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【エッセイ】一人暮らしは2年でやめた

一人暮らしを勢いで始め、勢いでやめてからおよそ半年です。通勤定期が切れることで思い出したので備忘録的に書きます。

やめた理由は大きく二つ、

・眠れなくなったこと
・お金がかかる

です。

眠れなくなった時期はよく覚えています。
一人暮らし三十代の男性、基礎疾患なしの方が新型コロナウイルスに疾患し、亡くなったニュースを見てからでした。
状況が自分に似通っており、あまりにも他人事に思えませんでした。それまでも漠然とした不安は抱えておりましたが、不安の中味がはっきり姿を表したのはあの時からでした。

もし罹ってしまったら、そして誰にも助けを求められない状況になったら、をよく想像してしまっておりました。
その前にも眠れないときはありましたが、不安の中味がこれほど具体的になったのは初めてなこともあり、全然眠れなくなってしまいました。


お金がかかるのは「そりゃかかるだろ」って話ですね。しかし私は通帳の数字が増えていくことに安心感を覚えるタイプのようで、実家暮らしで給与の半分以上が貯金できる状況はかなり心の安定にも関わっていたようなのです。貯まらぬ通帳の金額を見ては「生活ってお金かかるのな……」と実感する日々でした。
そしてとどめになったのが更新料のお知らせとボーナス。

「ボーナスが 更新料で 露と消え」

百万回読まれてそうな一句を読んでしまった……。
流石に全額飛ぶことはありませんが、半分近くの金額が飛ぶわけです。
眠れなくて苦しくて、お金も貯まらなくて、こんな苦しい想いをしながら一人暮らしする必要はあるのか……?


ということで、やめる決断をしました。ワクチン打ってから実家へ帰りました。
やめた後悔はあります。ただ、やめてもやめなくても後悔すると、予想していた通りの後悔です。
どっちが正解でもないけれど、実家に戻ってから、一人暮らしの時みたいに眠れない日がほとんどないのはかなり気が楽になっています。

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