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ガラス土石製品セクターの株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.16

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※今までの記事はこちら⇒『割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)』

 

 さて、vol.1の記事では、私独自の以下の基準でスクリーニングをかけて、22業種105社をピックアップしました。

(1)東証一部上場
(2)予想PERが8倍以下
(3)実績PBRが1倍以下
(4)配当利回りが4%以上
(5)1単元が100万円以内

 ただし、ピックアップされた105社は業界の偏りが大きく、それぞれの業種特有のリスクがないか自分自身で分析することが重要ということでしたね。

 vol.2〜vol.4にかけて商社株、vol.5~7にかけて銀行株、vol.8では建設株、vol.9〜10にかけて不動産株、vol.11〜13にかけて化学株、vol.14では輸送用機器株、vol.15では機械株ついて分析を行いました。

 本記事では、8番目に多かったガラス土石製品セクター(3社)について書いていきたいと思います。


①ガラス土石製品セクターの概要について

 ガラス土石セクターの株は、AGC(旭硝子)のような最大手ガラスメーカーから、TOTOと言った住宅設備機器メーカー、日本ガイシのようなガイシ・セラミックスメーカーまで幅広いラインナップとなっています。
 
 一口にガラス土石製品セクターの株と言っても扱ってる商材やビジネスモデルは全く違いますので、セクターを一括りにして語るのはあまり意味がないでしょう。

 ちなみに、参考までに機械セクターの時価総額上位3社の指標は以下のようになっています。
 ※2019年11月11日終値

AGC:PER 21.96倍、PBR 0.81倍
TOTO:PER 29.59倍、PBR 2.30倍
日本ガイシ:PER 14.34倍、PBR 1.26倍 

 全体的に、一部上場会社平均と比べると割高と言えますね(一部上場平均PER 17.1倍、PBR 1.2倍)。

 ではさっそく、スクリーニングの結果、各種指標が割安だった具体的な銘柄を見ていきましょう。


②割安なガラス土石製品セクターの具体的銘柄は? 

 vol.1の記事でピックアップしたガラス土石製品セクター3社の内訳は以下のようになっております。 
 ※時価総額は2019年11月11日終値

(5352)黒崎播磨 549億円 ※日本製鉄系(日本製鉄が42.8%株主)。総合耐火物の大手で、消耗品が主力

 ―――――――――――時価総額500億円の壁

(5351)品川リフラクトリーズ 299億円 ※鉄鋼業向け耐火物の総合大手。JFEスチールが33.7%株主。高機能材に注力

 ―――――――――――時価総額100億円の壁

(5391)エーアンドエーマテリアル 98億円 ※太平洋セメントGの中核建材会社(太平洋セメントが42.3%株主)。不燃建材。工業製品や自動車関連部品も

 
 扱っている商材は、耐火物や不燃建材などがメインで、いずれも大手製鉄、セメント会社の傘下に入っていますね。

 とは言え一覧で見てみると、時価総額で最も高いのは(5352)黒崎播磨549億円なので、全て中小規模であることがわかります。

 中小企業しか抽出されないというのは、建設株や不動産株の割安株たちと似ていますね。
  ※参考『割安銘柄の探し方シリーズ(記事まとめ)』


③ガラス土石製品セクター株各社の業績推移

 では次に、各社の一株利益及び配当金の直近実績及び今後の見込みを見ていきましょう。

(5352)黒崎播磨:一株利益右肩上がり、増配傾向
(5351)品川リフラクトリーズ:一株利益19.3期に倍増し、その後継続。増配傾向
(5391)エーアンドエーマテリアル:一株利益横ばい、増配傾向

 総括としては、3社とも一株利益は堅調で、増配傾向なので魅力的に思えます。

 それではなぜ、この3社の指標は割安になっているのでしょうか?


④なぜガラス土石製品セクター株の投資指標は割安なのか?

 次にこの3社が割安な理由を見ていきましょう。
 ただ、その前に一旦本日2019年11月11日終値ベースでの、各社の各種指標を見返してみます。
 
(5352)黒崎播磨:PER 8.1倍 PBR 0.95倍 配当利回り 3.94%
(5351)品川リフラクトリーズ:PER 5.0倍 PBR 0.54倍 配当利回り 3.97%
(5391)エーアンドエーマテリアル:PER 5.0倍 PBR 0.69倍 配当利回り 4.01%

 3社とも確かに割安なのですが、僕のスクリーニング基準である(2)予想PERが8倍以下(3)実績PBRが1倍以下(4)配当利回りが4%以上 の3つから外れてしまっている指標も多くあります。

 当初のスクリーニングを9月末の時点で行っており、日経平均全体がそこから上昇しているので仕方ない部分もありますが、当初抽出した時点よりは割安度が下がっているとも言えます。

 ただ、ガラス土石製品セクターの2019.10月末時点の平均はPER 9.5倍 PBR 0.9倍となっているので、セクター平均と比べてもまだ割安と言えるかもしれません。

 それでは、なぜこの3社が割安かというと、海外売上比率が低いということが挙げられます。

(5352)黒崎播磨:海外売上比率 36%(2019.3期)
(5351)品川リフラクトリーズ:海外売上比率 16%(2019.3期)
(5391)エーアンドエーマテリアル:海外売上比率 情報ないがほぼなし(2019.3期)

 海外売上比率が低いのであれば、米中貿易摩擦などの外的要因により株価が急激に下がるといったリスクは低いですが、一方で国内需要が今後大きく伸びることも考えにくいはずです。

 ※参考『【業界図鑑】ガラス・土石製品業界 ~ セメント業界は保守的ながらも海外進出と多角化へ』

 また、3社とも大手傘下であり、収益モデルが変化しにくいということもあり、株価が伸び悩んでいると考えられます。

⑤結局、ガラス土石製品セクターの株は買わない方がいいの?

 ここまで、ガラス土石製品セクターの3社がなぜ割安なのかを見てきました。

 割安な理由はいくつか考えられそうでしたね。

 個人的には、各種指標が当初よりも割高になってしまっていることもあり、今すぐに買うのは微妙ですが、増配傾向にあることと3社とも大手傘下で業績見通しが底堅いことを加味すると、ウォッチ銘柄に加えて、買いタイミングを伺うのが良いと考えます。

 今すぐということであれば、最も各種指標が割安な(5391)エーアンドエーマテリアルが検討に値すると考えます。


⑥まとめ

 以上、簡単にガラス土石製品セクターの企業が割安な理由を見てきました。

 3社とももう少し下がったタイミングであれば十分買いを検討できそうです。

  次回の記事では、3社のうち最も足元で割安であった(5391)エーアンドエーマテリアルについて詳細分析を行いたいと思います。

   ※今までの記事はこちら⇒『割安銘柄の探し方シリーズ(記事まとめ)』

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