUPS
形式:シングルエリミネーション方式トーナメント x 6回
試合:デュエル BO3
条件:優勝者6名とポイント上位10名(計16名)が決勝へ
主催がESLですから、大会プラットフォームはもちろんESL Playです。
▽ポイント制
予選各大会の順位に応じて獲得できるポイントは以下の通りです。優勝者はその時点で決勝進出が確定します。
▽NA地域の日程
▽EUR & MENA地域の日程
2. オープン決勝/OPEN FINALS
「Snapdragon Pro Series」(クラロワ部門)のオープン決勝は、デュエルBO3のシングルエリミ大会です。NA地域の場合、ここが最終決戦です。EUR & MENA地域の場合は、上位4選手がこの先のステージに進出できます。
Phase 2. オープン決勝/OPEN FINALS
形式:16人シングルエリミネーション方式トーナメント
試合:デュエル BO3
▽NA地域の日程
Season 1 - Split 1
Final 1: 5月12日
Season 1 - Split 2
Final 2: 6月9日
▽EUR & MENA地域の日程
Season 1 - Split 1
Final 1: 5月21日
Season 1 - Split 2
Final 2: 6月18日
EX. ゴールドチケット決勝/FILTER TOURNAMENT
EUR & MENA地域の「Snapdragon Pro Series」(クラロワ部門)では、最後にゴールドチケットを賭けた闘いが待っています。2度のオープン決勝で上位入賞したプレイヤーたち(4+4の計8名)が雌雄を決します。
Phase 3. ゴールドチケット決勝/FILTER TOURNAMENT
形式:8人シングルエリミネーション方式トーナメント
試合:デュエル BO3
最近のクラロワ競技シーンでは最終ステージにダブルエリミネーション方式(敗者復活方式)が採用されることが増えてきましたので、今大会で「負けたら終わり」のシングルエリミ方式が採用されたのは一周回って新鮮な印象を受けます。
シングルエリミは”番狂わせが起こりやすい”大会形式とも言われています。果たして今大会ではどうなるでしょうか?
▽EUR & MENA地域の日程
EUR & MENA - Filter tournament
7月18日
配信情報
オープン予選の配信はありません。
オープン決勝は、大会公式チャンネル(英語)で配信されます。
オープン決勝は、各国言語のストリーマーからも配信されます。
▽大会公式チャンネル(英語)
▽各国言語のストリーマー
賞金プール
「Snapdragon Pro Series」(クラロワ部門)では、NA地域の賞金総額が20,000 USD、EUR & MENA地域の賞金総額が60,000 USDです。その内訳は以下のようになってます。
▽NA地域の賞金
NA - Open Finals - Season 1
1st: $4000
2nd: $2000
3rd-4th: $1000
5th-8th: $500
NA - Open Finals - Season 2
1st: $4000
2nd: $2000
3rd-4th: $1000
5th-8th: $500
▽EUR & MENA地域の賞金
EUR & MENA - Open Finals - Season 1
1st: $9000
2nd: $4000
3rd-4th: $2000
5th-8th: $1000
9th-16th: $500
EUR & MENA - Filter tournament - Season 1
1st: $4000 + Golden Ticket for CRL 2022
2nd: $2000
3rd-4th: $1000
5th-8th: $500
EUR & MENA - Open Finals - Season 2
1st: $4000
2nd: $2000
3rd-4th: $1000
5th-8th: $500
◇
ヨーロッパ中東地域から誰がゴールドチケットを掴むのかも勿論気になるのですが、ゴールドチケット大会の全体像が見えなくてどうしても気がそぞろになってしまいます。アジアや中南米や北米の、地域別ゴルチケ大会の情報を早くください、運営さん!!■
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