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クラロワリーグ | CRL Asia | 2019-S2-W8 | スコアレポートWeek8. レギュラーシーズン最終週の天国と地獄

この先のPlayoffsに進めるか否か明暗が分かれるRS最終週。チームの勝敗を決める1つのGame、Gameの勝敗を決める1つのプレイの差はほんの紙一重。しかし、それがもたらす歓喜と絶望の差は通常の3倍増し。


今回は『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ アジア」(Clash Royale League Asia, CRL Asia) 2019年 シーズン2 Week8の「スコアレポート」をお届けする。今週行われた公式戦の要約と、各種記録、そして試合軸でのまとめになる。一緒にざっくりふりかえっていこう。



Weekly Recap

「クラロワリーグ アジア」(CRL Asia) 2019 Season2 Week8(2019/10/10~13)は、レギュラーシーズン第8週にして最終週。グループAの3試合、グループBの6試合、あわせて3日間全9試合の公式戦が行われた。会場はいつも通り、韓国・ソウル OGN e-STADIUM。
10/12には記録的強さの台風19号接近もあって日本語公式中継が中止になる中、急遽ドズルCHで臨時配信がされるという漢気サプライズもあった。

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Week8の「試合結果」はこの通り。日本4チームの最終週を順番に確認していこう。

グループAのPONOSはMatch A-28で、A1位DRXと対戦。KOH大将戦にもつれる接戦の末、みかん坊や(PNS)がNuri(DRX)の裏をかくディガー・WBを鮮やかに決めて勝負あり。PO進出を確定させた。
同じグループAのDNGは先週Week7終了時点でボーダーラインより上の4位にいたが、Match A-29 対KIX戦に敗れてしまいCTの結果待ちに。次戦Match A-30でBenZer(CT)の神がかり的活躍でCTが勝利。DNGはPO進出ならず。

今週唯一週間2勝を挙げたのはグループBのFAV。Match B-29、B1位OGN vs B2位FAVというシーズン最終戦にしてグループB優勝決定戦となる大一番をものにしてグループB優勝を決めた。FAVにとってCRLでのレギュラーシーズン優勝はこれが初めて。おめでとう。
同じグループBのGWは先週Week7終了時点でグループ最下位。PO進出の可能性はあるものの突破はかなり狭き門、という状況下で今週を迎えていた。結果は1-2、1-2で2連敗。昨季準優勝の雄GWもPO進出はならなかった。


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Week8終わっての「レギュラーシーズン順位」。
地区別の趨勢を見ると、韓国勢(KOR)が22勝・日本勢(JPN)が20勝・東南アジア勢(SEA)が18勝。PO進出8チーム中、KORが4チーム・JPNが2チーム・SEAが2チーム。2018 S2・2019 S1と2季続けて他地区の後塵を拝してきた韓国勢の”復権”が目立ったシーズンだった。

また”復権”という観点で言うならば、昨季(2019 S1)のPlayoffsを逃した4チームのうち3チームが今季Playoffsへの進出を決めたことにも注目したい。FAVDRXSBG。チーム強化の方法こそ違えど、昨季の悔しさを胸に積み重ねた努力が結実したことは何とも目出度い。今季のリーグを面白くしたのは確実に彼らだ。
ゆえに今季の敗退が決まった4チームもどうか下を向かないでほしい。CRLの来年がどうなるのかは未定だがもし次にリーグが開かれたとき、リーグを面白くするのはきっと君たちなのだ。

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Next Week

S2レギュラーシーズンの全日程が終了し、12チーム中4チームの2019年が終わった。来週からは勝ち残った8チームによる、3週にわたるPlayoffsが始まる。冬の世界一決定戦に進めるのはアジアから2チームだけである。

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次週Week9(2019/10/19~20)は土・日の2日間開催の予定だ。日本からPO進出した2チーム(FAVPNS)は別ブロックに入ったため、決勝以外で直接対決する機会はない。
それぞれの日に2連勝して世界に一歩近づくのはどのチームなのか? また、再来週の敗者復活戦の組み合わせはどうなるのか? CRL Asia初採用のダブルエリミネーション・トーナメントの開幕は今週末。

▼2019/10/19(土)

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▼2019/10/20(日)

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Don't miss it !


