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秋川じぃちゃんの香水
匂いと記憶ってのは密接に繋がっている。
街を歩いているときにふと香ってきた香りに思い出がフラッシュバックするなんてこと、誰しもがあるはず。
元カレ、元カノが付けてた香水がふわっと香ってきて一瞬、脳内に顔が浮かぶ、、なんて経験みんなしてるんじゃないかな。
匂いと記憶はそれぐらい仲が良い。
秋川じぃちゃんは12年前に亡くなった僕の祖父だ。
秋川、という場所に住んでいたらから秋川じぃちゃん。
港区に住んでたら港じぃだった可能性もある。
2年前ぐらいか。
秋川じぃちゃんの香水をじぃちゃんが住んでた家で見つけたので、もらった。誰も使わないままはねぇ、勿体無いのでねぇ。
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僕はこの匂いが好きなんだけど、家族からは「匂いが古い笑。おじさんか笑」と笑われる笑
そりゃそうだ。じぃちゃんが付けてたんだから。おじさんってか、おじぃだわ。
秋川じぃちゃんは個人タクシーの運転手だった。今も生きてたら成田空港から東京までバンバン外国人を運んでめちゃくちゃ稼いでたかもなぁなんて思う。いや、高齢すぎて無理か笑
よく仕事終わりに迎えに来てもらったっけ。
「孫を乗せるの嬉しいでしょ?」なんてめっちゃ自分に都合のいい事言って。
じぃちゃんは夜から仕事だからじぃちゃんちに遊びにいくといつも夕飯が17:00とかだった。
ばぁちゃんが焼くサンマの塩焼きがめっちゃ好きだったなぁ。
マジ、美味いんだ。
この香水を付けて外に出ると、秋川じぃちゃんを一緒に連れ出している気分になるのだ。一緒に、秋川ばぁちゃんも連れて行こうか。
この香水を付けるたびにじぃちゃんとばぁちゃんと過ごした記憶が断片的に思い出されるのだ。その瞬間、なんだか天国と繋がって会話している気分になる。
今、二人は天国でタクシーでドライブしまくっていると思うけど、こうしてたまに僕が香水で召喚している。
これからも令和の時代にこの昭和の香り漂う香水をつけて
召喚していきたい。
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