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2連休にこだわっていた私が、隔日休みのよさに気づいた話

会社員にとっていちばん大切なものは何か。
それは、休日である。

私は今まで2連休にこだわっていた。
シフト制の書店員になり祝日がなくなっても、週に1回の2連休だけは死守してきた。
というのも、1日ごとの休みでは休んだ気がせず、また1日の中で体調を整えないといけないため遊びに行くのも難しいと思っていたからだ。
2連休をしっかりと確保することが、働くうえでの私のプライドになっていた。

そんな中、事件は起こる。
同僚から「子どもの送り迎えのために、とりあえず1ヶ月シフトを変わってほしい」と言われたのだ。
つまり、必死に守ってきた2連休がバラバラの休みになってしまう。
ただ、家庭の事情だし、1ヶ月くらいならまあいいかとしぶしぶではあるが了承した。

そうして、初めて隔日休みのシフトを体験したわけだが、しばらくやってみて思ったのが「あれ?意外といいかもしれない」ということだ。
週2日休みでは5連勤が当たり前だった。
いくら連休があるといっても5連勤はキツい。というか、連休があるからこそ、休み明けの5連勤は耐え難いものになってしまう。
私は休み明けに仕事に行くのが憂鬱でたまらなかった。2連休でたるみきった脳と体では、これからの5連勤に耐えられる気がまったくしなかったのだ。

それに比べて隔日休みだと、2日仕事に行って1日休み、3日仕事に行ってまた1日休みというふうになる。
つまり、休み明けでも「あー今日から仕事か。でもまあ今日と明日行けばまた休みだしなー」と思えるのだ。
これは私にとって革命であり、休み明けの心理的な負担が明らかに減った。

そして大きかったのが、土曜日に休めるようになったことである。
今までは2連休にこだわっていたので、お店の定休日を含む平日の2日間を休みにしていた。
ただ平日休みにすると、恋人や友達と悲しいほど予定が合わなくなってしまう。
世の中の人は大概が土日が休みで、また楽しそうなイベントも土日に集中しているからだ。

そんな中、いくら2連休といっても平日にしか休みがないと、休みが楽しくなくなる。
一人で外出する気も起きず、やることがないから昼間からお酒を飲んで具合が悪くなることもしばしば。
そして、それが毎週続くという恐怖。
もちろん、「休みは一人で過ごすほうがいい」という人もいると思うが、私にとって一人で過ごす休日の暇と孤独は耐え難いものだった。

そんな私が隔日休みになり、土曜日に休めるようになったのだが、あからさまに休日が楽しくなって驚いた。
たとえば、来週の土曜日は彼女と一緒に古本市に行く予定である。
今までは「ただ休むための休日」だったものが、「楽しい予定がある休日」になり、生活にもハリが出たように感じている。

「2連休より隔日休みのほうがいいかもしれない」
そんな思いが日に日に大きくなり、とうとう私は同僚に「土曜休みのシフトにしたい」と相談した。
シフト制において私が土曜日に休みになるということは、代わりに同僚が土曜日に出勤するということである。
シフト制は常に誰かの犠牲の上に成り立っている。
だから、言い出すのには大きな勇気が必要だったのだが、それでも自分の生活をよくしたかった。

結果として、とくに悪態をつかれるわけでもなく、シフトを代わってもらうことができた。
この隔日休みの心地よさが、これからずっと続く。
そう思うだけで、なんとも言えない喜びが心を満たしていた。

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