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Weekly MVPs

1.BenZer Ridel(CT)

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BenZer Ridel(CT)は今週、Match A-30の対TLN戦で1v1とKOHに出場し、All Killを含むGame:5-0と大爆発した。5Gameすべてでディガー・WBデッキを採用。今週になって急に流行し始めた歴史の浅いデッキを、早くも手足のように使いこなしての勝利だった。この”主人公的”活躍によって、チームにかけがえのない1勝とPO進出権をもたらした。
昨季(2019 S1)、1v1でチーム全試合に登板してSet:8-3とMVP級の活躍をした彼だが、今季はこの試合を含めて1v1 Set:4-5と苦しんできた。最近の試合での表情や所作からは、結果の出ないチームの責任を一身に背負いこんでいる様子が隠し切れないほどで痛々しさすらあった。
しかし彼は決してあきらめない。劣勢な試合も最後まで勝ち目を探す。フラストレーションがあっても八つ当たりをしない。余裕がなくても礼節と相手への敬意を大切にできる。強いだけでなくそういう姿勢の選手だからこそ、BenZerは日本のファンから尊敬され愛されているのだ。
PO進出おめでとう。大舞台に貴方がいることがとてもうれしい。


2.JACK(FAV)

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JACK(FAV)は今週、Match B-27の対GW戦で、自身今季初のKOH All Killを達成した。Match B-29の対OGN戦(グループB首位決定戦)では今季絶好調のDandelion (OGN)と1v1で対戦。Game:1-1で迎えた第3Game、どちらが勝ったのか試合中の本人たちですら瞬時にはわからないほどの僅差試合を劇的にものにしてWinner。チーム初のレギュラーシーズン優勝を勝ち取った。
クラロワリーグアジアの”名誉アンバサダー”ことドズル氏のYoutubeチャンネルで、リーグの名試合切り抜き動画シリーズがほぼ毎日アップされていることはみなさんご存じだと思う。昨日時点で今季の動画本数は「44」、そのうちJACKが主役の動画はなんと「9」本。今季のJACKが数字上好成績なだけでなく、技術で魅せたり、ライバルと壮絶な試合を演じたりと、アジアのファンをハラハラドキドキさせた回数がそれだけ多かったということだ。来週からのPlayoffs、この9が10になり11,12と増えていく予感がしてならない。


3.けんつめし & きたっしゃん(FAV)

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けんつめし & きたっしゃん(FAV)は、今週2v2に2度先発してSet:2-0・Game4-1でともに勝利。チーム初のレギュラーシーズン優勝に貢献した。これで彼らコンビの今季の成績は、2v2 Set:9-1となった。

20191015けんつ&きた

この成績がどれほどの数字なのかを確認するためにCRL Asia過去シーズンのS+(Set勝利)・S+%(Set勝率)1位の選手たちと比較してみた。アジアの錚々たる2v2の名手の名が並ぶ中、彼ら2人の数字が全く引けを取らないのが一目瞭然でお分かりいただけると思う。
追う立場から追われる立場になったことで、他チームからの警戒と対策は今後増えることはあっても減ることはない。強者ゆえの正念場が大舞台に待ちうけている。


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Rankings

今週までの各種STATSをみていこう。

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▲まず「CRL Pocket」から、Week8までの「対戦成績」。
同じ相手と2度戦うがゆえの戦術や葛藤が印象的なシーズンだった。個人的には1回戦総当たりよりも2回戦総当たりの方が断然好き。

