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詩倉庫

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カテゴリー不明作品の物置き場です
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記事一覧

【詩】花さえも

いつも無表情でそっけない女性が 無邪気にはしゃぐ赤ん坊を見て まるでうっかりやってしまった…

酒井花織
5日前
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【詩】私の優しさは 腐っている

(政治家が会議中寝てるのが許せない? でも お年寄りなんだし 何時間も座ってたら誰だって眠…

酒井花織
5か月前
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【詩】黄金の国

疫病が蔓延している 疫病が雲のようにもくもくと膨らんで 人々を捕まえようとする 人々は右へ…

酒井花織
7か月前
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【雑文】した〜に〜したーに…【カテゴリ不明】

した〜に〜した〜に… (カゴの前に飛び出す白ウサギイナバ君)「助けてくださいうさ王子様!…

酒井花織
8か月前
33

【詩】花瓶の花

あれは小学校三年の時でした 授業参観日 先生は花瓶にお花をきれいに活けて 教室の後ろに飾り…

酒井花織
11か月前
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【詩】月明かりとお人形

お人形は高級なものほどぞっとする ぞっとするなんて言っちゃかわいそうだけど ほら オルゴー…

酒井花織
10か月前
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【詩】ぽっぽちゃんごめんね

寒風に吹かれるたび 悲しいことを思い出す 子供の頃ペットを飼っていた 名前はぽっぽ 賢いメスのチャボ 吹雪の夜 鶏小屋にたくさんの雪が入り込んだ 朝 ぽっぽは息も絶え絶え 小屋の隅にうずくまっていた 私はぽっぽを抱えて家に入った 「お母さん早くストーブつけて!それからタオル!」 けれど母親はこう言った 「ニワトリなんか家に入れないで!早く小屋に戻してらっしゃい!」 「でも…」 私は言われるままぽっぽを小屋に戻した ほどなくぽっぽは凍え死んだ    * 夜 吹雪の中をとぼ

【詩】ニャーのつぶやき

ニャーはただのニャーです 笑いかけないでください おいでと言わないでください 好きだと言わ…

酒井花織
1年前
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【詩】シクラメン

シクラメンって日本語かな 醜女(しこめ)がなまってシクラメン? 一体どこが醜いのだろう き…

酒井花織
1年前
37

【詩】クールな幼稚園児、鈴を鳴らす

幼稚園の合奏の時間 楽器は数十人で分け合うのに タンバリンたったの3個 あとは鈴とカスタネッ…

酒井花織
2年前
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【詩】信長のように

あなたにとっての幸せは 自分の正しさを証明するための道具ですか 人間は弱いからそうなっても…

酒井花織
2年前
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【詩】私が天使だった頃

私が四、五歳の頃 住んでいる集落はすごく平和で 玄関に鍵もかけてなかった 「いちかちゃーん…

酒井花織
2年前
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【詩】カッコウの歌

地平線まで広がる滅びの荒野 それがあの人の生まれた場所 一度鳥が呼んだけれど 見失った も…

酒井花織
2年前
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【散文詩】黒薔薇譚

私の家族はみんな変わり者 友達なんて一人もいないし いない方が幸せだと思っていた だから我が家を訪ねる人はとても少なく お外の誰かが家族の誰かにあげた花束は 私にとっては珍しく興味深いものだった 健康的な肌の色したバラの花 花瓶に活けられたそれを見て私は思った 「かわいそうに。人間に捕まりさえしなければ 命が短くなることはなかったのに」 花束が少しづつ萎れていく 私にはこの子達を救うことはできない いっそくずかごに捨ててしまおうか そんなことはできない… 夕方父親が庭で