吉田直未(kabocya)

こちらは、移動図書室です(趣味)。X内「天宙都市」小説をはじめオリジナルタグ31品、約…

吉田直未(kabocya)

こちらは、移動図書室です(趣味)。X内「天宙都市」小説をはじめオリジナルタグ31品、約67,000回インプレッション。noteも同様に日々の発見等poem制作。出逢ってくださり感謝です。自身のXはこちら→https://twitter.com/Kabocya8kabocyA

マガジン

  • 紅女(不定期な試運転です)

    紅をテーマにした、和風ファンタジー小説です。 試作段階の小説ですが、見守っていただけますと幸いです。

最近の記事

星に願いが届くとき

・ 〜 poem サイド 〜 ・ 不確かな過去と 不透明な未来を 繋いだ今 つぎはぎで 曖昧な思い出を こよるとき 想い人を 胸に映しては 面影に触れ 記憶をなぞる いまを話せなくても いまを歩めなくても 瞼を隔てた先に 出逢えると信じて 願いをひとつ 流星群にのせた 新月の 夜 ・ end by kabocya 〜 SS(ショートストーリー) 〜 ・ 首元をくすぐる夜風に、君の襟足が揺れて応えてる。 浮ついた相槌を誤魔化すように腕時計ま

    • 言付け : B side

      ・ ※こちらは"言付けA side "の続きです※ ・ B 〜 poemサイド 〜 雨風に飛ばされそうな 郵便受け ネジ締めなおして 顔を見上げれば ありがとうって 言うんだよ 職場の移動が 春に決まってさ 配達員がお礼に 直接手紙を渡したら 笑われるかな でも笑ってくれたら それでいい 近づく足音に 来る日に備えた胸を 正す けど 文字がとくんと 脈を打つ ・ end by kabocya ・ ※こちらは"言付けA side "の続

      • 言付け : A side

        ・ 〜 poemサイド 〜 郵便受けが 軋むようになって 配達員さんも 見かねてね 待っててください そう言い残して 工具を一本持って 肩を上下 させてくれてね しだいに呼び名が 苗字から 名前になったと思ったら 苗字と 名前が混じるようになった 今も 工具を持って来てくれる けど お礼が言えなくなる 寂しいことね ・ end by kabocya 〜 SS (ショートストーリー) 〜 ・ 日中は雨風が強くて慌ただしい日だったけれど、トタン屋

        • 妖の舌

          ・ 〜 poemサイド 〜 虹の尾っぽ 引き摺りの衣 単衣に靡く時 引き潮に裾元浸し 洗うひと 遊女の息は 色もなく 海霧に溶け 寄せる波を合図に 声を掛けても 横ずっぽうは 一文字 黙りをきめた 擦れた口元を 指の腹で 拭ってやれば ひとつにふたつの 分かれ道 覗かせる舌先 辿ってみれば 艶めくは 蛇女(じゃじょ)の 鱗 かたわれ時に 透かした 妖(あやかし)の 色 ・ end by kabocya ・ 〜 SS (ショートストーリー)

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        • 紅女(不定期な試運転です)
          3本

        記事

          CLOSED

          〜 poemサイド 〜 ・ 冬の背を送る 春の訪れ 飲み口を拭った 親指は染まる 茶托は一枚 待ち人を探し 似た香りに 想いは揺れる 薬指に結んだ 紅色の約束も 果たされぬまま 淡く解けては 薄れゆく ささくれた胸 波打つ想いを 拭う指先 紅いは透ける 長いまばたき 馳せた恋は 紅の色 ・ end by kabocya 〜 SS(ショートストーリー) 〜 ・ 平日と変わらず朝六時に起きてまずは、猫のポーズ。 実家の飼い猫が行ったり来たり

          九尾の末裔

          ・ 〜 poemサイド 〜 玄翁眠る 金剛石に似た霜柱覆う 北の国 国一つ滅びるとき 国三つは息絶える 朔風払葉 夜もふける頃 北狐運ぶ狐火は一つ 国境を越えれば 黒南風から白南風の 荒南風纏う氷柱は 滴る 色静かな氷河期に 淡い彩り紅き声 狐火の熱揺れるとき 九尾象る神獣の影 凍る国にきく 東風の 色 end by kabocya ・ 〜  SS(ショートストーリー) 〜 ・ 方角は南に位置する我ら火の国は、東に位置する青く息吹く樹の

          キャバレーの朝

          ・ 〜 poem サイド 〜 パサージュを二つ目 ブリュレ色の風見鶏まで 風に吹かれるまま 追い風流されるまま SSまで息をタップした フリンジが連なる アーチをくぐれば 原色なネオンと 横っ面をぼかす 紫煙は漂う 捩じ込んだチップを ガーターベルトに忍ばせた キャバレーの夜 唇に レモンピールの苦さを 知った夜 ジンに馳せて ブルーレディになった 倉庫に一人 ヒール削って見よう見まねに モンローウォークを 決め込んだけど 幾度夜を終えても 柑橘の

          Chelsea

          ・ 〜 poem サイド 〜 足音交差する 横断歩道 行き違わないように 短針は道標を指し示し 誰一人迷わぬように まばたきのひとつ シャッターをきった 色褪せないように 記憶のネガを透かして みても 笑顔なんだ 全部 なのにどこか ピントが震えて 滲んでる 秒針を足早に セピア色の思い出まで 駆けた夜 ・ end by kabocya ・ 〜 SS(ショートストーリー) 〜 ・ 片開きドアを押してみれば、ひゅるひゅると音をした風が季節を