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Week8までの「個人成績(Total)」。ゲーム勝率(G+%)順のTop15。
1位きたっしゃん、2位けんつめしFAVの快進撃を支えた2v2ペアがワンツー。3位天GOD、4位みかん坊やPNSの高勝率2v2ペア。5位One Crown、8位ThunderはOGNの皆勤2v2ペア。1v1中心の出場でトップなのは同率6位のDandelion(OGN)。xPedro15(KIX)が9位でそれに次ぐ。
S+(Set勝利)・G+(Game勝利)・CR+(獲得クラウン)の積み上げ数字3部門は、けんつめし(FAV)がトップを独り占め。

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Week8までの「個人成績(Set1:2v2)」。セット勝利数(S+)順のTop10。
2v2部門1位はけんつめし & きたっしゃんのFAVペア。全10Match皆勤でこの驚異の勝率・・・。CR+(獲得クラウン)1位もFAVペア。2v2部門で次点は、One Crown & ThunderOGNペア。

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Week8までの「個人成績(Set2:1v1)」。セット勝利数(S+)順のTop10。
1v1部門1位はLine(DRX)。後半戦に限ればSet:4-0と手が付けられなかった。2位JACK(FAV)、3位iSlaw(SBG)の2人は全10Match皆勤という重責を果たした。CR+(獲得クラウン)1位はxPedro15(KIX)。

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Week8までの「個人成績(Set3:KOH)」。ゲーム勝利数(G+)順のTop15。
JACK(FAV)・BenZer(CT)が今週新たにAll Kill(3人抜き)を達成した。
KOH部門1位はManong Jhipee(BE)。不調なチームで一人気を吐いた。

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Week8時点の「BANカード選択状況」。
今週新たにBANされたカードは、見習い親衛隊のみ。
バランス調整後の今週のCRL公式戦を見てしまうと・・・、ウォールブレイカーがBANされる日も近い気がする。ああ、無理を承知で書くが、1v1とKOHでWBをBANしたいぞ!


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Match B-25

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・10.7バランス調整後初のCRL公式戦。環境はどう変わったか?
・Set1Game2 Game1のOGNのデッキ(Wディガー親衛隊)をSBGが拝借、OGNは同デッキ連投。アリーナは親衛隊で通勤ラッシュに。
・Set2 Match B-12の再戦。前回結果は、Dandelion 2-1 iSlaw
・Set2Game3 勝負のかかった一戦は、バランス調整後流行中のディガー・WBデッキのミラー対決に。


Match B-26

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・Set1Game1 1-1の状況からBEペアは積極的にキングタワーを狙う。結果、TieBreakerに持ち込まれキングが陥落するというCRL Asia初の珍事に。
・Set2 Match B-11の再戦。前回結果は、HuNi 2-0 Jaii
3Gameで使われた6デッキのうち、3つのデッキにWBが入っていた。2コストと軽く足も速いWBがどんどん橋前に出てくるめまぐるしい試合展開には、歴戦の実況・解説陣も浮足立ちがち。


Match B-27

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・グループB日本勢直接対決。
・Set1 Wラムデッキのミラーマッチとなった2戦をともにFAVペアが制す。
・Set2 Match B-10の再戦。前回結果は、JACK 2-1 Rolaporon
Game1でのファイスピ、Game3でのクエイクといったカードチョイスを見事に当てたRolaporon(GW)のデッキ選択力が光った。
・Set3Game1 きたっしゃん(FAV)は今季1v1KOHに初登場。Blossom(GW)は今季2Game目の登場にして初勝利。実況・岸「Blossom選手やっと花開きました。初勝利です」
・Set3Game2-4 GWの3人による三者三様のゴブジャイ・スパーキーデッキを相手にJACK(FAV)が3タテ。今季10人目のAll Kill。


