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その他金融業3社(オリックス、イオンFS、日立キャピタル)の株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.18

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  ※今までの記事はこちら⇒『割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)』

 

 さて、vol.1の記事では、私独自の以下の基準でスクリーニングをかけて、22業種105社をピックアップしました。

(1)東証一部上場
(2)予想PERが8倍以下
(3)実績PBRが1倍以下
(4)配当利回りが4%以上
(5)1単元が100万円以内

 ただし、ピックアップされた105社は業界の偏りが大きく、それぞれの業種特有のリスクがないか自分自身で分析することが重要ということでしたね。

 これまで、商社株、銀行株、建設株、不動産株、化学株、輸送用機器株、機械株、ガラス土石製品株ついて分析を行いました。

 本記事では、9番目に多かったその他金融業の3社について書いていきたいと思います。


①その他金融業の概要について

 

 その他金融業は、銀行業、証券業、保険業など、どの分類にも属さない金融事業を指します。

 具体的には、消費者ローン会社や、クレジットカード会社、リース会社などが含まれます。

 ただし、その他金融業のセクターに分類される企業の中には、グループ内に銀行や保険会社を抱えている企業もありますので、若干ややこしい面があります。

 ちなみに、参考までにその他金融業セクターの時価総額上位3社の指標は以下のようになっています。
 ※2019年11月18日終値

オリックス:PER 7.4倍、PBR 0.75倍
日本取引所グループ:PER 23.38倍、PBR 3.44倍
アコム:PER 9.19倍、PBR 1.72倍 

 

 全体的に、一部上場会社平均と比べるとやや割高と言えますね(20.19年10月末一部上場平均PER 17.1倍、PBR 1.2倍)。

 ではさっそく、スクリーニングの結果、各種指標が割安だった具体的な銘柄を見ていきましょう。


②割安なその他金融業の具体的銘柄は? 


 vol.1の記事でピックアップしたその他金融業3社の内訳は以下のようになっております。 
 ※時価総額は2019年11月18日終値


(8591)オリックス 2兆3,028億円 ※リース、生保、不動産など多角化、海外展開突出。エネルギー、空港運営など事業投資も

 ―――――――――――時価総額1兆円の壁

無し

 ―――――――――――時価総額5,000億円の壁

(8570)イオンフィナンシャルサービス 3,495億円 ※イオン系の金融サービスを統括。銀行、クレジットカード等展開

(8586)日立キャピタル 3,201億円 ※16年5月に三菱UFJグループと資本提携。英米、中国、アジアなど海外営業資産比率が高い

 

 いずれも名だたる大企業ですね。

(8591)オリックスはBtoCサービスも多く展開しており、CMもよく見かけるので馴染み深い企業だと思います。

 同様に、(8570)イオンフィナンシャルサービスはイオン銀行やイオンカードで有名ですね。

 一方で、(8586)日立キャピタルはBtoBサービスが主なので、一般消費者への馴染みは薄いかもしれませんね。


③その他金融業各社の業績推移

 
 では次に、各社の一株利益及び配当金の直近実績及び今後の見込みを見ていきましょう。


(8591)オリックス:一株利益、配当共に右肩上がり

(8570)イオンフィナンシャルサービス:一株利益、配当共に横ばい

(8586)日立キャピタル:19.3期を除き一株利益、配当共に横ばい

 

 総括としては、3社とも一株利益は堅調なので魅力的に思えます。

 特に(8591)オリックスは一株利益の推移も右肩上がりなので、特に好印象です。

 それではなぜ、この3社の指標は割安になっているのでしょうか?


④なぜ、その他金融業3社の投資指標は割安なのか?

 

 次にこの3社が割安な理由を見ていきましょう。

 ただ、その前に一旦本日2019年11月18日終値ベースでの、各社の各種指標を見返してみます。

 
(8591)オリックス: PER 7.4倍 PBR 0.75倍 配当利回り 4.37%

(8570)イオンフィナンシャルサービス: PER 8.4倍 PBR 0.91倍 配当利回り 4.58%

(8586)日立キャピタル:PER 9.22倍 PBR 0.79倍 配当利回り 3.56%

 
 3社とも確かに割安なのですが、僕のスクリーニング基準である(2)予想PERが8倍以下という基準からイオンと日立の2社は外れてしまっていますね。

 当初のスクリーニングを9月末の時点で行っており、日経平均がそこから上昇しているので仕方ない部分もありますが、当初抽出した時点よりは割安度が下がっているとも言えます。

 ただ、その他金融業セクターの2019.10月末時点の平均はPER 10.9倍 PBR 0.9倍となっているので、セクター平均と比べてもまだ割安と言えるかもしれません。

 それでは、なぜこの3社が割安かというと、以下3点が挙げられます。

(1)景気の影響を受けやすい

 この3社に限らずではありますが、金融業界は設備投資の需要などに大きく左右されますので、不景気の際には敏感に反応して株価が下落します。

(2)事業の伸び代が薄い

 その他金融業はビジネスモデルをアップデートする余地が少なく、また、この3社はその他金融業の中でも規模が大きいので、今後の業績の伸びが限定的という面があります。

(3)競合優位性がない

 消費者ローンやクレジットカードビジネスなどは銀行業に属するメガバンク各社も行っておりますし、楽天の楽天カードのように資金さえあれば参入できるので、参入障壁が低く、競合優位性が持ちにくいと考えられます。

 

⑤結局、その他金融業の株は買わない方がいいの?


 ここまで、その他金融業3社がなぜ割安なのかを見てきました。

 割安な理由はいくつか考えられそうでしたね。

 個人的には、各種指標が当初よりも割高になってしまっていることもあり、今すぐに買うのは微妙ですが、同業種平均よりも割安ですし、もう少し下がった段階で買うにはアリと考えます。

 特に、(8591)オリックスはその他金融業セクターで時価総額1位の規模を誇るにもかかわらず、すべての指標が未だかなり割安水準と言えます。

 より、詳細な会社分析を行うのであれば、(8591)オリックスがいいでしょう。


⑥まとめ

 

 以上、簡単にその他金融業の企業が割安な理由を見てきました。

 3社とももう少し下がったタイミングであれば十分買いを検討できそうです。

 特に業界首位でもある(8591)オリックスが最も魅力ですね。

  次回の記事では、3社のうち最も買い検討できそうだった(8591)オリックスについて詳細分析を行いたいと思います。


   ※今までの記事はこちら⇒『割安銘柄の探し方シリーズ(記事まとめ)』

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