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読書⑯ 生き残っているメディアは消費者生成型

10年前に出版され、5年前に出会った『ビジネスモデル全史』をふと読み直しました。

ある程度のビジネスモデルは1990年前に完成されており、それ以降は新技術がビジネスモデル上に乗せることがイノベーションとして市場への挑戦権を得てきました。

本書の補章では「今、日本から世界に挑戦できること」と銘打たれ、「セミプロ個人の集団戦で戦う」社会リソース活用ビジネスとして消費者生成型メディア(CGM)が紹介されます。

ここで取り上げられる3つの当時「老舗」メディアが、今もなお人気メディアであるのです。

  1. クックパッド(1997~)

  2. 価格.COM(1997~)

  3. アットコスメ(1999~)

クックパッド(2014年当時)

167万件ものレシピが中核で、そこにコメントや写真をアップする機能がついています。人気レシピには1万件もの投稿が集まり、お互いにコメントできるためレシピ考案者と投稿者の交流の場にもなっています。「美味しかった!」とほめてもらえるわけですから、レシピ開発にも力が入ります。

価格.COM(2014年当時)

あらゆる商品の「ネット最安値ショップ」がわかる価格.COMを支えているのは、掲載商品ごとの掲示板です。どんなに難しい質問でも、逆に初心者の質問でも、恐ろしいくらいの知識や経験を持ったセミプロが返答・アドバイスしてくれます。核になっているのは1000名足らずの「クチコミスト」ですが、価格.COMはそれに対して「お金」ではなく「名誉」を与えています。ユーザー評価で高評価者には金銀銅メダルを与え、金メダル10個で「殿堂入り」などの仕掛けをつくっています。

アットコスメ(2014年当時)

日本で手に入る化粧品のほとんどを網羅し、そこへの「クチコミ」評価を集めることで成り立っています。その数1117万件。商品ごとのクチコミは、投稿者の年齢や肌質による絞り込みができ、自分と同じタイプの人のクチコミだけを見ることができます。

日本に多い、こだわりのセミプロたち。彼・彼女らの叡智とスキルを集めることで、いつか海外にまで届く、強いサービスを構築できるハズ!

本書

こう締めくくられますが、この3メディアは今も強い。

逆にこの10年間で続けなかった。

今後も消費者側に情報が増えるのは確かです。消費者のなかのマイノリティ側を逆転させる仕組みを作れたメディアが、次の時代の強いメディアになるはず。

消費者目線・消費者主導で、次のビジネスモデルの歴史を。


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