日本の賃金上昇が続かない本当の理由。真実を伝えます。

現在、岸田政権は賃上げを押し進めようと、税制などを使って、企業の内部留保を吐き出させようと企業に働きかけています。

働く人々にとって賃金が上がるのは良いことですが、賃金の「継続的」な上昇と内需拡大、経済の好循環が生まれなければ意味がありません。

果たしてこれは可能なのでしょうか?

答えを言うと、このまま政府が賃上げを促しても内需は拡大しませんし、賃上げも継続されません。

それはなぜか?

難しい経済学の公式なんか使わなくないても、シンプルな中学生くらいの考えで答えは出てしまいます。

理由1、賃上げが企業全体に波及しない。

上場企業の利益水準はトレンドからすると過去最高の水準であり、賃上げしようと思えばできます。内部留保を多く持っていることも事実です。

一方、日本の労働者はどこで働いているかというと、上場企業の様な大企業で働いている人と中小企業で働いているの割合は、大企業3割と中小企業7割となっています。

7割は中小企業で働いている労働者です。

しかも、中小企業のうち7割が赤字。

大企業は賃上げしたとして、はたして中小企業は追随できるのでしょうか?

このあたりから、中小企業改革でも活躍されていたデービッド・アトキンソンさん。https://twitter.com/atkindm?t=vRoDQviGqvjMWKEqRQkStg&s=09

中小企業の生産性が上がらなければ、全体の賃金は上がらないことを指摘されています。

利益が増えていかないと賃上げはできませんよね。

では、中小企業の生産性はどうやったら上がるのか?

簡単に説明すると、
消費量が増える。かつ、もしくは生産性の低い企業が整理されないと中小企業の生産性は上がらないのです。

GDPは個人消費の割合が52%を占めます。
残り21%が政府消費。
16%が設備投資。
6%が公共投資。

中小企業の売り上げの多くは当然、最終消費者である個人消費が上がることによって上がります。もしくは輸出です。
設備投資は輸出だろうが、国内向けだろうが最終消費者のために設備投資をするのですから、売れないことには話になりません。

よくこのことを無視したことをいう評論家もいますが、
日本企業全体の売り上げが上がっていかないと賃金は上がらないのです。
そこで理由2につながります。

理由2、内需を拡大しようとしても、消費者がいない。

消費は喚起するもの。魅力的なものを作り、売れる商品を作らなければならない。

その通りです。それが経済を発展させます。

でも、冷静に考えてください。

消費者はだれなのか??

日本の人口は1億2500万人

日本の労働人口は約6800万人。非労働人口が5700万人。

高齢者が3600万人。非労働の18歳未満若年層が2100万人ほどとなります。

子供である若年層は親である労働者に依存しています。人口の半分が働いていないのです。

消費者はだれなのか??

を大まかに考えると労働者と高齢者が6:4くらいの割合になるのではないかと思います。

消費者の内訳は 資産を持つ保守的な高齢者 と 資産と賃金の低い労働者 の構図なのです。

これは日本では55歳以上が7割の資産を保有していることからも、この構図が想像できます。

資産を持つ高齢者は、基本的に消費にリスクを取ることを嫌います。

それでも資産を取り崩してまで消費したいと思うものを作れるか?
そんなことができるでしょうか?

おそらく不可能です。

では、技術的イノベーションが起きて売れる商品ができたとします。
そのような最先端な商品を誰が買うか?

たぶん買うのは資産のあまりない労働者です。

労働者には今お金がないので家計に負債つまり借金を抱えて買わなければなりません。

現に携帯電話の購入などはローンを組む人も多い。同じような購買行動を行えば消費は増えます。ほかにはリボ払い、ツケ払い消費です。

これは持続可能なのでしょうか?

GDPの個人消費の割合は約5割を占めます。現状、持続的に個人消費を増やすには、高齢者が資産を取り崩すか、労働者が家計負債(借金)を増やすしか方法はないのです。

理由3、賃上げを先に促すと設備投資は増えない。

国内で売れないなら、海外で売ればいい。と考える方がいると思います。そのための設備投資を増やせば確かに雇用も増えます。労働市場が引き締まり、賃金上昇になるかも知れません。

しかし、国際的に展開している企業はリスク管理をしながら事業を行わなければなりません。サプライチェーンの分散化と労働力の確保のために現地化を進めています。高齢化が進む日本に生産拠点をおくことも一種のリスクです。

ましてや賃上げを先にやってしまうと、企業にとってコストの高いところでわざわざ生産することになります。これは企業にとって無意味です。

以上、3点から

今のままでは政府が賃上げを促しても内需は拡大しません。

むしろこのまま大企業だけ賃上げを行った場合、格差を拡大させ、階層社会となってしまう恐れがあります。

解決するには、

資産を多く保有している高齢者の負担を相応に増やし労働者世帯の負担を減らして、使えるお金の量を増やさなければ、社会全体に回るお金の量は増えていきません。つまり、日本の企業全体の売り上げが増えない限り賃上げの継続は不可能なのです。

そのために、
1、社会保障費を高齢者に相応に負担してもらうこと。
2、高齢者から労働者への資産移転。
この2つが絶対に必要です。

私が主張している日銀が保有しているETFを労働者に配るべき
との主張をお伝えしているのは、
高齢者から労働者への資産の移転を進めるために必要な政策だと思うからです。

ぜひみなさんにこの現状を知っていただき、日本政府にも働きかけたいと思います。応援よろしくお願いいたします^^




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