          セブンスター

          ・ A 〜 poem サイド 〜 ・ ジェンガみたいな 吸い殻はまだ 熱がこもってる 愛想笑いはもう 知らない人 灰皿に残る 歯形の付いたフィルターは 濃いのと薄いのと 真っさらで 私の知らない紅い色 戻って 下駄箱を手前に引けば ほら 七つ目の黒星 ビンゴ by kabocya ・ 〜 SS(ショートストーリー) 〜 ・ 積み上がった煙草。 吸い殻は雑に揉み消されて、息を吹きかけたら一瞬で散るんだろうな。 私たちみたいにさ、ほんのひと息で。

          さくら色

          ・ 〜 poemサイド 〜 ・ 想いがさ 相手に届いたぶん 叶っただけ 花は散るんだって その言葉に 伸びかけの 毛先が 風を通す 春風の先 霞んでいって 馴染んでいく 何も 無かったように 聞こえなかった まばたきをして 舞う一枚の花弁 遊ぶ星の子らに 朧月に灯した 左胸 囲う掌 桜色 end ・ ※こちらのpoemは自身のXにて、前もって記載してあるものです。 〜 SS (ショートストーリー) 〜 ・ 想いがさ 相手に届いたぶん

          春時雨

          〜 poemサイド 〜 過去にひねるは煤色の筆 硯に溜まった墨を馴染ませる黄昏時に 一人 未来にひねるは淡い筆先 空に溜まった虹の背を送る彼は誰時に また一人 贈る言葉は音に滲み 捧げる声音は粒に途切れた すれ違う時 生き違う熱 互いの指であやとりを するように 霞む雲間を補うように それぞれの息を 重ねた 春時雨   end ※自身のX内にて投稿したものを修正して、こちらに投稿しています。 〜 SS(ショートストーリー)〜 ・ 幼い頃に芽生えた片思い。

          九尾が風に靡くとき

          ⚠️今回は長文投稿となります ・ ・ ・ 青き鱗 西の海まで 波うつ時 (青龍) 白き足跡 流れゆく雲に 残しては (白虎) 秋の息を 背に乗せて 冬まで駆ける (白虎) 雪積もる 麓まで 脚進めれば (玄武) 墨色のなか 月冴ゆる音 (玄武) こだまする 四季(四神)の こえ。 ※詩(poem)の語り手は朱雀としています。 by kabocya ・ ・ ・ ✍️一言メモ ・青龍の方角は東・木属性・季節は春 ・白虎の方角は西・金属性・季節は秋 ・玄武

          九尾が風に靡くとき

          しないをする

          ・ ・ ・ 痛めた胸は 雨風が吹く 塩辛い味に 染まった 心音(こころね)いっぱいに 溜まった雨音 涙は溢れて 心を伝う 時間をかけた 時の薬 言葉をかけた 言の葉の薬 思いをかけて 想いを漉した(こした) 記憶と思い出を 重ねて 日々の暮らしの そのなかに 尊い時薬に 儚げな人薬を 目を凝らして 見失わないように 繊細で 暖かな 優しい絆創膏に 出逢えると 信じて願う 黄昏時 ・ ・ ・ by kabocya ✍️一言メモ 時薬とは

          雲に架け橋

          ・ ・ ・ 飛んだ 雫が一つ 着地する世界は 水の溜まり場となり 空をうつす海と成る 空色を翼がきって 海色を鰭がきった 水平線に別れた 世界 雨雲の涙を知らせ 晴れ間の優しさを 行き来する虹は 青いと蒼いの うたかたの想いを まばたきの 数をきって みなもに うつす ・ ・ ・ by kabocya ✍️一言メモ ・7:3の割合はビールの黄金比率だと表現される時があります。 ・髪型の種類の一つ、七三分けの数字の目安は日本独自です。 海外ではサ

          女人禁制

          ・ ・ ・ 温度差を 馴染ませようと 境目を漂う雲は覆う 陽は陽だまり色 胸を包み 陰は静寂の色 胸を整え 紅い心音 鳴らす熱 青い心音 響く熱 紅くて青い蒼くて赤い 情熱の色 時計の砂一粒が 落ちきる その時まで 太陽と月は光を伸ばし 別れを惜しみ 朝は夜に挨拶を 夜は朝に別れを 交わす 空 ・ ・ ・ by kabocya 元旦の光を仰ぎ、元日の陽だまりを静かに見送る。個人的には、そんなお正月になりました。 ✍️一言メモ 元旦と元日 元旦

          縄張り

          ・ ・ ・ 仕草や言葉に 響いて割れた 心は元には 戻りません 戻らない時間と 変わらない過去に 目を背けたくなります 胸の内に灯る か細い熱の下 筆をとり 心の破片を 両手に集め 金継ぎを しました ヒビが馴染む時 痛みが馴染む時 たったひとつの たったひとりの 想いが うまれます ・ ・ ・ by kabocya 一つひとつの言動に嬉しさが芽生えたり、時にはモヤモヤしたり、傷ついてしまうことが私にはあります。 なぜ人間は(私自身は)ひとつの出来事