カブラキマサノブ

放送作家をしてます。 長年の落語好きです。 コント、漫才など書いています。

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最近の記事

「四代目桂三木助追善興行」〜浅草演芸ホール〜

1月下席、浅草演芸ホールの「四代目桂三木助追善興行」に行って来た。 四代目と親交のあった出演者が揃って、春風亭小朝師匠、林家正蔵師匠、林家木久扇師匠、五代目の三木助師匠らが並ぶ豪華な顔つけ。寄席の入り口には、四代目の等身大パネルが、舞台上には半纏と写真が、さらには、四代目、五代目の後幕も飾られて雰囲気を盛り上げていた。  四代目の唯一のお弟子さんだった、三遊亭司師匠が、出囃子が鳴って登場して来る時、ちらっと振り返って、四代目の後幕を見つめていた。そして、演り始めたネタが、

    • 1月19日「やすらぎ寄席」

       1月19日「やすらぎ寄席」に、もはや恒例となってきた。 今回も、愛宕神社にお参りをしてから会場に、これも恒例になってきた。  前座さんがあって、立川雲水師匠の「初天神」。 この「初天神」が驚きだった。なかなかお祭りに行かないで、のらりくらりと親子の会話や近所の人とのやりとりが続くのだ。途中で、連れて行ってもらえない子供が、近所の人に両親の秘密を暴露しに行こうとするところなどは、「真田小僧」なのかとも思った。でも、雲水師匠が演ると、その、のらりくらり感に嫌味がなく、むしろ自

      • 〜2023年初席のあれこれ〜

         人の賑わう中で寄席を見るのが疲れる歳になって来たので、初席は避けようと思っていたが、やはり、行かなければ行かないで落ち着かない。 年末に運良く、1月2日の国立演芸場のチケットが取れたので行くことに。  獅子舞、たい平師匠、橘之助さん、文治師匠、馬風師匠、雲助師匠、楽輔師匠、米助師匠、ナイツ、小遊三師匠という超豪華なラインナップ。人気者のたい平師匠をトップバッターに使えちゃうところに初席らしさを感じる。文治師匠の安定の華やかさなど、書きたい点はいくつもあるが、一番印象に残っ

        • 「愛山・談幸二人会」について〜「忠臣蔵」は面白い!!

          12月23日、「愛山・談幸二人会」へ。 何回かやっている会らしいが、不覚にも初参戦。 実力のある二人が、無駄のない二人が、程のいい二人が、たっぷりと聴かせてくれる、そんな会だった。  講談の神田愛山先生。もちろん名前は聞いてはいたが生で観たのは初めて・・・。しかし、一瞬でファンになった。決してお客さんに媚びない。そして、前に出ない芸なのに迫力満点、そんな芸風が繰り出す「清水の次郎長伝飯田の焼き討ち」。これが面白くないわけがない。 どこか神田伯山さんの口調に似ているが、さら

        「四代目桂三木助追善興行」〜浅草演芸ホール〜

          「やすらぎ寄席」で「芝浜」。

          「やすらぎ寄席」に行って来た。 相変わらず、近所の愛宕神社の「出世の石段」を登り、お参りしてから会場に向かう。「やすらぎ寄席」は、ネタ数の豊富な立川談志師匠の直弟子の方々が、ゆったり、たっぷりと演じる会、いつも何を演ってくれるのか楽しみにしている。  今回は、談幸師匠が休演で、志遊師匠が「ふぐ鍋」。 前回観た「船徳」同様、所作や仕草が丁寧で、ひとつひとつを綺麗に演じる方だ。あまり噺を崩さずにきちんと演じている事から、その落語が持つ本来の面白さを伝えようとしているかのような硬

          「やすらぎ寄席」で「芝浜」。

          談志師匠の命日に想う事・・・

          11月21日、立川談志師匠の命日。 あれから11年経つのかぁ・・・早いなぁ。 落語を好きになったきっかけが、30年ほど前の「笑点」の演芸コーナー。たまたま観た落語に興味を持ったことだった。すぐさま田舎町のレコード屋さんで買い求めた落語のテープの一つが、立川談志師匠のテープだった。「鼠穴」と「天災」が入っていたと思う。「何だ!?これは??」という衝撃でソワソワし、まさに擦り切れるほど何度もテープを聞いた記憶がある。そして、インターネットもほとんど普及していない時代に、その落