Match A-28

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・超大型の台風19号が迫る影響で残念ながら日本語配信は中止に。仕方ない英語配信を見ようかというところで、ドズルCHでの臨時配信が急遽決定。岸氏もリモートで参戦し、いつもとは違った空気感での配信が実現した。
・Set3Game5 KOH大将戦。Nuri(DRX)はS1 Week2 Match16の同カードでAll Killを達成した選手。ディガー・WBデッキのミラー対決となり互角の試合展開のまま勝負は終盤戦に。試合を決めたのは、これまで右のタワーへ飛ばしていたディガーを急に左に飛ばしたみかん坊やの鮮やかなフェイントだった。右へ防衛のボムタワーを出してしまったNuriは成す術なし。
・この勝利でPNSはPlayoffs進出が確定。


Match A-29

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・Set1 KIXは最終戦にして新コンビを投入。
・Set2 3Gameとも、ディガー・WBデッキを使った方が勝ち、ロイジャイデッキを使った方が負けた。Setは落としてしまったが、Game1のれいや(DNG)の手札回しには芸術的な美しさがあった。
・この試合に勝てばPlayoffs進出が決まるはずだったDNGだが敗北。次の試合のCTの結果次第となる。KIXDRXを抜いてグループA1位に。


Match A-30

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・Set2 Tattoos(TLN)はプロ入り初1v1の出場。さすがのBenZer(CT)も、自分が負ければチームがPlayoffsに進出できなくなる重い一戦を前に、硬い表情。
・Set3Game3 Game1,2とCT選手のディガー・WBデッキをきれいに処理してみせたTocilovac(TLN)を相手にして、BenZerが選んだのは敢えてのディガー・WBデッキ。この試合もWBの処理がうまいTocilovacを相手に敗戦濃厚な終盤、一気の攻勢での逆転勝利を挙げる。せーのっ「まさか!」
・Set3 BenZerは今季11人目となるAll Killを達成。この試合のGame5勝はすべてディガー・WBデッキによるものだった。
・グループAはこれでレギュラーシーズンの全試合が終了。”主人公力”を発揮したBenZerの活躍によりCTはPlayoffs進出を確定させた。同時にDNGの敗退も決まった。


Match B-28

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・RS最終日。GWがPO進出するためには、”Set2-0勝利かつGameも1つまでしか落とせない”という非常に狭き道を通るしかない。
・Set1Game1 見てる側すら緊張するこの1戦で、ネクロのスケルトンが1体キングタワーに引っかかって右往左往、先に進めないバグ。少し和む。
・Set2 バトンを託されたRolaporon(GW)だったがX-Bow Master(OP)が立ちはだかる。
・この試合の結果により、OPのPO進出と、GWの敗退が決まった。


Match B-29

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・グループB首位最終決戦。勝った方が1位と分かりやすい。
・Set1 Vamos!
・Set2 えっ?ええっ?!勝ったのどっち?!?
・この試合の結果でFAVはグループB逆転1位に。OGNは2位へ。


Match B-30

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・CRL Asia 2019 S2 レギュラーシーズン最終試合。
・Set1Game1 試合は進むが試合画面が映らないトラブル。試合途中(時間0:18)からようやく中継開始。来週以降のPlayoffs運営へ少し不安を残す。
・Set1Game3 SBGはCRLであまり見かけないボウラーを採用。ラムライダー相手に強い防衛力を発揮する。
・Set2Game2 iSlaw(SBG)の大砲採用もCRLであまり見ない光景。
・この試合の結果でSBGはPO進出最後の枠に滑り込み。BEは敗退が確定した。PO進出チーム数は8枠で、なんと今季韓国勢4チームすべてが進出を決めたことになる。



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League Information

クラロワリーグ アジア Clash Royale League Asia, CRL Asia
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クラロワリーグ チャイナ Clash Royale League China, CRL China, CRL CN
Official HP(CN)
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Official HP(EN)
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https://www.douyu.com/topic/CRL
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etc.
Archives(CN)
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クラロワリーグ ウェスト Clash Royale League West, CRL West
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