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【ネタバレあり】実写映画『恋は光』感想
※このnoteには原作である漫画のネタバレを含みます。漫画のネタバレ見たくない! 場合は私の観賞後のお昼御飯だけご覧ください。鹿児島遊楽館2階のレストラン、食事もよくて雰囲気も落ち着いていてよかったです。
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観ました。
原作から変更された点は多数ありましたが、2時間の尺に収めるためにより分かりやすく、原作を尊重しながらの変更に感じました。
個人的に、原作以上に女性3人のファッションが特徴づけられてたのが楽しかったです。
そして原作もそうなんですが、恋愛がテーマなのに恋愛っぽくない。
男主人公が3人の女性から好意を寄せられるので、ハーレムものの条件は満たしているのにハーレムものっぽさもない。
なんでかなあと考えてやっと気が付きましたが、この作品、いわゆる性的接触の描写がほとんどないんですよね。
少女漫画から出てきた表現に「壁ドン」があるように、恋愛漫画って物理的距離が近づくことで心理的距離も近づいたりするんですよね。
物理的距離にドギマギして
(こんなに近づいたら心臓の音が聞こえちゃうよ……!!)
みたいなモノローグがあったりしますけど、この作品はそういうのが全くない。
実写映画だと宿木さんから西条への(一方的な)キスシーン、最後の北代と西条が手を繋ぐシーン、ほんとにこれぐらい。
手と手が触れてドキッ……とか、転んだらキスしたゃたとか、ラッキースケベとか、そういうの一切ない。
漫画だと水着回はあるけど、必要以上にいやらしく描写することもない。東雲さんが(西条さんに見られるのは緊張します……)と思ったりはするけど、西条も西条で「東雲さんの水着姿が見られた。よかった」ぐらいのセリフだけ。
(ただし性欲への言及自体はあるので、意図的にそうした描写を排除しているのだとは推測)
人によっては物足りなくなりそうですが、私はこのストイックさ? シンプルさ? が好きです。硬派とも違うこの感じ。
「付き合う前からキスしたり睦み合ったりするような恋愛は好かん」と考える人は、こういう恋愛映画なら受け入れられるんじゃあないかな。
思えば登場人物がひたすら恋愛について「語る」作品も珍しい感じがする。ややもすると地味なんだけれど、私は好きなんだよなあ……なんでだろう。
その他、箇条書き。
・冒頭いきなり笑った。「涼しくなったわ」とカップを握りつぶす宿木さん好き。
・人の手帳を勝手に見るな
・人の手帳を勝手に校正すな
・↑私だったらこの時点でドン引きだけど、東雲さんは大丈夫だったんだなあ……むしろ嬉しかったんだなぁ……。
・「宿木嬢は~(以下略)」「は?」のとこすき。そら「嬢」とか付けねぇよな、そこがおもしろいとこだけど。
・やけ食いの北代、パスタに全く手を付けていなかったので、あの後スタッフが美味しく召し上がったんだろうな……(勝手な憶測)
・ゲロOKな東雲さん役の女優さん
・倉敷に観光いきたい 後楽園いきたい
・央さんが北代に「今まで見た光で一番きれい」と伝えるシーンで涙が出た。
・ラストの東雲さんがきれいに涙を流すシーン好き。一日かけてノート埋めるからジェバンニ思い出しちゃった。
・映画に直接関係ないけど、隣のオジサンがよく笑っててそれ含めて楽しかった。というか意外とオジサマ多かった。平日昼間ってこんなもんなんです?全日に予約した時点で3分の2ぐらい席埋まってたけど。
・おおむね良かったけど、西条のメガネだけは許せん。原作に合わせようとしすぎて浮いている感。
西条はしゃべり方といい、あえて"漫画っぽいヤツ"として描写しているようですが、あのメガネだけは受け入れきれん。
私はメガネフェチなんですけど、浮いたメガネ見ると「なんか違う……」と違和感の方が強くなりすぎてしまうんですよね。実写化で浮きがちなメガネだけは一生許せない。『ハケンアニメ!』のあの女性とか。
西条のあそこまで真四角なメガネ、ファッションに興味ない人は絶対かけねえんだよな……絶対高いし。
実際作ったようなしゃべり方するオタクっていますし(ブーメラン)、しゃべり方は「あ~こういうオタクいそう」ってなるんだけど。メガネだけは……。
かたじけない。武士か。
・あとは北代が西条のこと、ちょいちょいアウティングしちゃうの気になった。光のこととか、過去のこととか。原作だと宿木さんに聞かれても「自分からは言えない」って断ってたからなぁ……。映画では東雲さん相手だから言ったのもありそうだけど。うーん。
(以下、原作ラストのネタバレ)
原作ファンとしてどうしても気になるのはやっぱりラスト。
東雲さんを選んだ原作、北代を選んだ映画。
『恋は光』でググると「炎上」がサジェストされるぐらい、原作のラストは納得いかない人が多いようでした。
作中でも西条が北代を選ばない理由は語られていますし、
「この作品のテーマが「恋」だから東雲を選んだけど、
テーマが「愛」だったら北代を選んでいた」
というあとがきの一言にも私は納得していたので、炎上するのが不思議でした。
というかな。ハーレムもので、男が決着をつけずに、周りの女の子たちが勝手に納得して終わりになった、どこかの一条楽とは大違いでよかったんだけどなあ。
(何かを持ち上げるのに、何かを落とすのが悪手と知っていても、ハーレムもの決着の失敗例としてあの作品を挙げずにはおれない……)
とはいえ、北代エンドも興味があったので、映画は映画でそういう決着になるか~と受け入れられました。宿木さんの「落ち着くおまじない」の時点で気持ちが固まりつつあったんだろうなあ。
映画見て原作読んだ人しかここまで読んでないだろうけど、原作読んで納得できなかった人はひとつのアンサーとしてみてほしい。関東だと上映館かなり減っちゃってるけど……(私自身、行きやすいところが明日までだったので慌てて観に行った)
なんにしてもいい作品だったので興業収入伸びてほしいです。観てよかった。
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