          談志師匠の命日に想う事・・・

          新宿末広亭11月上席〜雷門小助六師匠の主任の興行

           11月2日、新宿末廣亭、雷門助六師匠主任の興行。 実力のある方々がさり気なく芸を魅せていくような、そんな興行だった。コント青年団さん、柳亭小痴楽師匠、三笑亭夢丸師匠、桂小すみさん、桂伸治師匠、ボンボンブラザースさんと繋ぎ、主任の小助六師匠へという寄席らしいゆったりとした雰囲気だった。  特に、伸治師匠の「粗忽の釘」が印象的だった。 肩肘張らない語り口で、リアルにおかみさんや近所の人たちと話しているのを見ているかのようで、こんな等身大の「粗忽の釘」はなかなか見たことない。型

          新宿末広亭11月上席〜雷門小助六師匠の主任の興行

          やすらぎ寄席〜10月20日〜

           最近、「やすらぎ寄席」という地域寄席に何度か足を運んでいる。 立川談志師匠の直弟子の師匠方がじっくりと聴かせてくれる一門会。長年の立川談志師匠ファンの僕がこれまで足を運んでいなかったのは申し訳ないぐらいの、いい会だ。  10月20日の会は、談幸師匠の「宿屋の富」、病気から復帰をしたばかりだという、ぜん馬師匠の「鹿政談」、そして雲水師匠の「らくだ」だった。 「宿屋の富」は、談幸師匠らしい程のいいテンポ感で軽妙に語っていて、噺本来の持つ面白さが際立っているような内容だった。全

          やすらぎ寄席〜10月20日〜

          浅草演芸ホール下席〜成金メンバーと私小説落語〜

           浅草演芸ホールでの、笑福亭羽光さんの初主任興行2日目。 浅草演芸ホールらしいバラエティーに富んだ番組。さらに、成金メンバーが引張り、それに若手が食らいついていくという芸術協会の今後の形を表すかのような興行だった。  冒頭、弟弟子の笑福亭希光さんが新作「レジスタンス」で会場を温める。マクラの進め方が上手くて、お客さんの層を捉えるスピードも早い方だ。爽やかな語り口で、上方落語だがそんなに押しの強さがないのもいい。  前半は、やはり柳亭小痴楽師匠の「強情灸」が印象的だった。威勢

          浅草演芸ホール下席〜成金メンバーと私小説落語〜

          色物と新作落語 〜10月中席池袋〜

          10月15日、池袋演芸場。 春風亭昇々さんの初主任興行の千秋楽。 最初から浪曲、玉川太福さんの登場で場内は一気に盛り上がる。さすが池袋のお客さん、太福さんの新作「地べたの二人」を周知のようで待ってました!という雰囲気。相変わらず、声のトーンが心地よくて情景が浮かびやすい。その場その場でお客さんの空気を掴んでのギャグも丁度いい。以前から、落語をやっても様になる語り方だと思ってはいたが、マクラで前座さんをいじりながらちょっとだけ披露した「平林」は、やはり様になっていた。 その

          色物と新作落語 〜10月中席池袋〜

          よく分かっていませんが始めてみます・・

          noteを始める事にした。 「noteをやってみたら」と勧められて、もう何か月も経っていた。 「noteって何だ??」noteというものが今一つかめなくて先延ばしにしていた。書きたい事は山ほどある。とりあえず自分の好きな事、寄席の事、落語の事などを書いて行こうと思う。落語を好きになって30数年、今でも寄席や落語会にはよく行っている方だ。  先日は、池袋演芸場。ここの寄席のキャパシティーが好きだ。落語を観るにはちょうどいい空間、そして落語を聴くにはちょうどいい持ち時間。10

          よく分かっていませんが始めてみます・・