見出し画像

(5410)合同製鐵の株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.21

 閲覧ありがとうございます。
 株まとめ@元証券マンと言います。良かったらいいねやコメント、フォローなど頂けると嬉しいです。
Twitterのアカウントはこちら➡︎株まとめ@元証券マン

※これまでの記事はこちら⇒割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)



 前回の記事で、私独自のスクリーニング基準で抽出した銘柄のうち、鉄鋼業セクターに絞って見ていきました。

 2社の鉄鋼業の銘柄がスクリーニングの結果抽出されましたが、買いを検討できそうだったのが(5410)合同製鐵でした。

 今回の記事では、(5410)合同製鐵について、今の株価で買うべきか否か、詳細を見ていきたいと思います。


①合同製鐵ってどんな会社なの?

 合同製鐵は、日本製鉄系(2019年9月末時点で17.5%株主)の鉄鋼メーカーです。

 現在、114期を迎えており非常に歴史のある企業ですね。

 前回の記事で鉄鋼メーカーは製鉄方法(高炉方式、電炉方式)によって性質がわかれているという話をしましたが、合同製鐵は電炉メーカーになります。

 収益としては、以下の2つのセグメントに分かれています。

(1)鉄鋼事業 100% ※各種大形・中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、線材の製造及び販売、棒鋼加工製品、線材加工製品等の製造及び販売、ねじ節鉄筋の製造及び販売、機械・製鋼原料等の販売

(2)農業資材事業 0% ※2019年3月に子会社化した朝日工業株式会社の事業(有機質肥料、化成肥料等の製造及び販売)

※海外売上比率は8%

 元々は、セグメントは鉄鋼事業とその他事業という2つのセグメントでしたが、2019年の朝日工業の子会社化に伴い(2)農業資材事業セグメントが新設され、同時に、その他事業というセグメントがなくなりました。

 2019年3月期の有価証券報告書を見る限り、まだ売り上げはすべて(1)鉄鋼事業のものになっております。


②合同製鐵の規模ってどのくらい?

 それでは次に、合同製鐵の定量情報を見ていきましょう。

●時価総額:439億円 ※2019年11月22日時点
●売上:1,483億円 ※2019年3月期
●営業利益:43億円(営業利益率 2.8) ※同上
●当期純利益:37億円(最終利益率 2.4) ※同上
●連結従業員数:全社合計2,047人 ※2019年3月末

 営業利益率が2.8%とかなり低いですね。

 鉄鋼業営業利益率は元々4%程度ではありますが、業界全体と比べても1%以上低くなっています。

 

合同製鐵の業績と配当金の推移は?

 直近3年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。

画像1

 一株あたり利益、配当金共に横ばいからやや右肩上がりなのがわかりますね。 

 以下は月足チャートになります。

画像2

 2015年あたりから、1,500円〜2,500円のレンジ(ボックス)相場になっていると言えますね。

 2019年11月22日終値は2,566円なので、このレンジからすると非常に高い位置にいると言えます。

 これほど上昇しているのは、2019年11月1日に2020.3月期の業績予想を上方修正しているからです。

参考『業績予想及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ』

 

 ちなみに、2019年11月22日終値ベースで、各種指標は以下のようになっています。

PER:5.7倍 ※東証一部 同セクター平均    12.1倍(2019年10月末)
PBR:0.41倍 ※東証一部 同セクター平均   0.5倍(同上)
配当利回り:0.41%

 同じその他金融業セクターの平均と比べても、PER・PBR共に非常に割安な水準と言えます。

 では、なぜ合同製鐵の株価は業界平均と比べても割安のまま放置されているのでしょうか?

 次は、リスクについて見ていきます。


合同製鐵のリスクは?

 

 鉄鋼業自体のリスクについては、前回の記事で触れましたね。

 前回見てきた割安な理由3つをもう一度挙げてみます。

割安な理由(1)中国の生産力の向上
割安な理由(2)事業の伸び代が薄い
割安な理由(3)米国の輸入規制リスク

 合同製鐵もこれらの理由から割安であることは想像できますが、合同製鐵固有の理由もあります。

 それは、今後の業績予想が強気すぎる、という点です。

 合同製鐵は2020.3月期の営業利益予想を上方修正して75億円としておりますが、これは前期比1.7倍もの金額です。

 会社の予想通り75億円を達成できれば良いですが、仮に何か想定外のことが起きて、前期と同水準の利益で着地してしまった場合、PERは約10倍となり、全く割安と言える水準ではなくなります

 前期比1.7倍もの利益目標を達成できるか、この点が最大のポイントになっているわけです。


合同製鐵は今買うべきか否か?

 以上、合同製鐵を見てきました。

 私個人としては、確かにいくつか懸念はありますが、業績推移や配当の状況が堅調であることを鑑みると、十分買い検討可能と考えます。

 ただし、業績予想が仮に多少下振れしても耐えられるように、もう少し値下がりするのを待った方がよりリスクは低いでしょう。

 もしくは、業績予想の達成が難しいと判断できる場合、即損切りする覚悟をしておいた方がいいと思います。


⑥まとめ

 今回の記事では私独自の基準でスクリーニングをかけた銘柄のうち、鉄鋼業セクターの1つ、(8591)合同製鐵を見てきました。

 結論としては、業績予想の実現可能性がリスクではあるものの、十分買い検討できる銘柄と考えます。


 次回の記事では、vol.1の記事で抽出した割安銘柄のうち、電気機器セクターの2社について見ていきます。


※これまでの記事はこちら⇒割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)

❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
ここまで読んで頂きありがとうございます。

わかりやすく読みやすい文章を心がけて、自分にとっても皆様にとっても投資判断の一助になるように、日々情報発信をしていきたいと思っています。

良かったらいいねやコメント、フォローなど頂けると嬉しいです。

今後とも宜しくお願い致します。

株まとめ@元証券マン
Twitterのアカウントはこちら➡︎株まとめ@元証券マン

#株式投資 #株 #投資 #資産運用  #鉄鋼業 #割安銘柄 #合同製鐵 #割安株 #ビジネス #鉄鋼株 #合同製鉄

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?