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自動車部品メーカーの株価見通しは? 割安株の探し方 vol.14

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  ※今までの記事はこちら⇒『割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)』

 

 さて、vol.1の記事では、私独自の以下の基準でスクリーニングをかけて、22業種105社をピックアップしました。

(1)東証一部上場
(2)予想PERが8倍以下
(3)実績PBRが1倍以下
(4)配当利回りが4%以上
(5)1単元が100万円以内

 ただし、ピックアップされた105社は業界の偏りが大きく、それぞれの業種特有のリスクがないか自分自身で分析することが重要ということでしたね。

 vol.2〜vol.4にかけて商社株、vol.5~7にかけて銀行株、vol.8では建設株、vol.9〜10にかけて不動産株、vol.11〜13にかけて化学株ついて分析を行いました。

 本記事では、6番目に多かった(7社)輸送用機器について書いていきたいと思います。

①割安な輸送用機器セクターの銘柄は、全て自動車部品メーカー!

 輸送用機器セクターの株は、トヨタ自動車を筆頭に大手自動車メーカーなどが軒を連ねておりますが、僕がスクリーニングした結果抽出された割安株は、全て自動車部品を扱っている企業になっております。

 1台の車を作るには3万個の部品が必要とされており、それらの部品の製造を担う会社たちですね。

 ちなみに、参考までに大手の指標は以下のようになっています。※2019年11月7日終値

トヨタ:PER 10.19倍、PBR 1.12倍
ホンダ:PER 8.22倍、PBR 0.64倍
デンソー:PER 15.15倍、PBR 1.06倍 ※トヨタ系。自動車部品最大手。

 いずれも、一部上場会社平均と比べてそれほど高いとは言えませんが、僕の基準では割安株から外れています。

 ではさっそく、各種指標が割安だった具体的な銘柄を見ていきましょう。

②割安な輸送用機器セクターの具体的銘柄は? 

 vol.1の記事でピックアップした輸送用機器セクターの7社の内訳は以下のようになっております。

(7278)エクセディ 1,218億円 ※クラッチ最大手。AT部品が柱。MTも高シェア

―――――――――――**時価総額1,000億円の壁 **

(7242)KYB 911億円  ※油圧機器大手。自動車の衝撃緩衝器で世界2位、建機油圧シリンダー首位
(7231)トピー工業 527億円 ※商用車ホイール、建機用履板で国内首位

 ―――――――――――**時価総額500億円の壁  **

(7256)河西工業 363億円 ※自動車内装インテリア部品メーカー。日産向け6割強
(7245)大同メタル工業 332億円 ※軸受けメタル専業で最大手。自動車エンジン用では世界シェア3割
(7236)ティラド 168億円 ※自動車・建設機械メーカー向けにラジエーターなど熱交換器を製造
(7247)ミクニ 124億円 ※2輪用と4輪用の電子制御燃料噴射装置や吸排気系が主力
  

 一覧で見てみると、時価総額で最も高いのは(7278)エクセディの1,218億円なので、全て中小規模であることがわかりますね。

 元々自動車部品メーカーは、トヨタ系のデンソーなど一部を除き、独立系が多く、上に挙げた企業も全て独立系です。

 つまり、独立系の中小自動車部品メーカーは割安に放置されているわけです。

 中小企業しか抽出されないというのは、建設株や不動産株の割安株たちと似ていますね。
  ※参考『割安銘柄の探し方シリーズ(記事まとめ)』

③自動車部品メーカーの業績推移

 では次に、各社の一株利益及び配当金の直近実績及び今後の見込みを見ていきましょう。

(7278)エクセディ:一株利益、配当ともに横ばい
(7242)KYB:一株利益19.3期に大幅赤字、その他横ばい。配当不明。
(7231)トピー工業:一株利益、配当ともにほぼ横ばい
(7256)河西工業:一株利益右肩下がり、配当やや増配
(7245)大同メタル工業:一株利益17.3期に底で右肩上がり、配当やや増配
(7236)ティラド:一株利益19.3期に底で右肩上がり、配当維持
(7247)ミクニ:一株利益、配当ともにほぼ横ばい

 総括としては、一株あたり利益、配当ともにぱっとしません
 
 ただ、目覚ましい企業がない一方で、右肩下がりの企業もそれほどありません。
 その点では、化学メーカー株と似ており、収益性に変化が起きにくい業種と言えそうです。

④なぜ自動車部品メーカーの投資指標は割安なのか?

 それでは次に自動車部品メーカーが割安な理由を見ていきましょう。
 
 そもそも、自動車部品メーカーの販売先はトヨタや日産といった各自動車メーカーなので、部品メーカーの製品需要は自動車自体の販売状況に非常に左右されます。

 さきほどトヨタ、ホンダのPER,PBRを見ましたが、決して高い数値ではありませんでした。

 各種自動車メーカーはCASE(コネクテッド、自動運転、シャアリング、電動化)分野で競争が激化しており、自動車部品メーカーも研究開発費を増やして次世代技術への対応を急いでいる状況です。

 一方で、米中貿易摩擦によるリスクを懸念した生産設備の移管などにも追われ、先行きは不透明な部分もあります。

 自動車業界自体の中長期的な見通しについては、金利の上昇リスクなどの懸念もあります。
参考『景気に敏感な自動車株は「買い時」? 日産などに割安感』

 足元の業績については実際、三菱自動車も11/6に、2020.3期の業績見通しについて大幅な下方修正を発表しています。

参考『三菱自動車 業績見通しを下方修正 66%の大幅減益の見込み』

 このように、自動車業界自体の構造的な問題から、自動車部品メーカー、特に独立系中小の株価は伸び悩んでいるのです。

⑤結局、自動車部品メーカーの株は買わない方がいいの?

 ここまで、自動車部品メーカーがなぜ割安なのかを見てきました。

 自動車業界全体のリスクを受けて、独立系の中小部品メーカーの株価は苦戦しています。

 個人的には、株価が割安とは言え、独立系の場合後ろ盾がなく、急激な業績悪化などの可能性もありますので、買うのはリスクが高いと考えます。

 もし興味があるのであれば、デンソーのような大手グループ系か、そもそもトヨタなどのような大手自動車メーカーを検討するのが良いと思います。

⑥まとめ

 以上、簡単に自動車部品メーカーが割安な理由を見てきました。

 独立系の中小は業績も株価も伸び悩んでおり、なかなか買うのはリスクが高そうでしたね。

  次回の記事では、vol.1の記事で抽出した割安銘柄のうち、機械セクターの6社についてみていきます。

   ※今までの記事はこちら⇒『割安銘柄の探し方シリーズ(記事まとめ)』

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